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50代の学び直しは”痛い” MBA単科生初日 ポンコツ ビビッて発言できず… |第10話

「まあ、まずは“おためし”だし」
MBAオンラインでの単科生として1科目だけ
受けてみようと決めたとき、
僕はまだ楽観的だった。

仕事も家庭もあるし、
最初から全力投球なんて無理。

「最低限、授業についていけたらいいか」
「社内研修に毛がはえたくらいでしょ」くらいの、
ちょっと気楽な気持ちだった。

【Zoomって…どうやるの?】

授業が始まる前、まず僕を襲ったのは……Zoom問題だった。
正直に言うと、僕、それまでZoomを使ったことがなかった。

「手を上げる」機能って何?
バーチャル背景ってどう変えるの? ミュートってどこ?

そんな状態で、授業参加以前に、“ツールの使い方”からつまずいた
すでにこの時点で、汗だく。

【ケースは日本語。でも、脳が拒否反応を起こす】

ケース教材は、すべて日本語だった。
「よし、これなら大丈夫かも」と思って読み始めた。

……が、2行目で止まった。
内容が、まるで頭に入ってこない。
登場する業界もビジネスモデルも、
自分が触れたことのない世界。
専門用語や数字がズラズラ並んでいて、
何をどう読めばいいのかもわからない。

「え? 社会人向けの授業でしょ?」
「俺、こんなに理解できないの?」
頭が真っ白になった。

ネットで調べて、参考図書も引っ張り出して、どうにか意味をつかもうとする。
でも、読んでも読んでも、モヤが晴れない。

ポンコツ脳が、“学び”そのものを拒否しているような感覚だった。

【受け身の学びじゃ通用しない。予習が“前提”だった】

ようやく授業スタート。
Zoomの操作にビクビクしながらログインする。

画面の向こうでは、すでに参加者がズラッと並び、講師が穏やかながらもシャープに問いを投げかけた。

「このケースで、あなたならどうしますか?」
……とたんに、数名の生徒が迷いなく“手を上げる”

講師:「じゃあ、◯◯さん、お願いします」
生徒:「はい、私は◯◯の点に着目しました。理由は…」

的確なコメント。そしてまた講師が問い返す。
生徒がまた発言。別の生徒が手を上げる――

この流れが、ずっと続く。

ケース→問い→手上げ→発言→講師コメント→次の問い→手上げ→…
これが、この大学院の授業スタイルだった。
受け身の姿勢では、そもそも“参加すらできない”構造だった。

【手を上げる、それが最初の大きな壁だった】

みんなが手を上げて発言していく。
でも、僕は……上げられなかった。

  • 自分の考えが浅い気がする

  • 周りの発言がすごく見える

  • 間違ったら恥ずかしい

  • 変なおじさんって思われたらどうしよう

そんなことをグルグル考えているうちに、どんどん時間が過ぎる。

「俺……完全にビビってる」
「ポンコツ、ここでも炸裂か……」

【手取り足取りだと思っていた。完全に甘かった】

僕はずっと勘違いしていた。
高校時代の授業の“ビジネスマン向け版”だと思っていたのだ。

先生が教えてくれて、僕は聞いてノートを取る。
わからなければ質問すればいい。
そういう、「受け身型の学び”」を想像していた。

でも、違った。
この大学院の授業は、能動型だった。

  • 自分で問いを考え

  • 仮説を立て

  • ケースで検証し

  • 授業でぶつける

  • 他人の意見とぶつかり、気づき、修正する

つまり、自分から動かないと、なにも得られない学びだった。

【授業が終わった頃には、完全に放心状態だった】

3時間の授業が、あっという間だった。

でも、終わった瞬間の僕は、完全に“思考の電池切れ”。
もちろん、質問タイムも設定されていた。

僕は何も聞けなかった。
聞きたいことが多すぎて整理できなかったし、
何より――「恥ずかしい」が邪魔した


「俺、こんなにビビる人間だったっけ?」
「新人時代みたいだな……」

【でも、なぜか少し、心地よかった】

わからないことだらけで、頭はフル回転。
脳が汗をかいた感覚。

久しぶりに、「本当に学んだ」という感覚だった。
正直、地獄だった。
でも、“今までと違う自分”に出会えそうな予感がした。

そして思った。
「ここでやめたら、また“いつもの俺”に戻る」
「このビビりを越えた先に、きっと何かがある」

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。

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この連載、まだまだ続きます。
つまずいて、転んで、それでもまた立ち上がっていく話を――
一緒に歩いてもらえたら、心強いです。

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