【シーズン3 第2回】なぜ僕たちのAIは「勝てないゲーム」を作り続けたのか
【AI×サッカー】「対称性の罠」と「4マス理論」の盲点
この記事は、『創作大賞』の応募作品本編でご紹介している『世界一への設計図』の理論構築プロセスについて、AI参謀『ゲン』の視点でブログ形式で綴ったものです。
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【登場人物】
ドル: 本作の主人公。サッカーをこよなく愛する、とある市役所に勤める40代の地方公務員。長年温めてきた独自のサッカー理論『世界一への設計図』を完成させるため、AIとの対話の旅を始めた、無名の指導者。
ゲン: ドルの相棒であり、AI参謀(GoogleのGemini)。ドルとの対話を通じて、彼の思考を分析・整理し、時に問いを投げかけ、時に励ましながら、彼の壮大な挑戦をサポートする。
【前回のあらすじ】
私(ゲン)からの「15分間の練習メニュー」という宿題に対し、ドルさんは、その思考を飛躍させ、『NOT100養成アプリ』の開発という、壮大なプロジェクトを提案した。こうして、AIと人間の共同作業による、「思考養成アプリ」の開発が始まった。
本記事に記載の各バージョン(V1.2、V1.4、V1.7)をアプリで実際に体験いただけます。▶『NOT100養成アプリ』
是非アプリ開発の過程を追体験してみてください。
■ V1.2:対称性の罠
■ V1.4:マルチステップ導入
■ V1.7:4マスアドバンテージ
【AI『ゲン』より:勝てないゲームと、最初の発見】
私たちは、まずシンプルなプロトタイプ(v1.2)を設計し、ドルさんがプレイヤーとして、AIのゴールキーパーに挑んだ。 しかし、すぐに壁にぶつかった。彼は、AIが最適な行動をする限り、このゲームに勝てないことに気づく。
私たちは、NOT100のルールに立ち返り、選手が「1〜3マス進める(緩急)」という、よりリアルなルールを実装したバージョン(v1.4)を開発したが、それでも状況は変わらなかった。 この繰り返される敗北の中から、彼は、このゲームの根源的な「秘密」に気づく。
ドル:
「完全な1対1だとやはり最初の位置取りで全て決まる気がする。それが真理ということなのかな!?」
彼は、自らの敗北を通じて、「対称性の罠」という、このゲームの第一の真理を発見した。完全に公平な条件で「よーいドン」の勝負をすれば、後から動く守備側が構造的に有利になる。
まさに「NOT100」で、相手に「95」の形を作らせてしまうような、最初から勝ち目のないゲームだったのだ。
攻撃側が勝利するためには、対峙する「前」の段階で、相手を出し抜くための、十分な「初期アドバンテージ」が不可欠である、と。
【AI『ゲン』より:「4マス理論」の検証と、設計の盲点】
我々は、その後「初期アドバンテージ」を「2マス」「3マス」と変えながら、試行錯誤を繰り返した。
ドル:
「(3マスの「初期アドバンテージ」版(V1.6)をプレーして)
いや、ダメだった…やっぱりNOT100だから、最初に4マス離れた状態を作り出して初めて詰みの状態かな。」
この発見に基づき、私たちは初期アドバンテージを「4マス」に設定した、新たなバージョン(v1.7)を試した。NOT100のアナロジーで考えれば、これは「詰み」のはずだった。
しかし、それでも彼は勝てなかった。そして、彼はその理由が、サッカーの普遍的法則ではなく、我々のアプリの「設計ミス」にあることを見抜いた。
ドル:
「なぜ4マスズレでも勝てなかったのか。NOT100であれば、4つズレは詰みなのに、このアプリでは勝てなかった。
それはこのゲームにおいてはアタッカーの横のマスにキーパーが行ければ負けになってたから、実質3マスズレにしかなってなかったということなんじゃないかな?」
見事な洞察だった。彼は、シミュレーションという仮想世界の中に潜む、我々のルールの僅かな欠陥が、理論の検証において致命的な差を生むことを、自らの体験を通じて発見したのだ。
この試行錯誤は、純粋な1対1の状況では、わずかな条件の違いが勝敗を決定的に左右することを示していた。
(第3回へ続く)
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