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親戚の前で壊れた日 🔥5🔴

「私だけが怒られる」
「私だけが虐げられる」

それは、家の中だけの話だと思っていた。
でも、その日――
“いつもの構図”は、外に持ち出された。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

私が小学校4年の、年末年始のことだった。

年末年始は、毎年義祖母の家に行き、
冬休みを過ごす。
それが、我が家の当たり前だった。

義祖母の家には、
伯母とその子ども達も集まる。
両親も仕事が休みになると義祖母の家に合流し、年末年始を過ごす。

その年も、例年通りのメンバーが集まり、
楽しく過ごしていた。

「おい、みのり」
「おまえ、なにやってるんだぁっ!!」

何かが父の逆鱗に触れたのだろう。
突然の爆発のように、父が私を怒鳴りつけた。

その瞬間、私の頭の中の”スイッチ“が入った。
気づくと私は、火がついたように泣き出していた。
いつものように、赤ちゃんのように。
悲しかったのか、苦しいのか、なんの感情なのか分からない。

ふと、前に目をやった。
私の目の前。

憧れのいとこの目が、何も言わずに私を追っていた。その無言の視線が、私の孤独を突き刺す。

その瞬間、感情が私の中で暴れる。

「分からないやつだな!こい!」
父は、涙でぐしゃぐしゃになった私の
手を掴んだ。

そして、そのまま外に引きずり出された。

「開けて!入れて!ごめんなさい!」
泣きながら扉を叩いた。

県外の親戚の家で、夜中に外へ出され泣き叫ぶ私。
親戚やいとこたちは、
どんな気持ちで見ていたのだろう。

けれど、誰の声も聞こえなかった。
玄関は暗いままで、扉も開かなかった。

ひとりで、立ち尽くす。
ひっく、ひっくと勝手に嗚咽する。

涙がどんどん出てくる。

ああ、全然ちがう。
私はここにいる人たちとは、全然ちがうんだ。

自分と同じくらいの歳の子どもたちの前で怒鳴られ、泣き叫び、外に放り出される。
その屈辱は、家の中の恐怖とはまた別の痛みを生んだ。

やがて私は、泣くのをやめた。
黙って、立っていた。

「私って人間じゃないみたい」
そんな言葉がうかんだ。

暗がりの中、道には誰もいない。
扉は開かない。
寒い。

黙って裸足の足もとを見つめた。

その日、玄関の扉が開かれたのがいつだったのか、
よく覚えていない。

5分、10分の話だったのかもしれない。
けれど私には、とてつもなく長い時間に思えた。

誰もいない知らない場所で、
私は暗がりの中、ひとりで立ち尽くしていた。

──────────
🫧この形の私

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