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戦略ゲームの「本質」とは何か?

世の中には「戦略ゲー」を自称するタイトルが溢れている。
MOBAやFPS、カードゲームなどがそれにあたる。 だが、それらをプレイしていて感じるのは、知的な興奮ではなく、ただの答え合わせの徒労感だ。

結論を言おう。 現代の対戦ゲームの9割は、戦略ゲーではない。

運ゲー、最適化ゲー、知識ゲー。 この3つの要素を混ぜ合わせ、「戦略」という皮を被せただけの作業ゲーである。


MOBAやFPSが自称する戦略ゲームの正体

現代ゲームを支配する3つの不純物

あなたが戦略だと思っているものの正体を解剖しよう。

まず運ゲー。ポケモンやカードゲームがこれだ。どれだけ構築を練っても、急所に当たるか、ドローが良いかで勝敗が決まる。これは戦略ではなく祈祷だ。

次に最適化ゲー。FPSやLoLがこれにあたる。0.1秒のエイム、コンボの精度、ジャングルの周回効率。これらは思考ではなく反復練習による反射神経だ。工場のライン作業と変わらない。

最後に知識ゲー。ほぼ全ての対戦ゲームがここに帰結する。この対面にはこの手が正解という定石をどれだけ暗記しているか。WikiとTier表を覚えている人間、知識マウントに執着するオタクがマウントを取るだけの、ただのテスト勉強だ。

将棋ですら究極の知識ゲーに過ぎない

盤上の格闘技と呼ばれる将棋。 確かに奥深いが、現代においてはAIが正解を弾き出す。

人間がやっているのは、過去の棋譜データと、AIが導き出した最適解の暗記競争だ。 答えがある時点で、それは未知の状況を切り拓く戦略の定義からは外れるのではないか。

真の戦略とは心理戦である

脳を総動員する読み合いの快楽

では、真の戦略ゲーとは何か。それは、システムや定石と、その間にある人間の心理というノイズを読み合うゲームだ。

その片鱗を見せたゲームがあった。 ロックマンエグゼのカスタム画面での読み合いや、RUSTにおける言葉巧みな交渉と裏切り。

これらは、単なる知識やエイムのマウント合戦ではない。 相手はここで何を考えているか、裏の裏をかいてこう動くか。 システムという土台の上で、生身の人間同士が意図をぶつけ合う瞬間。そこにだけ、脳汁が溢れ出す真の戦略が存在した。

ドラクエライバルズという唯一の例外

ここで、運ゲーと切り捨てたカードゲームの中に、一つの例外を挙げねばならない。 『ドラゴンクエストライバルズ』だ。 ライバルズは、単なるカードの引きに依存する運ゲーではなかった。

ユニットをどこに配置し、どのタイミングでテンションを回すか。 ブロックやウォールで相手の動きを物理的に封じる盤面構築。 ここには、運を思考でねじ伏せるための、極めて高度な戦略が要求された。 このレベルの思考戦こそが、我々が求めていた本来のゲームの姿なのだ。

なぜ神ゲーは流行らないのか

しかし、こうした心理戦や高度な戦略を主軸にしたゲームは、現代では流行らないし、長続きしない。 理由は単純だ。疲れるからである。

攻略サイトを見て正解をなぞる方が楽だし、エイム練習で無双する方が分かりやすく気持ちいい。 大衆は、脳が焼き切れるような心理戦など求めていない。求めているのは手軽な勝利という快感だけだ。

関連記事として、「ゲームから戦略性が消滅した理由」について徹底解剖した記事を紹介しよう。興味がある人は、読んでみてはいかがだろうか。

戦略ゲーの極致は人狼に行き着く

プレイヤー自身を変数にする不可逆性

システムによる最適化と知識が幅を利かせるデジタルゲームには限界がある。 その限界を突破したのが、人狼やAmong Usだ。

ここでは、プログラムされた数値は役に立たない。 嘘、信頼、扇動、裏切り。 人間そのものを計算不能な変数としてゲームに組み込んだこと。 Wikiにも攻略本にも載っていない、目の前の人間の感情を攻略しなければならない点において、人狼は戦略ゲーの極致と言える。

デジタルは人狼を超えられるか

今後、人狼を超える戦略ゲーは生まれるだろうか。 俺の予測はNoだ。 デジタルゲームが進化すればするほど、システムは複雑化し、結局は知識と最適化の勝負に回帰するからだ。

人間という最大のコンテンツを、システムなしで殴り合わせる。 この原始的な構造を超える発明は、おそらく二度と出てこない。

我々は、知識オタクがWikiを読み上げるのを聞きながら、稀に現れる心理戦の瞬間に期待して、泥水をすするしかないのだ。


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