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「君のために言ってるんだ」新人への説教を、AIにレビューさせる

本記事は、Skywork様とnoteで開催された、「#働き方を変えるツール」投稿コンテストで入賞いたしました

それでは、本編をお楽しみください。




自分を客観視するというのは、なんとも不思議な言葉である。


自分の思考という時点で既に主観が入っているのに、どうやって客観的にものを見るというのだろう。


自分自身を客観視できると思っているのだとしたら、それは非常に危険だ。


これは、特に自分を賢いと思う人が陥りがちな罠だ。


しかし、なんと自分を客観視できる発明がこの世に生まれてしまった。


AIでのレビューである。


AIの活用事例はいくらでもあるが、AIじゃなければできなかったものは何か、というのを一つ挙げるとしたらこのAIレビューだ。


もちろん完璧な客観視とはいかないが、それでも自分一人が考えるよりははるかにマシだ。


私はAIを、

自分の言葉が人を傷つけないか、を確認するために使う


ことがある。


言葉はときとしてナイフになる。


善意で言っていると思い込んでいる人の言葉はより一層鋭くなる


と私は思う。


誰かに何かを指摘するとき、私が気づかないうちに相手の心を傷つけるようなひどいものいいをしてしまっている可能性は常にある。


そういう善意からの説教は、

自分で読み返してもどこが悪いか分からない


のだ。


「念のため読み返してみたけど、言ってること別に間違ってないし、これくらい言わないと伝わらないよな


こう思い始めたとしたら、


受け取る相手の気持ちを全く考えていない。


そこでAIレビューの出番だ。


以下、一例として、私が過去に実際にAIにレビューさせたときのチャット内容を紹介しよう。


公開できるよう、内容は加工してある。

以下の内容を新人に指摘しようと思いますが、これは適切な内容でしょうか。
新人相手なので、なるべく教育的なコメントをしようと思っています。

# 文面
……ということをしようとしていますが、これはお客様の体験を大きく損ないます。
こうしたことは行わないでください。
実際にどうすればいいかは、調べたら出てくると思います。


あらためて読むと確かに冷たい内容だ。


これを最初に書いたときは「言っていることは間違ってない」と思っていた。


「それに、これは新人のために言ってることなんだ。」


我ながら思う。


これは立場をかさにきた善意の押しつけに過ぎなかった。


しかし、このときは自分のその醜悪さに気づいていなかった。


ただ、なんとなく伝え方がよくないという気がしてAIにレビューさせたのだ。


AIの出力はこうだ。

こちらも内容は加工してある。


表現がやや厳しすぎる: 強い表現が多く、新人には威圧的に感じられる可能性があります。

理由の説明不足: なぜそうしたことを行うべきでないのか、具体例を交えた説明があると教育効果が高まります。

代替案が抽象的: 「調べたら出てくると思います」ではなく、具体的なキーワードやアプローチのヒントがあるとより親切です。


ぐうの音もでないくらい真っ当な指摘だった。


そして、AIが提示した改善案は以下のようなものだった。

これももちろん加工済みだ。

……のようにすると、以下のような問題が生じやすくなります。

…(以下、問題点の列挙)

今回のような場合は、……のようにするといいでしょう。

また、……のようなやり方も検討してみてください。


明らかに文面が柔らかくなっている。


これなら、読み手も素直に受け取りやすい。


このとき私は、

いかに自分が客観視できないか


を思い知るとともに、

自分を客観視するためのツールとしてのAIの可能性


を知ることとなった。




もちろん、AIレビューも万能ではない。

質問しているのが自分自身である以上、自分自身の質問それ自体にバイアスがかかるリスクはある。


自分の質問が、AIを間違った方向に誘導してしまうのだ。


どんなにAIを使いこなしたところで、100%の客観視などありえない。


「じゃあ普通に他の人にレビューしてもらえばいいじゃん」


と思うかもしれないが、それもベストな解ではない。


他人のコメントは、その人の主観でのコメントでしかない。


結局のところ、真に客観的なレビューなど存在しないのだ。




とはいえ、AIでのレビューは間違いなく私の働き方を変えるツールの一つになった。


仕事の場での他者とのやりとりを円滑にするだけでなく、自分を見つめ直し、コミュニケーション能力を鍛えるツールとして、AIは欠かせないものとなっていた。


あなたが誰かに何か伝えようとするとき、ぜひ一度AIに確認してもらってほしい。


自分の伝え方に問題はないか?


相手を傷つけてないか?


どうすればもっとうまく伝えられるか?


AIを使って、自分の言葉を見つめ直してみよう。


(サムネイル画像: UnsplashVitaly Garievが撮影した写真)

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