M-1グランプリ2025
さすらいラビー中田さんのnoteを読んだ。
簡単に言うと、触発された。バキバキに、刺激を受けてしまったんだ。
やる前に自信だけはあったけど、落ちてみたらば納得がいきすぎる。
納得がいきすぎて情けない。
特にこの一文。それは覚悟。取り組み。思い。信念。時間。労力。そういったものを、近くで見てきたから、中田さんの文章の行間に、僕なりに勝手ながら脳内でいろいろと読み取り、刺激を受けて、今こうして書き始めている。
そしてなにより、この一文は、今年のM-1グランプリを終えた僕自身の気持ちを表す一言と、まったく同じだった。
思えば、なぜ今年はM-1についての思いを書くつもりがなかったのかというと、それは、やはり「納得してしまったから。」だった。
万年2回戦敗退ボーイ。3年前にまぐれで3回戦進出を果たしたものの、その3回戦は、ライオンロックの芸人人生で最もスベった、もう思い出したくもない悪夢のような一日で。
今年の勝負ネタ「桃」ができた時、これは2回戦で落ちるはずない、大丈夫。なんなら突破したことのない3回戦だって、きっとこれなら一撃で乗り越えられる。そして僕たちは、必ず準々決勝へ行くもんなんだ、なんて息巻いていたのだけれど、本当は、本当はというか、自分の顕在意識よりもっと根っこの、心の奥の奥のほうでは、「3回戦でウケたい。」を、目標にしてしまっていたのかななんて。今更ながらに思う。
結果、今年の3回戦で、その奥底の目標が達成された。いや、されてしまったというべきか。
今年、悔しくなかったのは。
準々決勝進出者発表の5時間後に、オールナイトニッポンX生放送を控えていたから、有楽町線の車内で早急に3回戦落ちたトークを練って、めくるめく打ち合わせからの生放送本番。そしてアドレナリンまみれの身体でニッポン放送を飛び出しネットカフェで仮眠を取って、早朝から新幹線に乗り込み岩手県で営業。非日常につぐ非日常を駆け巡り、東京へ戻る新幹線で、翌日の事務所ライブにかけるネタの台詞を覚えた。
そんな目まぐるしさのせいで、悔しがってる暇がなかったからだなんて思っていた。
でも、本当は違う。心の奥底に住む、ビビリで、「おもしろくないと思われたくない、またあんな思いをしたくない」を握りしめた、弱くて弱い自分による、予防線を張りまくった最低限の目標が、無事達成された、されてしまったことによる、たしかな安堵を感じたからだった。
そんな情けない自分を、誰かに見られないために、なにより自分自身がそれを直視しないために、「課題は見つかった。来年に向けて、また切り替えて頑張ろう。」なんて、テイの良い虚勢を張って、今日まで過ごしてきたんだ。
なにしてんねん。切り替えんな。
直後の月笑の楽屋で、諸先輩方からたくさん激励の言葉や、来年に向けてのアドバイスをいただいた。もちろん中田さんからも。
具体的に、足りない部分、進化が必要な部分、戦えている部分、色々聞かせてもらった。先輩方の言葉を聞くと、その課題を達成したあとの自分たちを想像してワクワクした。
「ほんまや、そういう課題全部クリアしたら、俺ら、もっと上いけるやん!」
そんな風にポジティブに前向きに、未来にワクワクしたのも事実。たしかに事実なんだけど、なんか、でも、そうじゃないよな。それだけじゃダメなんよな。
今年「桃」で落ちるまで、そういう課題点に気付いてなかった事実。桃に陶酔して、桃を疑わなかった。現時点での最高傑作と信じて疑わなかった。そこから、「あとなにが足りない」を考えることを、なぜしなかった。そういうのも全部全部1年間で考え抜いて考え抜いて、そんな人たちが、上にいってる人なんじゃないのか。
まだまだだ。
こんなに恵まれた環境にいるのに。あんなに近くで見てたのに。
青色さんが毎日毎日これでもかってコントに向き合ってたとこ、ストレッチーズさんが限界まで自分たちのこと追い込んで新ネタおろしてるとこ、センチネルが、どんだけ出るねんってくらいライブに出てネタを叩いてたとこ、さすらいさんが、ひたむきにひたむきにネタを作り続けていたとこ。
ほんま、なにしてんねん。
M-1二回戦が終わって少しした頃、青色1号カミムラさんと、ストレッチーズ高木さんと3人で飲んだ。
僕はカミムラさんに聞かれた。
「本気で決勝行きたいのか?」
僕は答えた。
「はい。行きたいです。」
「だとしたら、」のあとに続いた言葉。それは、努力やモチベーションといった類の内面的な話でも、答えの出ない抽象的な話でもなかった。
ここから先は
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
