パリ、フリーメイソン博物館は、オカルト好きだけではなく建築家、画家、数学好きにもお勧め
2022年7月、息子の夏休み。
一緒に行ける所を考えて、低学年の頃好きだった都市伝説に関連する、フリーメイソン(francs-maçons、以下FM)博物館に来てみました。


拝観料(直前に要確認)

さて、
フリーメイソンについて
実際に訪問した際の展示物と↓こちらのサイト、そして購入した本、途中で見つけたnoteのページを参考にします。
予約すれば
3時間もかけて、予約なしでは入ることのできない、いくつかの「タンプル」もじっくり案内してくれるようです!14歳以上にお勧めのガイドとのこと。
元々は石工職人
古代エジプトのピラミッドや、ソロモン神殿を建てた職人ギルドとのことで、その関連の展示が多くありました。








公式に近代で組織化されたのは1717年、イギリスとされています。
会合場所はロッジと呼ばれます。
入会条件のひとつ
として「至高の存在(Supreme Being)」を信じていることが求められる。
ストリートブランドのSupremeも、FMから来てたりして。
入会、昇格の儀式を表す絵画

候補者が火、水、死といった象徴的な試練を乗り越え、世俗的な束縛から解放され、最終的に真理の光へと至る、精神的な旅のプロセスを描写
1. 舞台設定と背景
• 神殿(左上):
儀式が行われるロッジ(集会場)や、古代からの知恵や道徳の基盤
• 自然の風景: 人間が世俗的なものから離れ、自然や真理に立ち向かう試練の場、あるいは秘められた知識の場所
2. 左側のグループ(試練と浄化)
• 水辺の人物たち: 白い衣服の人物は入会を志願する「候補者」や、その儀式を先導する「会員」。
• 火の試練: 中央の岩場には、燃え盛る炎のようなものがあり、その周りで人物が苦悶しているように見えます。これは、儀式における「火の試練」や、魂の浄化を象徴しています。
• 倒れる人物: 左下に横たわっている人物は、試練に耐えている様子、あるいは世俗的な自分からの「死」と「再生」の過程を表現している可能性があります。
• 赤い服の人物: 手前にいる赤い上着の人物は、一般的に儀式を導く指導者や、世俗の人間を表す対照的な存在として解釈されることがあります。
3. 右側のグループ(死と真理)
• 秘密結社の儀式では、死の必然性、人生の虚無(メメント・モリ)、そして真の知恵や真理は死を超越したところにあるという教えを象徴します。
• 骸骨は、入会者が直面する「死の瞑想」や、世俗的な自己の「死」を視覚化したもの。
• 岩場の人物: 岩場を登ろうとしている、または伏せている人物は、真理や光を求めて困難な道を進む「探求者」。
• 光を放つ紋章: 岩場の奥(右上)には、光を放つ紋章のようなものがあり、それを覗き込んでいる人物がいます。これは、厳しい試練の末にようやく見ることのできる「真の光」や「秘密の知恵」。
宗教とライシテについて
フランス大東方会は、1877年には宗教的な義務を廃止します。これに関し、フランス大東方会は国家と教会を分離するという1905年の政教分離法(ライシテ法)を支持しましたが、これ以外にも社会保障、有給休暇、避妊・中絶、同性婚など、フランス社会の変化に影響を与えてきました。
石工職人たちの組合から派生しただけあって、
幾何学的側面とダヴィンチへの繋がり、シンボルの意味
などが見どころ。
コンパスと直角定規
コンパスは真理や節度を、直角定規(スクエア)は道徳を表し、
人間がその限界を知ることを象徴。これらが合わさることで、ダビデの星となる。

建物を建てる石切、石工職人たちにとって、コンパスや定規がどれほど重要な発見だったかよく分かりますね。

全知の目
The All-Seeing Eye of Providence
神の摂理(プロビデンス)または宇宙の偉大な建築家(Grand Architect of the Universe)の眼。道徳的な行為を常に見守る神の存在。万物を見通す眼。
フランス社会の三身分における調和及び統合と、FMの思想を結びつけた版画

3つの円形肖像: 三つの身分
• 左(Noblesse): 貴族。剣などの武器を持った軍人の姿。
• 右(Clergé): 聖職者。司教冠などをかぶった僧侶の姿。
• 下(Tiers État): 第三身分(平民)。普通の服を着た労働者や農民の姿。
貴族と聖職者が上の二辺、第三身分が下の辺。その全体が完全な三角形(均衡)として統合されている。
アルファベットのG
ギルド(Guild)、神(God)、幾何学(Geometry)、栄光(Glory)、寛容(Grandeur)、黄金(Gold)、霊知(Gnosis)。
下げ振り(糸に重りのついた道具)
内観
寺院を取り囲むロープ
結合の連鎖
床の市松模様
善と悪
→ロッジとか、床の市松模様とか…
リンチ監督、完全にフリーメイソン意識してたんだね。
以下、戦利本より。
AとBのロッジ図(Tableau de la loge) どちらが偽物と本物でしょう?
A

B

« véritable » par Pérau dans L'Ordre des francs-maçons trahi, et le secret des Mopses révélé.
ペロー著『裏切られたFMの秩序と明かされたモプスの秘密』より
答え合わせ
本物には、天球儀la sphère armillaire、列柱廊du portique、三つの扉des trois portes、太陽と月、コンパス、コテtruelleが書かれる一方で、ラテン語の標語Fidelitas moribus unita
道徳によって団結した忠誠
が無い。
また、斧 la hache (切断用のハンマー marteau taillant)が角錐形の立方体石の頂点に配置されておらず、星の中央に「G」の文字もありません。
つまり、本物はB
祭壇と柱 Jachin, Boaz
ヤキン(J)とボアズ (B)
古代エルサレムのソロモン神殿の入り口にあった青銅の二本の柱の名前、「力」と「確立/安定」。
ロッジの入り口に配置される。
太陽や月、星、様々な道具
タガネ(ノミ)や金槌、コテ(トロウェル):石工の道具であり、会員が自己の性格を磨き、社会(ロッジ)を築く
ピラミッドや三角の図形
光や真理、あるいは建築の原理
星型の図形(五芒星など)
真理や知恵、または特定の階級における光
19 世紀初頭、セート(Sète)におけるロッジ「忠実な友」見習い階級のタピ

Du Pinaye著『古代公認スコットランド儀礼の33階級のタブロー』で示されたモデルに非常に近い表現。
粗い石に関連して槌と鑿(のみ)の組み合わせが目立つ一方で、もはや「ヴィニョレスク」な建築デザインが含まれていない。
ヴィニョレスクとは
ルネサンス後期のイタリアの建築家、『五つの柱式規則の著者』、ヴィニョーラ(Giacomo Barozzi da Vignola)の古典的な様式のこと
特定の階級に属する会員への儀礼用飾り板

ムスティエのファイアンス焼き
(フーク工房)
système de la Mère Loge Écossaise de Marseille
(スコットランド母体ロッジの制度)
・Plaque d'apparat
儀礼用の飾り板/額
・tableau au grade de Compagnon Écossais de Terre Sainte de Paris
パリにおける、聖地スコットランド徒弟 階級のためのタブロー
アルファベットの MB
Macbenachマクベナッハの短縮。
マスター・メイソンの儀式で用いる重要な言葉、The flesh is rottenの意、「肉体が朽ちた」。
三位一体
神、宇宙、人間
信仰、希望、慈愛
六芒星(または二つの三角形の結合)
ダビデの星/ソロモンの印:
対立する二つの原理(精神と物質、天と地など)の完全な調和と統合
階段とアーチ(または門)
知識と進歩:
3階級(徒弟、職人、親方)を通じた知識と悟りへの上昇
ヒラム・アビフ(Hiram Abiff)の伝説と彼の死
ヒラムは神殿建設の総棟梁であり、真の言葉を明かすことを拒否して殉教した。マスターに昇格する儀式の核心となる。

錬金術(Alchemical)や神秘主義(Mystical)、或はヘルメス主義(Hermetic)の象徴に関連付けられる。
右側の皿は、マスター・メイソンの儀式と、その核心にある伝説を象徴する図像。
この皿は、真実のために命を捧げたマスター・メイソンの殉教と、その死から立ち上がり、秘密の知識と道徳的な真理を再び見出すという再生のテーマを象徴していると考えられます。
ケルビム、ひいてはロケットとの関連?

この皿、めっちゃ青のケルビムぽい。
金持ち会員のロケット開発にも繋がってそう…。
と思ったら、がっつりケルビム描かれてました。

LE TABLEAU HISTORIQUE DES MYSTÈRES DE LA FRANC-MAÇONNERIE, DEUXIÈME TABLEAU.
宇宙のすべての要素、神の創造、そして人間の霊的な進化の道筋を、カバラ、錬金術、占星術といった様々な秘教的シンボルを用いて体系的に解説したものも展示されていた

「天使の名前と役割」「人間の体の部分」「鉱物」「植物」「動物」「色」などが、
特定の惑星、ヘブライ文字、あるいはカバラの要素に関連付けられている
これ、めっちゃ欲しい。コピー売ってくれ…。

こちらで知りました
薔薇十字団(ローゼンクロイツ)や、テンプル騎士団はFMの前身の1つとされる


階級に厳しい


大天使ミカエルが持ってそうな、儀式用の剣

エルサレムの三位一体騎士団の会則
教会の笏みたいな、ラファイエット侯爵のエペと女神崇拝

Épée maçonnique de La Fayette
ラファイエット侯爵(Marquis de La Fayette, 1757-1834)が所有していた儀式用の剣。
ラファイエット侯爵は、アメリカ独立戦争とフランス革命の両方で活躍した英雄であり、熱心なフリーメイソン会員だった。
各ロッジの旗

日本で作られた螺鈿の箱?

ユゴーの家、モローの家、モネの家、ゴッホの家、シャンティイ城、ヴェルサイユ、ルーヴル、色んな所に日本の物があったから不思議じゃない。

最後に、普段見慣れなかった言葉について。
Rites=儀式

→ceremonieとはどう違うかを交えて
Rituel の特徴と具体例
・繰り返し行われること、日課や慣例になっている。
・儀式全体ではなく、その中で行われる具体的な行為や決まった手順。
・その行為自体に、宗教的・文化的な意味や象徴が込められています。
・規模: 個人的な習慣から、宗教的な祭式まで、幅広く使われます。
具体例(式や慣習)
* 洗礼: 水を注ぐ、聖油を塗る、特定の誓いの言葉を唱えるなどの一連の厳密な手順。
* 結婚式: 指輪の交換やブーケトスといった、伝統や慣習に基づく個別の行為。
* 宗教: 毎日決まった時間に行うお祈りの手順や、特定の曜日に行うミサの典礼。
Cérémonie の特徴と具体例
・特定の目的や節目を祝う、または記念するために行われるイベント全体。
・公的な性質: 参加者が多く、公に知らされ、厳粛な形式が求められる場に使われます。
・Rituel(手順)を内包する「行事」や「式典」という枠組み全体
・規模: 大規模な国家行事から、人生の節目となる式典まで、主に公的なイベントに使われます。
具体例(式や慣習)
・結婚式: 挙式や披露宴といった、ゲストを招いて行うイベント全体。
・葬儀: 多くの参列者を迎え、特定の場所と時間で行われる告別式や葬送の儀式全体。
・国家行事: 皇室のパレード、大統領の就任式、オリンピックの開会式など。
・社会: 卒業式、成人式、勲章や賞の授賞式。
Catechism
キリスト教の教理をわかりやすく説明した要約ないし解説のこと

内容
1. 信仰宣言(信条): La Profession de Foi
• 使徒信条やニカイア信条など、キリスト教徒が信じる基本的な教義(三位一体、キリストの受難と復活など)の説明。
2. 秘跡: Les Sacrements
• 洗礼や聖餐(カトリックでは七つの秘跡)など、儀式的な行為(Rituel)の意味と、その実施方法。
3. 道徳的生活:La vie morale
• 十戒(神の律法)に基づいた、クリスチャンが守るべき道徳moraleや倫理éthiqueに関する教え。
→生活宗教である神道にかなり近いと思う
4. 祈り: La prière
• 主の祈りなどの重要な祈りの言葉や、祈りの意味と方法。
ここを訪れたらなぜか『ダヴィンチ・コード』を観たくなりました。
→観て、その後あのカテドラルでレクイエムのコンサートを鑑賞して、あの場所をマジマジと観てきました、笑。
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今回の戦利本

