50代ポンコツ MBAで"評価C" プライドと仕事脳 呪縛で… "頑固な思考癖" 大人の学びなおしの敵|第11話
「Cか……」
成績表を見た瞬間、息が詰まった。
正直、Aは無理でも、Bくらいはいけると思っていた。
……それなのに、C。
たかが評価。されど評価。
なにより、自分で「まあまあ良かった」と思っていただけに、
思いのほか、ダメージが大きかった。
なにが悪かったのか、すぐにはわからなかった。
というか、正直「これでCなの?」って、ちょっと思った。
だって、ちゃんと書いたつもりだったから。
でも――そう思ったとき、ハッとした。
あれ?なんか……この感じ、前にもあったなって。
最初の頃の授業から、正直、もやもやしっぱなしだった。
内容がフワッとしていて、実務に結びつかない。
「これ、意味ある?」って思っていた。
「現場では使えないでしょ」って、講義を聞きながら何度もつぶやいてた。
若いクラスメイトの発言を聞いても、
「甘いな」「現場を知らないな」と、すぐ否定したくなった。
あのときの自分、完全に“会社モード”だったんだと思う。
20年ちょっと、そうやって仕事をしてきた。
「それ、使える?」「意味ある?」
成果が出るか、役に立つか――全部、それが判断基準だった。
だから、MBAの授業でも、
つい“正解っぽく”“実務っぽく”まとめてしまう。
レポートも、どれも“ビジネス文書”みたいな仕上がりになっていた。
しかも自分の会社でしか通用しないやり方で…。
それが間違いだなんて、思いもしなかった。
でも、評価はB、B、そしてC。
実は、講師の解説も、どこか腑に落ちなかった。
なんか、もやもやする、と。
「なにが違うのか、わからない」
たださすがに、「自分が正しい」とは、もう言い切れない。
「C」までとってしまうと…。
けっして、手を抜いていたわけじゃない。
時間をかけて、何度も読み返して、がんばって書いた。
「これまでの経験を活かして」「論理的に」――そう思っていた。
実務を思い出しながら…。
でも、成績は下がる一方だった。
「がんばってもダメなのか……」
「評価基準がおかしいんじゃないか…」
そんな声が、ふと頭に浮かぶ。
でも同時に、もう一つの声もあった。
「じゃあ、どうすればいいんだ……」
正直、Cをとったレポートは、激しくもやもやした。
クラスを受講しながら、いらいらさえした。
なんだか、自分の仕事のやり方を否定されたような
感覚さえあったから…。
そう、当初の私は、学びさえ、
仕事の延長線、仕事の成功体験、
「仕事脳」の呪縛から逃れられなかったんだと思う。
でも、ひとりでは、どう変えればいいのか、わからなかった。
過去のレポートとフィードバックを何度も見直しても、
“何がズレてるのか”がつかめない。
その状態がいちばんつらかった。
でも、そんなふうに追い込まれるまで、時間がかかった。
Cを取るまで、どこかで「まだ大丈夫」と思っていた。
本気でやばいと思えなかった。
ようやく気づいた。
自分が変わるしかない。
でも――どう変わればいいのか、わからない。
そこで立ちはだかったのが、ちっぽけなプライドだった。
「こんな歳で、聞くの恥ずかしい…」
「若いやつに“分からない”って言うの?」
仕事で少しだけ結果を出してきた“過去の自信”が、
今の自分の成長をじゃましていた。
でも、このままじゃ、本当にダメになる。
“意味のない努力”で終わってしまう。
そう思ったとき、ようやく動けた。
ある日のグループワーク。
思い切って、若いクラスメイトに話しかけた。
「この課題、どう考えた?」と。
たったそれだけのことに、何週間もかかった。
でも、聞けた。
そして、教えてもらえた。
その瞬間、救われたような気がした。
張りつめていた何かが、ふっと緩んだ。
「ああ、学びってこういうことかもしれない」と思えた。
学びって、知識の問題じゃない。
正解を言えるかどうかでもない。
「素直でいられるかどうか」なんだ。
「これは意味ない」
そう決めつけていたのは、授業でも講師でもなく――自分自身だった。
あなたへ問いかけ:
「意味ない」と切り捨てたものの中に、
実は、あなたの“変われなかった理由”が眠っているかもしれません。
あなたは今、どこでシャッターを下ろしていますか?
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。
「わかる…」って、少しでも共感してもらえる部分があれば、
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この連載、まだまだ続きます。
つまずいて、転んで、それでもまた立ち上がっていく話を――
一緒に歩いてもらえたら、心強いです。
