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オンライン相談所「IBJ online」は登録する価値があるのか? 一次情報から見えた現在地と注意点

はじめに|「IBJ online」の現状

先日、婚活業界最大手のIBJが立ち上げたオンライン結婚相談所「IBJ online」について取り上げたところ、多くのアクセスをいただくと同時に、コメントやDMでも反響をいただいた。

「noteマネー」ピックアップ記事 IBJがオンライン相談所を始めた“本当の理由”について考察しました

なかでも、実際に「IBJ online」に登録されている読者の方からは、非常に詳細で一次性の高い情報提供があった。

「IBJ online」のサービス開始は2025年11月からだが、12月に入ってから新たな動きがあり、本サービスの現在地がより立体的に見えるようになってきた感覚がある。

そこで今回の記事では、読者の方から提供いただいた一次情報と、IBJの公式発表を突き合わせながら、独立した第三者の立場から「IBJ online」の本質を整理・分析してみたい。


1.婚活ミドル層を取り込むための「IBJ online」

まず、第一弾の記事のおさらいから入りたい。

IBJは2,700社超の加盟店を抱える国内最大の相談所連盟。自社開発のシステム「IBJS」は、加盟相談所をつなぐプラットフォームとして機能しており、データマッチングに仲人による手厚いサポートを掛け合わせた独自のビジネスモデルで業界をリードしてきた。

これまで婚活市場は

  • ライト層=マッチングアプリ「ブライダルネット」「youbride」、婚活パーティー「IBJ Matching」

  • 真剣層=結婚相談所(IBJ加盟店)

に二分され、IBJはこの両端の層をカバーしてきた。

出典:IBJ ニュースリリース

しかし近年、「アプリより真剣に、でも相談所ほど重くはない層」、いわゆる「ミドル層」の存在が無視できなくなってきた。そこでIBJは、約650万人とされる「ミドル層」を取り込むため、相談所とマッチングアプリの強みを併せ持つサービス「IBJ online」を立ち上げた、説明している。

ただ、これは“建前”である可能性もある。

「仲人を必ずしも求めていない婚活者が相当数いる」という現実を、IBJ自身が公式に認めたとも言えるからだ。

事実、公式サイトには

・成婚料やお見合い料などの追加料金は一切なし
・困ったり、悩んだりしたときだけ気軽に相談

と明記され、仲人不在の婚活が許容されている。

そして興味深いのは、YouTubeやSNSで積極的に発信するIBJ加盟店の有名相談所ほど、この話題に触れないことだ。その沈黙自体が、業界の複雑な本音を物語っているようにも見える。

相談所に入る前に現実を知りたい方へ。相談所7社を渡り歩いた私が、成婚率わずか3.5%の実態と婚活ビジネスの構造を解剖しました。

2.「IBJ」ブランドを冠した思惑

従来、IBJは自社のマッチングアプリ「ブライダルネット」「youbride」に、IBJのブランド名を冠してこなかった。そこには、自分たちはあくまで結婚相談所連盟であり、「マッチングアプリとは一定の距離を取りたい」という心理が透けていた。

ところが、出会いは大きく変わった。

今や、1年以内に結婚した夫婦の出会いはマッチングアプリが最多であり、「既婚者の3人に1人」がアプリ婚をする時代だ。ここまで市民権を得たマッチングアプリを、もはや無視することはできない。

それゆえ、「ミドル層」を取り込むためには、IBJの名を前面に出すことで、業界最大手の「安心・安全」なイメージを強調したと考えられる。もちろんマッチングアプリではなく、オンライン相談所だからこそ、IBJも安心してIBJのブランド名を掲げることができたのだろう。

3.「IBJ online」が提供する3つの価値

ニュースリリースによれば、「IBJ online」が提供する価値は次の3つだ。

(1)オンライン結婚相談所の垣根を超えた、豊富な出会いの機会
(2)独身誓約書で安心な活動環境を提供
(3)アプリで完結するスマートな婚活体験

一つずつ順番に検証していこう。

(1)豊富な出会いの機会は着実に広がっている

「IBJ online」は、連携する複数のオンライン結婚相談所の会員基盤をつないだ「オンライン結婚相談所プラットフォーム」である。

つまり、出会えるのは、あくまでオンライン相談所の会員同士のみ。IBJのメインサービスであるIBJSに加盟する店舗型相談所の会員とは出会えない点に注意が必要だ。

開始時の連携先は、自社マッチングアプリ「ブライダルネット」と大手結婚相談所「ツヴァイ」の2社だったが、現在は連携が拡大している。

12月18日、「IBJ online」アプリ内のお知らせで、次のようなアップデートが発表された。

タイトル:IBJ onlineに新しい仲間が加わりました!

本文:いつもご利用いただきありがとうございます。この度、ブライダルネット・youbride・結婚相談所ZWEIに続き、新たにオンライン結婚相談所「スマリッジ」がIBJ onlineに加盟いたしました

引用:読者の方からの情報提供

公式サイトでは連携先に「youbride」の記載がなかったが、現在は4社に拡大している。

また、連携先によって利用条件が異なる。

ブライダルネット: 有料会員が対象
ツヴァイ: 「IBJS」を利用しないプランの会員が対象
IBJ onlineのみ: 入会金11,000円、月会費7,700円(税込)で利用可能

(2) 「相談所」なのに、独身証明は“任意”という矛盾

問題は「独身証明書」の扱いである。
公式サイトでは「独身誓約書への同意」を必須とすることで安心感を強調している。

しかし、問題は「結婚相談所」を標榜しながら「独身証明書の提出が任意」である点であり、従来の店舗型相談所と決定的に異なる点でもある。

▶実態は「アプリ以上、相談所未満」のグレーゾーン

独身証明書の提出を必須としていないことは、結婚相談所運営において特定商取引法上の違反ではない。

但し、法律的には問題はなくても、実態は「アプリ以上、相談所未満」のグレーゾーンに位置しており、既婚者が混ざるリスクがある点で、安心感は担保できていない。

また、連携先の自社マッチングアプリ「ブライダルネット」「youbride」も「独身証明書の提出が任意」である。

つまり、これだけではマッチングアプリと同レベルになってしまうため、「独身誓約書へのサインを必須」とすることで差別化を図っているのだろう。

▶「独身証明書」は真剣さアピールのオプション扱い

情報提供によると、「IBJ online」アプリ内のQ&Aでは以下の記載があったという。

ご提出は任意ですが、結婚に向けて真剣に活動していることをアピールできるポイントのため、ぜひご検討ください。

引用:読者の方からの情報提供

相談所であれば必須である「独身証明書」が、まるで真剣さアピールのオプションのように扱われている。

▶ビジネスモデルを優先し、リスクを会員に委ねている

情報提供によれば、活動中に入籍の事実が確認された場合、30万円の違約金が発生するという。しかし、「独身誓約書」には法的強制力がない以上、既婚者が紛れ込むリスクは、やはり店舗型よりも高いと言わざるを得ない。

独身証明書を必須にしない最大の理由は、「新規入会へのハードルを下げること」にあると考えられる。

しかし、同じオンライン相談所であっても、「エン婚活エージェント」では独身証明書の提出を必須とし、取得のサポートまで行っている。同社が「手間を解消するのは運営側の努力」だと捉え、安心を担保する方向へ進んでいるのと対極だ。

▶もはや「相談所」という言葉の形骸化が進むだけでは?

情報提供してくださった方も、こう指摘している。

ただでさえ独身偽装の裁判が増えていたり、男性は男性で頂き女子やビジネスの勧誘の被害に遭ったりもしてるのですから、 独身証明書は必須にして、マッチングアプリと差別化すれば良いのにと思います。

引用:読者の方からの情報提供

確かに、婚活市場では、独身偽装の裁判、詐取被害、副業・投資・マルチ勧誘などのトラブルが増えている。「独身誓約書」に法的強制力がない以上、既婚者や勧誘目的のユーザーを物理的に排除することは不可能だ。

今後、連携先の拡大に伴い、「独身証明書の必須」へと改変される可能性はあるものの、現時点ではアプリ並みの手軽さを優先した結果、リスクを会員側に委ねている点が、元婚活者の私には解せなかった。

▼Xでは「相談所の男性に婚約者がいた」という投稿が話題に。そこから相談所でも起きる既婚者・婚約者リスクと見抜き方を解説しました。

(3)従来のIBJのお見合いと異なるルールがある

「IBJ online」では、お相手探しからマッチング、初回アポの日程調整まで、すべてアプリで完結する。マッチングアプリのようにメッセージのやりとりは不要だ。

従来のIBJのお見合いと同様に、マッチング=会うことの約束となり、1時間程度お茶をするトライアルデートを実施する。

ここまではIBJが公式に語る「IBJ online」の全貌である。

公式サイトで記載されていないルールについて、情報提供を元に共有しておきたい。

従来のIBJのお見合いと同様のルール

  • お見合い後の回答に期限がある

  • 交際希望の取り継ぎがある

従来のIBJのお見合いと異なるルール

  • お茶代は「割り勘」が原則

  • 所要時間は30分〜1時間を推奨

  • 当日キャンセルは違約金が発生するが、連携先によってキャンセル規約が異なる

    1. ブライダルネット=5,000円(税込)の支払い。

    2. ツヴァイ=前日15時以降にキャンセルした場合、22,000円(税込)の支払い。

    3. スマリッジ=前日15時以降にキャンセルした場合、5,000円の支払い。

▶初回は30分以上・お茶代「割り勘」のカジュアル設計

従来のIBJのお見合いでは、お茶代は男性側が全額支払うのがルールだが、以前から「男性の負担が大きい」「時代に合わない」などの賛否両論が起こっていた。そのため、コスパ・タイパ重視の「IBJ online」では、男性の経済的負担を下げるよう設計されているようだ。

所要時間については、従来のIBJのお見合いでは1時間程度とされている。しかし、やはりコスパ・タイパ重視の「IBJ online」では、結婚相談所「パートナーエージェント」やオンライン相談所「ゼクシィ縁結びエージェント」と同様に、30分〜1時間が目安とされている。

▶お茶代「割り勘」ルールのメリット・デメリット

このお茶代「割り勘」ルールは吉と出るか、凶と出るのか。

たとえば、「パートナーエージェント」は割り勘を“推奨”しているが、「IBJ online」のように“原則”とまでは言及していない。そのため、「パートナーエージェント」で活動していた私の実体験では、仮交際成立率を高める戦略として、ほとんどの男性がお茶代をご馳走してくれていた。

それゆえ、割り勘派の男性が活動しやすくなる一方、「IBJ online」でも奢り派を貫く男性との間で、交際成立率の差が開いてしまう可能性はある。

一方、ライト層の女性が「IBJ online」を利用する場合、どうしてもマッチングアプリと比較検討することになる。

マッチングアプリには、

  • 事前のメッセージで価値観や相性を確認できる

  • 当日キャンセルの違約金が発生しない

  • 奢り派の男性のほうが主流

  • 初回アポ後、はっきりとお断りをせずフェードアウトできる

などのメリットがある。

「IBJ online」では既婚者リスクだけは残るのに、これらのメリットが得られなければ、「マッチングアプリで十分」と考える女性の方が多いだろう。

▶実態は「中途半端に堅苦しくなったアプリ」?

このように、相談所らしくルールだけがガチガチに厳格化された「IBJ online」。読者の方の言葉を借りるなら、

「中途半端に堅苦しくなったアプリ」

引用:読者の方からの情報提供

であり、まさに言い得て妙だ。

読者の方は地方在住の女性だが、彼女が「IBJ online」にさほど価値を感じなかった理由も、「地方の場合、マッチングアプリよりもさらに会員が少ない」こともあるだろう。

4.それでも「IBJ online」を利用する価値はあるのか?

では、現時点で「IBJ online」に登録する意義は何か。
読者の方の言葉が本質を突いていた。

結婚相談所を利用したことがない人が 「ツヴァイなどIBJと連携する結婚相談所にどんな人が登録しているか」を知れること

引用:読者の方からの情報提供

したがって、以下のように整理できそうだ。

▶「IBJ online」を利用する価値のある人

  • 相談所に入る前に様子見したい人

  • 相談所の会員の雰囲気やレベルを知りたい人

  • マッチングアプリに限界を感じた人

  • 少しでも出会いの機会を増やしたい人

これらの人にとっては、「お試し」という一定の価値がありそうだ。

▶「IBJ online」を利用する価値がない人

  • 地方在住の人

  • マッチングアプリでそこそこ会えている人

  • 相談所レベルの安心感を得たい人

には、現時点では物足りなさが残るかもしれない。

おわりに|今後の課題と展望

最大の課題は、IBJというブランド名と「相談所」という言葉の響きから、「ここなら既婚者は100%排除されているはずだ」と誤認して活動してしまうことにあると感じる。ここがクリアにならない以上、少なくとも女性側にはさほどメリットはないだろう。

結局、「IBJ online」は

  • 相談所のようで、相談所ほど安心・安全ではない

  • アプリのようで、アプリほどの自由さがない

という中途半端さが残ってしまった。

現状で最も現実的な使い方は、相談所やマッチングアプリのサブとして捉えることだろう。

※記事の模倣・無断転載・無断引用を固く禁じます。
※2025年12月25日に執筆・公開しました。

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