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超短編小説集など①

「傘の下で、空が止まった」

放課後の新宿駅は、傘の群れでできた海みたいだった。
無数の水滴が人々の肩で跳ね、アスファルトが光を滲ませていた。
傘の下では誰もが孤島のようで、声を出さないまま流れていく。

私はその中で立ち止まっていた。
スマホの画面には、既読がつかないメッセージ。
「駅前で待ってる。」
それだけ。
たったそれだけの文を送るまでに、何分もかかった。

冷たい雨の匂いが、都会の金属的な空気と混ざって胸を刺した。
世界が濡れているせいか、街全体が泣いているようにも見えた。


「……待った?」

声がして、顔を上げた。
傘の向こうに、透き通るようなグレーの制服。
同じクラスの——佐伯。

「ううん。今来たとこ。」
そう言いながら、心のどこかで、自分の声が少し震えているのを感じた。

彼は笑って、少し傘を傾けた。
「入る?」

その一言で、雨の音が遠くなった。


二人で並んで歩く。
傘の下、肩と肩が少しだけ触れる距離。
だけどその“少し”が、やけに重い。

佐伯の傘は黒で、私のは透明。
二つの世界が一つになると、空の色が混ざって灰色になった。
駅前のネオンがその灰色に沈み込み、反射した光が二人の頬にかかる。

「雨、好き?」と彼が言った。

「うーん……好き、かも。静かになるから。」

「俺も。」
彼は笑って、少しだけ上を向いた。
「晴れてるときより、人の顔が優しく見えるんだよね。」

どういう意味かはわからなかった。
でもその言葉の響きだけが、なぜか胸に残った。


カフェに入ることになった。
外の雨音を背中に閉じ込めるように、ガラスのドアが静かに閉まる。
室内はオレンジ色の光。
窓の外では、傘の海がまだ動き続けている。

「テストどうだった?」
「英語だけ死んだ。」
「それ以外は?」
「まあまあ。」

他愛もない会話が、カップの中の泡のように弾けては消える。
私たちはまだ、恋愛って言葉を使うほどの関係じゃない。
でも、どこかで互いを意識している。
目が合うと、ほんの少しだけ息が詰まる。

それだけで充分だった。
それ以上の言葉はいらなかった。


店を出ると、雨は少し強くなっていた。
夜の空は黒というより、青と紫のあいだ。
光の粒が滲んで、世界がぼやけて見える。

「送るよ」と佐伯が言った。

「いいよ。近いし。」

「……いいから。」
その言い方が、少しだけ優しかった。

駅から家までの一本道。
人も車も少なく、雨音だけが会話みたいに流れていく。
二人で傘を持つ手の距離が、だんだん近づく。
彼の手の甲が私の指に触れるたび、心臓が雨のリズムに追いつけなくなる。


「ねえ、佐伯。」

「ん?」

「傘ってさ、近いようで、遠いよね。」

彼は少し笑って、こちらを見た。
「どういう意味?」

「だって、ほら。」
私は傘の骨を指さした。
「この真ん中の棒が、ちゃんと距離を守ってくれてる。
 近づきすぎたらぶつかるし、離れたら濡れる。
 ちょうどいい距離を保つための道具、って感じ。」

「……それ、俺らのこと?」

私は笑って誤魔化した。
でも、ほんの少し、言い当てられた気がしてドキッとした。


家の近くの交差点で、信号が赤に変わる。
足を止めた瞬間、風が傘を揺らした。
雨が顔にかかる。
二人で見上げた夜空は、まるでガラスのように濡れて光っていた。

「空、泣いてるみたいだね。」
そう呟くと、佐伯は静かに言った。

「……泣いてるんじゃなくて、洗ってるのかもな。」

「洗う?」

「うん。嫌なこととか、うまく言えなかったこととか。
 そういうの、雨がぜんぶ流してくれてる感じ。」

彼の横顔は、街灯の光に濡れていた。
何かを言いかけてやめたような顔。
その沈黙の中で、私はふと気づいた。

——あ、これが恋だ。


信号が青に変わる。
彼が傘を傾けた。
私の肩に、ぽつりと雫が落ちた。

「……ごめん、傘、狭いね。」

「ううん、いいよ。」

雨が強くなる。
空が近づく。
音が大きくなって、言葉がかき消される。

その中で、二人は少しだけ近づいた。
ほんの数センチ。
でもその距離が、今日いちばんの答えだった。


家の前に着くと、雨が嘘みたいに止んでいた。
空はまだ暗いけど、雲の隙間から白い光が見え始めていた。

「また、明日。」

「うん。また明日。」

彼が去っていく背中を見送る。
足元に残った水たまりが、街灯の光を映して揺れていた。
その揺れが、まるで胸の奥に残る余熱みたいだった。

私はふと、傘を閉じて空を見上げた。
ひんやりとした空気が頬を撫でる。

——この空模様が変わるたびに、
きっと、私たちの距離も少しずつ変わっていくのだろう。

雨は、止んだ。
でも、心の中ではまだ、少しだけ降っていた。


「ネオン街ダンジョン」

新潟を出たのは、ほんの思いつきだった。
母の怒鳴り声が、耳の奥にまだ残っていた。
「そんなに勝手したいなら、もう好きにしなさい!」
その言葉に背中を押されるように、私は家を飛び出した。
新幹線に乗って、気づいたら東京駅にいた。
人の波が押し寄せてきて、息をするたびに誰かの体温が混ざる。
新潟の風とは違う、重たい湿度。
私はそれを、少しだけ吸い込んでみた。
――ここでなら、私のことなんて誰も知らない。
そう思ったら、少しだけ胸が軽くなった。

スマホの地図を開いたまま、あてもなく歩いた。
知らないビル、知らない看板、知らない顔。
昼間の東京は明るいのに、どこか影が濃い。
歩道橋の上から見た交差点には、信号が点滅して、
群衆の足音だけが一定のリズムを刻んでいた。

やがて、ふと視界が滲んだ。
まるで太陽が急に沈んだみたいに、空が一瞬で暗くなった。
気づいたら、私はネオンの中にいた。

昼と夜の境界なんて、なかった。
一歩、足を踏み出しただけで、
世界の明るさが音を立ててひっくり返ったようだった。
眩しい赤、青、紫、そしてどこか湿った空気。
昼の東京がスイッチを切り替えたみたいに、
私は“夜”へと落ちた。

「……え?」
つぶやいても、誰も振り向かない。
道の両脇には、無数の看板とガラスの扉。
人が歩いている。でも、何かがおかしい。
誰一人、私と目を合わせない。
ぶつかっても謝られない。
彼らの顔が、ガラスの光で反射して見えない。
まるで全員、顔がないみたいだった。

「すみません、ここって――」
声をかけても、誰も答えない。
その代わりに、通りすぎざま、
誰かがくすっと笑った。
それは笑い声というより、ガラスの擦れる音のようだった。
不気味な、冷たい音。

私は少し早歩きになった。
「なんなの、この街……」
地図アプリを開いても、現在地が動かない。
電波はあるのに、コンパスが狂っている。
歩いても歩いても、ネオンが途切れない。
曲がっても、戻っても、同じ看板、同じ明かり。
永遠にループしているようだった。

やがて、私は走り出した。
呼吸が荒くなり、心臓が耳の奥で鳴る。
ビルの明かりが、走るたびに色を変えてゆく。
ピンク、青、白――いや、違う。
周りの“人”たちが、色を変えていた。
蛍光色の服が、じわりと肌に溶け込んで、
体が透けていく。
顔のない人々が、カラフルな光の塊になっていく。

誰かが私の名前を呼んだ。
聞き覚えのない声。
「おいで」
どこからか響く声。
耳元で囁くように、でも遠くから叫ぶように。
振り向くと、全員が私を見ていた。
目がないはずなのに、確かに“見られている”と分かった。
次の瞬間、彼らが一斉に走り出した。
私の方へ、光の群れが押し寄せる。
「やだ……やだ!」
全力で逃げた。
息が詰まり、足がもつれる。
だけど、逃げるしかなかった。

その時だった。
どこからともなく、
黒い影がすっと足元を横切った。

黒猫だった。
暗闇の中で、目だけが金色に光っていた。
私の方を見て、まるで「こっちだ」と言うように尻尾を振る。
そして、狭い裏路地の方へ走り出した。
迷う暇なんてなかった。
私はその後を追った。

ビルの隙間に続く裏道は、驚くほど狭かった。
電線の唸る音が頭上をかすめ、
水の流れる音が足元から響く。
黒猫の尻尾を見失わないように走った。
汗と雨が混ざって、頬を伝う。
どれくらい走ったのか分からない。
息が切れて、足が震える頃、
目の前に光が見えた。

出口だ。
ネオンの向こう側に、夜の街の光が見えた。
黒猫が振り向き、短く鳴いた。
私は、最後の力でそこを駆け抜けた。

――次の瞬間、空気が変わった。

立ち止まると、そこは普通の夜の街だった。
人々の顔にはちゃんと目も鼻も口もあった。
通りの匂いも、排気ガスも、現実のそれだった。
ただ、心臓の鼓動だけが異様に速く、
まだ現実に戻りきれていない気がした。

振り向くと、さっきの裏路地はもうなかった。
代わりに、ただのビルの壁が続いていた。
黒猫の姿もない。

私はスマホを見た。
地図がちゃんと動いていた。
時間は夜の九時を少し過ぎている。
昼から歩き始めたはずなのに、
その間の記憶が、ところどころ曖昧だった。

――あれは、夢?
それとも、東京という街そのものが、
私を試したんだろうか。

空を見上げると、雲の切れ間から月が覗いていた。
白く、冷たく、まるで何も知らないような顔をして。

私は小さく息を吐いた。
そして、あの冷たいネオンの中で感じた孤独を、
胸の奥にしまいこんだ。

歩き出す足音が、夜の街に溶けていった。
もう一度だけ振り向いたけれど、
そこには何もなかった。

ただ、遠くのビルの屋上で、
黒い影がこちらを見ていたような気がした。

――けれど、それもきっと、気のせいだ。

【余談】
解釈は各々にまかせる終わり方。


間違えて高級寿司に入ったJKは語る

私の足は、たまに勝手に未来へ歩く。
いや、正確には「知らない方へ」だ。
その日はお天気雨で、空が湿っていて、街のガラスは全部やさしい光を抱えていた。

放課後、いつも友達と寄るチェーンの回転寿司じゃなくて、駅前の細い路地にある店の暖簾が、風に揺れていた。
それが妙にかっこよく見えたのだ。
たぶん、私だって「そういう場所に行ける年齢になった」と思いたかったのだと思う。



暖簾をくぐった瞬間、世界が変わった。

店内は静かで、空気に余白があった。
カウンターに座る大人たちは、低く笑ったり、ゆっくり箸を置いたりしていた。
皿は回っていない。
魚は、目の前で切られ、生きていた記憶の光を残したまま置かれていった。

私はその場で、自分が「子供」だと一瞬でバレた気がした。

「あ、いらっしゃい」

大将は、声にとくに重さを乗せなかった。
追い返されなかったのが、逆に怖かった。



メニューは、ない。
値段も、ない。
「おまかせでよろしいですか」と言われた時、私は一瞬、呼吸を忘れた。

でも、うなずいた。
後戻りできない女の顔をして。



最初に出てきたのは、ひらめ。
白くて薄くて、雪みたいだった。
口に入れると、なにかがほどけた。
味というより、静かな光景を食べてるみたいだった。

次に出てきたのは、まぐろ。
こんなに赤いものを私は知らなかった。
教科書の「赤」じゃなくて、生活の「赤」だった。
心臓とか、体温とか、そんな色だった。



私はゆっくり咀嚼しながら、大人たちの背中を盗み見ていた。

会社帰りらしい人。
一人で来てる女性。
カップル。
みんな、世界に馴染んでいた。
自分の居場所の輪郭を、ちゃんと持っていた。

その中で、私はぽつんと立っている小さな影。
制服のまま。
鞄には参考書と、謎に溶けかけのミントガム。

「私、ここに来ていい人間だったっけ?」

それが、喉につっかえていた。



でも大将は、何も言わなかった。

ただ淡々と、丁寧に、淡い芸術のような寿司を乗せ続けてくれた。
まるで、私がここにいて「いい」ことを、誰よりも早く知っていたみたいに。



会計の時、想像以上の数字が光った。
心臓が跳ねあがった。
でも私は、震えそうな手でしっかり払った。
帰り道、雨はもう完全に止んでいた。



家に着いたら母が言った。

「今日、なんか大人みたいな顔してるね」

その一言で、胸がいっぱいになった。
あの寿司屋の光景が、まだ唇の裏に残っているみたいだった。



思ったんだ。

成長って、身長が伸びることじゃない。
知識を増やすことでもない。
「行っていい場所」を、少しずつ増やしていくことなんだと。

その場所に似合う態度、呼吸、心の温度を、自分で選んで身につけていくこと。



私はまだ子供かもしれない。
でも、あの日確かに一歩進んだ。

「見える世界を、選んでいい」って、はじめて思えた。



またいつか、制服じゃなくて、少し背筋が伸びた私で。
あの暖簾をくぐりたい。

そのとき、ひらめはどんな雪を見せてくれるんだろう。

【余談】
日本の回転寿司に行ったことないんですけど、なんか新幹線みたいなのが来るレーンとゆっくり流れてくるレーンが別であるらしいですね。ニュージーランドの回転寿司は行ったことあるんですけど同じ感じなのかな?我が家ではお寿司は出前なのと、新潟のおばあちゃん家でも出前で頼んでくれるから店に伺ったことがないんですよね。私はもっぱらエビしか食べないけどね。


気温27度の恋について

私、季節の中でいちばん好きなのは「夏」じゃなくて「夏になりかけの時期」なんだよね。
真夏みたいに本気で焼きにこないし、春みたいにまだ弱くて頼りないわけでもない。
ちょうど良い、なかば無防備みたいな空気。
気温で言えば――27度。

風が少し肌に触れるだけで、心までやわらかくなる温度。
人の声が、やさしく届く温度。
自分の体温と、外の空気が喧嘩しない温度。

その空気の中で誰かと並んで歩くと、恋は自然と始まるんだと思う。



例えば、放課後。
学校の門を出てすぐの坂道。
蝉はまだ鳴いていないけど、夕方の光は少し金色が混じり始めている頃。

「なんかさ、今日は帰りアイス食って帰らん?」
って言われて、
「え、いいけど?」
って返した時の、あの軽さ。

重い言葉は何もない。
“好き”とか“嫌い”とか、将来とか、期待とか、駆け引きとか。
そういうものがまだ影を持たない時期。

ただ、並んで歩くだけで人の存在をうれしいと思える季節。



アイスを食べながらコンビニから出た瞬間、風がふわっとスカートを揺らす。
その時になんとなく胸がひやりとして、でも頬はあったかくなる。
その感じが、27度の恋。

なんでもない言葉が、すこし甘い。
擦れた肩に、意味なんかないのに意味を感じる。
名前を呼ばれただけで、心臓がコップいっぱいに水を注がれたみたいに揺れる。

「好き」って言葉はまだ出てこないのに、
すでに恋は始まってる状態。



私、思うんだよね。

恋って、告白した瞬間から始まるんじゃない。
もっと前。
“気づく前”が、一番恋。

相手の笑い方が好きとか、
声の高さが好きとか、
歩く時に手をポケットに入れる癖が好きとか。

理由にもならない「好き」が静かに積もっていく時間。

27度は、人のことを「好き」と言い訳なしで受け取れる温度なんだよ。



でもさ、27度の恋は永遠じゃない。

季節は進む。
気温は上がる。
蝉は鳴き始め、汗は肌の上でうるさく光る。
心の中はなんでもかんでもはっきりしてしまう。

「私、この人のこと好きだ」
って、ちゃんと自覚してしまう。

そこからは、ちょっと苦しい季節になる。
駆け引きとか、不安とか、未来とか、
いろんな言葉が心に影を作り始める。

でもね、
あの27度の恋がなかったら、
夏の告白は生まれないんだよ。

あの曖昧で優しい時間が、
“言葉になる前の気持ち”を育ててくれる。



だから私は思い出す。

夕方。
信号待ちで並んだ時。
あなたが何かふざけたことを言って、それに私が笑った時。
笑ったはずなのに、胸の奥が静かに痛かったとき。

あれは全部、気温27度の魔法だった。

恋の入口は、劇的じゃない。
ページがめくれるみたいに静かだった。



その恋が叶ったかどうかは、あまり重要じゃない。
一緒にいた時間が長かったかどうかも、あまり関係ない。

心の中に
「名前を呼ばれただけで救われた記憶」
がひとつ残ってるかどうかだけで、人生って少しあたたかくなる。



今でも思い出す。
あの帰り道の風の味とか、
信号が青に変わる時の距離感とか、
手を繋ごうとしなかった選択とか。

全部が全部、ひかえめな恋だった。

でも、静かにしっかりと私を変えた恋でもあった。



きっとまた、私は恋をする。
季節は何度でも巡る。
でも私は知ってる。
最初に恋が灯るのは、あの温度、あの空気、あの光。

つまり、
気温が27度になったら、私は恋を思い出す。

新しい誰かに、じゃない。
過去の誰かに、でもない。

恋をしていた「私自身」に。



それは少し切なくて、
少し嬉しくて、
ちゃんとまだ生きてる証みたいで。

だから私は、27度が好き。

【余談】
フィクションです。妄想です。書き終わってから考えたけど27度でも普通に暑いよね。27度が好きでもないし、20度ぐらいがちょうどいい。たまたまストーリーを思い付いたのが午前3時27分で、27時27分だったからなんだよね。寝てる時にふと頭に浮かんだストーリー。夢の中でもなんか書いてるっぽい。


脳筋フィジカルギフテッド桃太郎

私が以前書いた「ソシャゲ桃太郎」のスピンオフ作品です。
よければ前作のソシャゲ桃太郎も読んでみてね。

【本編】
おばあさんは今日も洗濯をしていた。
ただの日課だ。

その時、川上から流れてくる丸い影。
どんぶらこと、どんぶらこと。

「おやまあ、なんと立派な桃じゃ」

そっと手を伸ばすと、桃が微かに震えた。
次の瞬間、
パァァァァァァァァァンッ!
爆音とともに桃が内側から弾け飛んだ。

中から現れた少年は既に自分で立っていた。
朝日を浴びて輝く腹筋。

腰を抜かしながら名付けた。
「お前の名前は脳筋フィジカルギフテッド桃太郎だよ」

おじいさんは息をのんだ。
「……名前が長いのう」


おばあさんが茶碗を渡せば、彼はそれをそっと掴んで粉にした。
けれど彼は悪気などない。

食卓には常に鶏ササミとプロテイン。

力がありすぎると、日常は壊れやすい。
だから、友達はいなかった。

暇をもてあまし、彼は浜辺に出て石を投げた。
地平線の彼方まで飛んで行った。
何度も投げ続けた。

翌朝、妙な知らせが届いた。
「鬼ヶ島が消滅したらしい」

おばあさんは首をかしげる。
「あんたまさか……」

END
【余談】
私が書いたソシャゲ桃太郎の物語中で桃から生まれた桃太郎のなかで「脳筋フィジカルギフテッド桃太郎」がいたので脳筋フィジカルギフテッド桃太郎が生まれた世界線での桃太郎を書きました。





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