生きるための嘘─嘘つきは泥棒のはじまり 🔥3
嘘つきは泥棒のはじまり――
やったふり、なかったこと。
私が選んだ“生きるための嘘”。
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父にも母にも毎日怒鳴られ、否定された。
けれど、なぜか私は、勉強しなかった。
しなかったというか、できなかった。
なぜなのか、私自身にもよく分からなかった。
その日も、いつもと同じだった。
……やりたくないなぁ。
仏頂面でノートを開く。
机につく。
すると、心に黒い雲が覆い、吐きそうになる。
私は、黙って前のページを開いた。
消しゴムで日付を消し、今日の日付に書き換えた。
無心だった。
────
母が帰宅し、声をかける。
「勉強したの?」
「うん」
心臓が跳ねる。
「見せなさい」
言われてノートを見せると、母は何も言わなかった。
やった!
これは、いける。
その日から、私は日付を書き換え、
やったふりをするようになった。
日付欄は真っ黒に埋め尽くされる。
怒られた。
1日だけ頑張って書き、
あとはまた黒くなる手前まで書き換え続ける。
すぐにバレる状況でも、私は誤魔化し続けた。
それから半月がたった。
誤魔化し続ける私に、父は怒鳴り続けた。
「嘘つきは泥棒の始まりだ!
お前は犯罪者と同じだ!」
「なぜお前はそんなことをするんだ
勉強すればいいだけだろう」
父は頭を抱えた。
「なぜ嘘をつくのか説明しろ!!」
怒鳴り散らす父。
私にもわからなかった。
「誰かのためにつく嘘はいい嘘だ。
一番やってはいけない嘘がある。
それは、“自分のための嘘”だ。
お前は悪い嘘をついている」
悪い嘘。
足先が冷たい。
私は、
悪い人間。
”悪い嘘つき“
その言葉が私の黒目に突き刺さり、
脳を貫通した。
けれどそれからも私は、やり続けた。
坂道を転がるボールのように、止まることなく
なかったことにする。
やったことにする。
心の奥は、凍りついていった。
それでも、私は前へ進み続けた。
誰にも止められず、止まれずに。
──────────
🫧この形の私

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