壊していく存在 🔥3
年末年始になると、
実家の親戚の集まりに来ていた、
明るいおばさん、コイケさん。
しかし、ある時を境に、
私の中でコイケさんを見る目が変わった。
それは、母の言葉がきっかけだった。
母は私に言った。
「お母さん、コイケさんはおかしいと思う」
「何がおかしいの?」
「お父さんとコイケさん、
この間も二人で飲んでたみたいで、
色んな人に心配されるの。
お母さん、恥ずかしい思いしたのよ」
「本当に二人とも、常識がない」
母にとって、コイケさんは
“疑惑のある相手”のようだった。
ただ、実際に二人が不倫という関係だったのか、
それは分からない。
「親戚だろ。」
それが、父の決まり文句だった。
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ちょうどその頃、妹から聞いた話も母の愚痴に拍車をかけた。
ある日の事だった。
実家にいたのは妹だけだった。
インターホンが鳴り、妹が出ると、
そこにはコイケさんがいた。
「お父さん、いる?」
「いませんけど。」
妹も、コイケさんにかなりの抵抗があったため、
ぶっきらぼうに答えたという。
「お父さんにちゃんとご飯を作ってあげなきゃ」
突然コイケさんにそう言われ、
妹はかなり怒っていた。
「本当にあの女、頭がおかしい」
母は怒ったように言った。
けれど、その表情には怒り以外のものも
含まれているように感じられた。
少しだけ、相手を責める理由を得たような
表情にも見えた。
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それからというものの、母は、”父とコイケさんの情報”を逐一私に報告してくるようになった。
「お父さん、夜中楽しそうに電話してるでしょ?誰かと思ったら“あの女”だったのよ」
「またあの女と飲みに行ってたらしいよ。常識がないのよね」
母は声を荒げ、ため息をつきながら
次々と話を重ねた。
私は椅子にもたれ、顔をしかめながらも、
必死に聞き流すしかなかった。
そして、気づけば私は、コイケさんの声や姿を
思い浮かべるだけで胸がざわつき、
憎しみが少しずつ膨らんでいくのを感じていた。
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🫧この形の私

