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【20】 明るさにつられて、もう戻らなかった | どうしようもなく、どっぷり浸かった恋の話
街まで買い物に出掛けた。
街の明るさにつられ、2人の空気も、いつもより浮ついた。
久しぶりのサッカーショップ。
「あった」
「いいやん」
早々にお目当てを見つけて、少し店を回る。
ユニフォームのレプリカを手に取る。
「これ、この前言ってたやつじゃない?」
「あ、そうそう、バレンシア」
「いいなぁ」
「やろ?」
2人で迷って、結局戻した。
色々見たあと、スパイクの前でもう一度止まる。
「どっちの色がいい?」
「こっち」
「そうやな」
あっさり決まる。
店を出ると、まだ賑やかな街が残っていた。
しばらく歩いた時だった。
「ここはいいやろ」
2人の前に出された手のひらに、ちょっと笑う。
そのまま手を重ねた。
迷いはなかった。
特に何も言わないまま、つないで歩く。
しばらく店を回った。
服を見たり、CDを見たり、休憩したり。
いつもとは少し違う時間を過ごした。
もう自然に、手をつないで歩いていた。
駐車場に向かう路地裏。
「なあ」
小さく呼ばれる。
「ん?」
続きはなかった。
ふと止まる。
それにつられて、少し遅れて止まる。
また歩き出そうとして──
どちらも動かなかった。
手をつないだまま、
距離が少しだけ消えた。
逃げる理由はあった。
でも、そうしなかった。
そのまま、
キスをした。
一度離れかけて、また近づいた。
そのあとも、
手はつないだままだった。
また歩き出すだけ。
心臓の音は、
外の空気に紛れていた。
🎵 君という花 / ASIAN KUNG-FU GENERATION
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