"がんばろう”が残った日 🔥3
毎日、よく怒られていた。
私は泣いてばかりだった。
うまくできない。
鈍臭い。
すぐ怒られる。
どうしてみんなみたいにできないんだろう。
そんなことばかり考えていた。
────
いつも遊びに行く友達の家には、
たくさんの漫画や小説があった。
「うわぁー!マミちゃん、いいなぁ」
ある日、遊びに行った私がそう言うと
マミちゃんは笑って言った。
「貸してあげるよ!」
「え、いいの?」
マミちゃんはニコニコしながら言った。
「当たり前じゃん!今日から順番に貸すよ。
どれから読む?」
「えーっとねぇ」
本棚の前を歩き、物色する。
ピカピカシリーズもいいんだけど……。
まずは、これからかな。
「この、冒険シリーズがいい!」
私は、20冊くらいあるシリーズを指さした。
「この間、1巻見た時面白かったんだよね!」
「それ、面白いよねぇ」
マミちゃんは、言った。
その日から、
私は本を借りて帰り、家で読む。
その生活をするようになった。
────
コタツに寝転び、足をパタパタさせながら、
その日も私は本を読んでいた。
その時読んでいた話に、
いつもは出てこない男の子が登場した。
弱くて、どんくさい。
かっこよくもないし、いつも泣いてる。
ただの脇役の男の子。
「待ってくださぁぁい!」
主人公の女の子に泣きながら
ついて行く。
その子は何度も、
自分に言い聞かせるように呟いていた。
「がんばろう、がんばろう。僕はくじけないぞ」
なぜか、その言葉だけが妙に頭に残った。
その子が強くなったのか、
どんな話だったのか、
もうあまり覚えていない。
────
それからも私は、シリーズを読み続け、
あっという間に20冊を読破した。
他の本も、沢山借りた。
それでも、その言葉だけが
小さく残り続けた。
──────────
🫧この形の私

