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物悲しい人が多い岩手文化の謎:勝手岩手の記録【岩手県立美術館】

親の地元への帰省で岩手は盛岡に行き、今まで行ったことのなかった岩手県立美術館に行ってきた!

岩手県出身の芸術家は彫刻の舟越保武/桂 親子、萬鉄五郎、松本竣介と結構な大物がいて、県立美術館では彼らの作品で構成されるそれぞれの展示室がある。

舟越桂展示室がはじめの部屋。作品をまとめて見るのは箱根以来だったので嬉しい。初期から首が長すぎる最近のスフィンクスまで、前に渋谷ヒカリエで見た版画もあった気がする。最近購入されたものも多かった。

現代美術作家の作品が並ぶ中、こんなおもしろやぶれ鉄器も。「やつれ風炉」は壊れてしまったものを良しとするもので、故意に欠けさせるパターンもあるみたいだけれど、これはどちらでしょうか。

萬鉄五郎の作品は一度にいっぱい見たことがなかったので嬉しい。画業の中で特に好きだったのが、東京国立近代美術館MoMATにある《もたれて立つ人》のような、「ギチギチ鉄五郎」。今回似たようなギチギチを見ることができた!どういう流れでこの独特なキュビズムに行き着いたかが気になる、マッチョ好きなのかな。色は埴輪とか、土を意識したところもあるんだろうか。
※「ギチ鉄」について!↓

そしてこの点描、未来派、ジャンル勉強自画像。面白いけれど、今だと生成AIで上手い具合に出来てしまいそうと余計なことを考えちゃった。でも好き。硬そうな名前と画業のフォービズムのイメージとはちょっと違って、インテリなかっこいい顔している、文豪っぽい。花巻市には記念美術館があるので今度ぜひ行きたい。

そして最後は、舟越保武と松本竣介2人の展示室。保武と桂が同じ展示室じゃないのか!と思ったけれど、保武は竣介と同級生で上京してからではあるものの、親友だったらしい。竣介のシャガールみたいな顔浮き絵がかっこいい、好き。

松本竣介は個人的に、MoMATで今話題の戦後80年昭和100年記念コレクション特集の見出しにもなっている《並木道》のような作風のイメージが強くある。なんでこんな物悲しい雰囲気を醸し出せるのだろう。少しイーハトーヴ感もあるかもしれない。

保武も俊介のことを「哀愁がある」みたいに評した的なことが書いてあった。やんわりと漂う暗さと寂しさ。賢治、啄木然り岩手の人は哀愁がある。ちなみに賢治37歳没、啄木26歳没、松本竣介は36歳没。

そう言う舟越保武の彫刻も、同じように絶望とか悲しさの雰囲気のものばっか。最近好きになった彫刻家で堀江尚志という人がいるのですが、その人も岩手出身。保武と交流もあったそうですが、今回保武の作品で一つ堀江尚志に似た作風のものがあった、影響なのかな。そして堀江も早逝、38歳。

岩手で育つと、悲しい雰囲気を纏えるようになるのだろうか!なにがそうさせるのかな、、、岩手山などの自然?他の東北県とどこが違うと言うのだろう。

ダミアン神父 1975  一部

保武の彫刻を一回見た後に、桂の作品群を見ると、雰囲気は継承しつつ、自分の世界観をこんなに出しているのはやっぱりすごいと思った。岩手県立美術館は展示作品も、建物自体もカッコよくてかなり好きでした、おすすめです。

そして岩手出身、物悲しスター代表・宮沢賢治ゆかりの光原社本店にも行った。とにかく盛岡の街はイーハトーヴ推しがすごい。数10メートルごとに賢治関連の何かしらがある。光原社は売り物の民藝だけじゃなく、カフェも展示も充実していて楽しいです。

「注文の多い料理店」の挿絵を担当した柚木沙弥郎についての説明もあった。静岡市美術館に回ってきた柚木沙弥郎展が東京オペラシティにも回ってくるみたいな情報を目にしたのでぜひ行きたい!

「賢治に捧ぐ」柚木沙弥郎 光原社 マヂエル館

そして別日には、盛岡駅の北東側にある曹洞宗の報恩寺に行ってみた。↑かなり古くからある寺らしく、しっかりと啄木の詩集で詠まれている。

岩手で賢治と啄木から逃れることはできない。

報恩寺で面白いのが、羅漢堂に集まる五百羅漢像。五百は「多い」という意味で、実際は江戸時代に京都の仏師9人に彫られた499体の羅漢様達が華厳教主盧舎那仏を囲むようにぐるっと並んでいる。↑
暗くて顔を拝めない人もいたけれど、好きだった羅漢様を何体か選んでみた↓。

楽しそうに笑顔でポーズをとってくれた羅漢様
明らかに日本ではないことがわかる羅漢様
左マルコ・ポーロ、中央フビライ・ハンらしい
おしゃべり羅漢様
この後先生に注意される
驚き羅漢様
オーバーリアクションすぎてうるさい
手前は居眠り羅漢様
おしゃべりの二人といい正面左側の羅漢様たちは素行悪め

羅漢様から船越親子まで、彫刻多めの岩手勝手旅行記でした。
↓盛岡八幡宮にいる可愛いアホ面の狛犬。

この盛岡八幡宮も啄木によって詠まれている。

おわり

見出し画像は岩手県立美術館の廊下より
吉田 清志《黎明磐梯(れいめいばんだい)》1982


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なすにきび...勝手美術 偏った美術愛ですが、面白いなと思っていただけたら、いいねフォローなどよろしくお願いします。大変はしゃぎます。