『天皇陵の謎を追う』〜大純はるのメンバーシップ【白鳩会】「今さら図書館 読書・映画感想掲示板」より
はるか昔に買ったけど読んでなかった本をやっと読んだよシリーズ①
奥付によると、2016年版。
10年の間に何度か読もうとしたんですが、挫折続きで。
自分で飛鳥まで足を運ぶようになって、ようやくイメージが湧き、読めるようになりました。
内容は、何も知らない人間としてはなかなか衝撃的なもの。
何たって、宮内庁が治定した天皇陵の九割までが、実際の被葬者とは違う、と目されているらしいのですから⋯
一体どうしてそんなことになったのか?
うちの近所にある垂仁天皇陵にしてもそうだし、自分が訪れた文武天皇陵に至っては古墳ですらない、といいます。
神話の上に新しい神話を上塗りするような、まるで実証性のないそんな現状に、筆者は強く憤っています。
ちなみに私が愛してやまない河内国の首府・高屋城も、古墳の水堀と丘陵を利用したもの。
中世には古墳は恰好の平山城であり、歴史を通じてずっと陵墓として保護されてきたわけではありません。
明治の時点で既に千年以上の時を超えての比定作業だったため、無理や想像が出てくるのもやむなしでしょう。
ただ問題は、一度決めたことの根拠が大きく揺らいでも、それを一向に改めようとはしないところ。
天皇陵は天皇家の祖先の墓であり、発掘はさせない、というのが原則ですが、そもそも違う人の墓だったら、それを天皇陵として祀っている方が信じられないほど不敬。
本当は敬とか不敬とか、どうでもいいと思ってるんじゃないのか?とまで疑われてしまいます。
本質的な議論に切り込み、実証性を高めることよりも、現状共有されている幻想を守る方を選ぶ。
それが我が国の精神性の問題点なのは明らかでしょう。
閉ざされた古墳の内側には、まだまだとんでもないものが、日本人の心の奥底そのものが眠っている。
そんなことが確信される一冊でした。
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