なぜ自衛隊は人員把握を徹底するのか
今日は、陸上自衛隊で学んだ「人員の把握」についてお話しします。
自衛隊では、とにかく人員の掌握をあらゆる場面で行っていました。
防衛大学校では、夕方の点呼で2列横隊に整列し、1列目の1年生から「番号始め」の号令で「1、2、3、4…」と番号を呼称します。このとき、「4」は「シ」、「7」は「ヒチ」と発声しなければやり直しです。慣れない頃は「ヨン」「ナナ」と言ってしまい、何度もやり直したことを覚えています。
遠泳訓練では、海に入る前に自分の名前が書かれた木札を裏返し、戻ってきたら表に戻すことで、人員を確実に掌握していました。
部隊では、作戦や戦闘においても常に最新の人員を把握し、報告することが求められました。
なぜ、そこまで人員把握を重視するのでしょうか。
それは、人員や部隊の状況によって、与えられた任務が遂行可能かどうかを判断するためです。もし遂行が難しければ、「どこまでなら実施できるのか」を判断し、上級部隊は必要に応じて他部隊からの増援や補充を検討します。
つまり、人員の把握は、指揮官の状況判断や決心の土台となる極めて重要な情報なのです。
以前は日報の提出時や作戦の節目ごとに人員を把握して報告していましたが、現在はシステム化が進み、ニアリアルタイムで状況を把握できるようになっています。
では、一般企業ではどうでしょうか。
企業でも社員の状況を把握することは重要です。特に地震などの災害発生時や防災訓練では、まず点呼を行い、全員の安否を確認します。そして、その結果を基に次の行動や指示が出されます。
自衛隊のような「増援」や「部隊の補充」はありませんが、人員の状況を把握したうえで、今後の事業をどのように継続するかを判断する点には共通するものがあります。
災害はいつ起こるかわかりません。そのような中で、短時間で正確に社員の状況を把握する仕組みを、日頃から考え、訓練しておくことは、企業にとって大切な備えではないでしょうか。
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