異物感 🔥4
母から聞く父とコイケさんの話。
その関係は相変わらずだった。
二人で飲みに行く。
ゴルフに行く。
夜中延々と電話で大笑いして話す。
「この間、2人でこの家に入って行くところを見たって言われたの。
おかしいでしょ、ここに勝手に入るの」
「みのりが聞いてくれるから、嬉しい」
「お母さん、みのりにしか言えないから」
母は、私に何度もそう言った。
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それからしばらくした頃。
私の父方のいとこが
結婚することになった。
その結婚式に、
私は夫とともに招待され、
私たちは夫婦で参列した。
その日、母は仕事のため欠席だった。
「まおちゃん、おめでとう!」
「みのりちゃん、来てくれてありがとう」
私に手を振るいとこの
真っ白なドレス姿。
懐かしい面々に夫を紹介した。
その中に父の姿。
その隣にはコイケさん。
二人は隣同士で並び、
にこやかに話していた。
─────
披露宴が始まった。
式場に移動し、着席する。
夫と席に着いた私の目線は、
コイケさんに向いていた。
二人は並んで座り、
笑いあって、なにか話している。
よく私の前で話せるな。
よく分からない怒りのような感覚が
私を包んでいく。
2人は立ち上がり、
相手の親族の席を回る。
そして、笑顔でお酒を注ぐ。
会話の途中、コイケさんが父の肩に
ポンと手を触れた。
手が、震える。
「仲良しご夫婦ですね」
相手の親族の声。
二人は否定せずニコニコしていた。
席に戻った二人は、
乾杯の合図でそっとグラスを合わせる。
本物の夫婦であれば、
微笑ましいおしどり夫婦なのだろう。
気持ち悪い。
父とコイケさんは
夫婦にしか見えなかった。
そして、二人は周囲の見え方を
気にしているように感じなかった。
私の怒りは1人に向かった。
無神経な女。
“コイケさんは敵だ”。
ただの疑惑では済まされない。
二人の関係が何なのかは知らない。
でも。
胸に重くのしかかる異物感と、
吐き気のような嫌悪感。
あの人をどうしても受け入れられない――許せない。
怒りが心の奥で静かに渦巻き、
私はバッグを握りしめた。
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🫧この形の私

