#00 URBAN MATAGI:都市の設定を裏読みしたい観察者【START】
都市には、
表に出ていない設定がいくつも埋まっている。
URBAN MATAGI です。
上海で、都市の観察をしています。
マタギというのは、本来は山に入って、
獲物よりも気配や足跡を読む人たちのこと。
派手に動かず、距離を保って、
環境のズレや獲物の痕跡を拾う生態です。
その様相が、都市を歩く自分の感覚に近くて、
自らをそうラベリングしています。
東京では編集者、ときどき雑貨業界の人。
上海との二都市間を行き来しながら、
街のノイズや挙動のクセを見ています。
こちらに来て最初の一年ほどは、
インプット中心の毎日で、
生活圏をかなり狭めて、歩いて、見て、記憶するだけでした。
起動直後に喋ると、だいたい誤作動するもの。
都市は、距離を詰めすぎると
急に「初心者向けUI」を出してきます。
おすすめ、ランキング、正解ルート。
あのチュートリアル画面が少し苦手で。
黙って歩いていると、
街はわりと雑で愛らしい素顔を見せます。
角刈りマッチョなビジネスマンが、ピッチピチのワイシャツを着て
夕方、主婦たちの輪の中に混じっている様子。
入れ替わっても入れ替わっても、
毎回そっくりな店が出てくる商業施設の出店計画。
コーヒー、ミルクティー、フルーツ茶が
勢力争いをしていて、
立つ場所で街の属性が変わるドリンク地図。
そして、
角刈りマッチョのブリーフケースにも、
いかつい配達員のバイクの荷台にも、
頗る運転の荒いタクシーの助手席にも、
なぜか等しく存在しているゆるキャラのマスコット。
そういう、
特に説明も必要とせず、誰もがスルーするような光景。
興味があるのは、
デザイン、文化、歴史、都市、人の動き。
そして、それらのあいだに生まれる行間。
派手な解説はしません。
攻略ルートも提示しません。
これはガイドではなく、オリジナルな解釈満載の観察ログです。
Urban Matagi は、
獣道を探して走り回るタイプではありません。
街が勝手に裏ラインを開けてくるのを、
少し離れたところから観察していきます。
読むと、
都市の輪郭がほんの少しズレて見える。
ここには、そんなログを置いていきます。
