43【ジジとババと、みなさまと私】ジジ、お茶目認定された日
はじまり、はじまり。

父がショートステイから家に帰ってくる日になった。
お迎え担当は私。
荷物の確認をして、職員の方が玄関まで送ってくれる。
父は「ありがとうーございましたー」と、ちょっとご機嫌な独特なリズムでお礼を言う。
すると職員のお姉さんが言った。
「Kさん(ジジの下の名前)お茶目だからねぇ。みんなから人気だもんね」
「じゃあ来月また待ってるね」
「また、お願いします」
父、めっちゃきちんと挨拶している。
帰ろうと思いながら、どうしても気になった。
いやいや、どこがお茶目なんだろうか?
ケアマネさんも、言っていた。
ここでも言われた。
「あの、どこら辺が?」と聞いてみる。
「例えばね、じゃあ何かやりましょうねって言うとノリがいいんですよ。オゥオゥオゥ!と言いながら手を挙げてね、答えてくれたりねー」

そんなことを言われて、父はちょっと照れ臭そうにしながら「どうもねぇー」と車に乗り込んだ。
この、ふざけたノリ。
ちょっと自分に近い匂いがした。
ちょっと不思議な気持ち。
今までそんなことを全く、感じたことがなかったのだけど、私のおふざけ遺伝子はあなたからだったのか。
車に乗り込んですぐ、父は、
「あんぱん食いてーなー」と言う。
私の車に乗るとあんぱんとコーヒーが出てくると思っている。
つい、サービスした結果、言えば出てくる人認定されたわけだ。
近所のSさんは、私の車をジジの喫茶店と呼ぶ。
まぁ、今日は3ヶ月半ぶりにうちに帰るお祝いとそろそろあんまんもおしまい。
コンビニであんまんと甘いコーヒーを買って手渡すと、「このあんまん、うまいなー」とペロリと平らげる。
「そりゃ、よかったわ。」
「ババがお刺身と煮物を用意したって言ってたよ。ごはん少なめにしてもらいなね。」
と言うと、自信満々に
「食える、食える」
と、缶コーヒーの最後の一口を飲み干した。

今日から、家で過ごす。
明日から早速、リハビリに通い始める。
今日も、ジジとババと、みなさまと私の一日。

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