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ちゃんと伝えたのに、違うものが届いた─緑🔥2

ちゃんと伝えれば、
分かってもらえると思っていた。

でも、届いたのは
また“違うもの”だった。

私はもう、
何も言わなかった。

────

中学2年の修学旅行。
新しいカバンと靴が欲しかった。

小学校の頃、親に勝手なものを買われて嫌な思いをしたことがある。

あの時は、まだ子供だったし、
伝え方が悪かったんだろう。
私は、そう考えた。

きちんと伝えれば、分かってくれるはず。
私は広告の裏紙と鉛筆を取り出した。

“みんなが履いているような白い合皮のスニーカー”
“少し大人っぽい、小さめのキャンバス地の四角いバッグ”
制服にも合う、シンプルで可愛いもの。
私はそのイメージを絵に描き、解説付きで
母に渡した。

「誕生日もクリスマスもいらないから、これを買ってほしい。お店も、一緒に行きたい」

丁寧にお願いした。
これなら伝わる。

ある日、仕事帰りの親が袋を抱えて帰ってきた。



――血の気が引いた。


なんで。
なんでよ。


母は、また“ついで”で勝手に買ってきた。

包みを開けると……
“鮮やかな緑色のスニーカー(布の、先が細く少しダサいタイプ)”
”同じく緑が強い、チェック柄の四角いカバン“

白でもキャンバスでもなく、まったく想像していなかった色とデザインだった。

鏡に映る自分は、緑色まみれだった。


「……なぜ緑……」

小学校の経験がある私は、本音をぶつけても
傷つくだけだと、なんとなく分かっていた。

私が微妙な顔をすると、母が言った。
「なに、また気に入らないの。」


「いや……ありがとう。」


心の中では、「ありがとうって言わないと怒るんでしょ、どうせ」と思った。

疲れた。もう、なんでもいいや。

────

翌日、半ばヤケクソで全身緑コーデで学校へ向かった。

笑われるのは覚悟していた。
でも、もしかしたら可愛いのかも
……いや、ないだろうけど。

友達の家に着くと、友達は私を見るなり大爆笑した。

「え、緑!!?今日めっちゃ緑じゃん!!
なんでそんな緑なの?」

学校に着くと、他のクラスメイトにも言われた。

私はヤケクソで腰に手を当てて、
モデルのように立ってみせる。

「ミドリムシコーデ。」

友達は爆笑していた。

これで、緑色まみれの情けない私でも、
惨めに映らないかな。

ちょっとでも、幸せに見えるかな。

私は、空っぽのまま、笑い続けた。


私、ピエロみたい。


笑いながら、泣きそうだった。

次の日からは、気に入ったパーカーだけを着て、靴とカバンは別々に使った。

修学旅行には、靴だけ履いていった。

もう、何も期待しなかった。

──────────
🫧この形の私

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