「俺、会社がすべてじゃん…」40代後半、ぞっとするほど募った不安と焦り ポンコツ50代がMBA取得
「キャリアアップを目指していた。
でも……心のどこかで、こうも思っていた。
「“この先、登ったところで、何があるんだろう?”って」
40代後半が見えてきたころ、
ふと鏡に映る自分を見て、ぞっとした。
スーツを着て、スマホで
会議資料をチェックしながら家を出る。
そんな“いつも通り”の朝のはずだったのに、
何かが胸に引っかかった。
「俺、このまま、どこに向かってるんだろう?」
仕事は順調だった。
新しい部署では、デジタル分野の業務に軸足を移した。
サイト運営、SEO、SNSマーケティング。
動画編集もやったし、キュレーション記事も書いた。
本で知識を得て、勉強会で専門家の話を聞いて、
現場でPDCAをまわした。
そうやって5~6年。
気づけば、社内では
「デジタルの専門家の一人」として
名前が知られるようになっていた。
でも、それは――
会社にそういう人が他にいなかった、
というだけの話だった。
外に出たら、僕の知識やスキルは通用するのか?
もっと深い話をふられたら、
自分は答えられるのか?
専門家として名乗るには、
何が足りていないのか?
そんなことばかりが頭をよぎっていた。
【マーケ本を読みあさって、土台がないと気づく】
もっと言うと――
マーケティングの本を読めば読むほど、
「自分には“土台”がない」と気づいた。
本ごとに書いてあることが
バラバラに感じられて、つながらない。
専門家との会話で、
自分の理解が薄っぺらいことがバレそうで怖かった。
「経験でしか話せない」
「しかも、その経験は自分の会社というローカルルールの中だけ」
そんなことに、うすうす気づいていた。
【気づいてしまった。「会社の外」に自分がいない】
「俺、会社でしか生きてないじゃん……」
「評価も、やりがいも、喜びも、全部“会社の中”だけじゃん……」
そう気づいたとき、心の底からぞっとした。
若いころ、絶対になりたくないと思っていた
“会社しかないおじさん”。
まさに、今の自分じゃないか。
【縛っていたのは、“ポンコツからの成功体験”だった】
でも、すぐには動けなかった。
なぜなら――
認められた経験が、僕を縛っていたからだ。
僕は、ポンコツだった。
新卒のころ、コピーひとつまともに取れず、
電話応対もテンパるし、同期にどんどん差をつけられた。
恥ずかしかったし、情けなかった。
だから、がむしゃらに働いた。
「すごいって言わせてやる」と、本気で思ってた。
そして、ある時期から成果が出始めて、
「ありがとう」と言われるようになって、
評価されて、名前を覚えてもらえて――
めちゃくちゃ嬉しかったんだよ。
「ああ、俺、やっと報われた」って。
でも、だからこそ、怖くなった。
成功体験の外に出るのが、怖くなった。
また“できない自分”に戻る気がして。
会社で認められる方法を知っていた。
その戦い方だけは、身についていた。
でも、会社の外に出たら?別の世界に踏み込んだら?
「俺の“すごい”なんて、通用しないかもしれない」
そんな想像が、動きを止めていた。
【情報ばかりが増えて、でも動けない】
そうして悶々としたまま、
毎日、自己啓発本を読み、YouTubeをあさり、
成長系の漫画で一瞬熱くなり……でも、何も変わらない。
情報は増えるのに、答えは見つからない。
そして、また不安と焦りが募っていく。
そして気づく。
「俺、仕事しか楽しめてないな……」
「仕事が好き、でも、それ以外の“自分”がいない」
【趣味も人脈も、“会社ベース”だった】
趣味もつくろうとした。
会社の外で人脈も築こうとした。
でも、続かなかった。うまくいかなかった。
仕事以上に心が動くものが、なかった。
だから余計に、「このままでいい」と思い込もうとした。
何度も、自分に言い聞かせた。
「これでいいじゃん」
「楽しいじゃん、仕事」
「別に会社中心で、何が悪い」
でも、それでも、不安と焦りだけは、どうしても消えなかった。
これで本当にいいのか?
会社が終わったとき、俺には何が残る?
俺は、誰なんだ?――
この不安を直視した瞬間、僕の中で、何かが変わりはじめた。
🔚次回予告
「会社以外に、自分の土台をつくりたい」
「ちゃんと、知識として“わかってる”自分になりたい」
そう思ったとき、目にとまったのが――**“MBA”**という選択肢だった。
でも、現実は簡単じゃなかった。
お金、時間、家庭、そして……自信。
次回、第8話。
「やるなら、いまかもしれない」――動き出す決意と現実の壁へ。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。
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この連載、まだまだ続きます。
つまずいて、転んで、それでもまた立ち上がっていく話を――
一緒に歩いてもらえたら、心強いです。
