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7点のスクショを8点にしたくなった日(後編)

こんにちは。Wiratです。

前回の記事では、私がX(旧Twitter)のタイムラインで衝撃的なポストに出会い、

ユーザーはUIをあまり見ていないのではないか

という仮説にたどり着いた話を書きました。

確信はありませんが…
でも、あのポストを見た後、すぐに試してみたくなったんです。

もし本当にユーザーがUIを見ていないのだとしたら。
もし本当に「画面を大きく見せること」が正解ではないのだとしたら。
私が今まで作ってきたスクショは、いったい何だったのか?


そこで私は3日かけて、公開中のアプリ7本のスクショを全部作り直しました。今思うとちょっとやりすぎだったかもしれません。
でも、どうしても確かめたかったんです。

今日はその結果をお見せしたいと思います。

まずはこちらです。


ダイスロールアプリ「セービングスロー」

ダイスロールアプリ「セービングスロー」ビフォー(CVR 18%)
ダイスロールアプリ「セービングスロー」アフター

どうでしょうか。私はかなり良くなったと思っています。
もちろん、

「そんなに変わってない」

と思う方もいるかもしれませんし、

「いや、悪くなってる」

と思う方もいるかもしれません。それはそれで構いません。
でも、せっかくですから、どう変わったかは見てみましょう。


Afterの方は、スマホ画面が小さくなっています。
情報量も減っています。UIも見えにくくなっています。

少し前の私なら、

「いやいや、それじゃ説明不足でしょう」

と思っていました。だって、せっかく頑張って作ったUIです。
できるだけ大きく見せたいじゃないですか。

機能も全部伝えたい。
ボタンも見せたい。
グラフも見せたい。
設定画面も見せたい。

人間、自分が苦労して作ったものほど見せたくなる生き物です。

でも、あのXのポストを見たときに気付いてしまったんです。
あのとき私はUIを全く見ていませんでした。
本当に全然見ていませんでした。

改善前も。
改善後も。

「絶対こっちの方がいい」

と思った瞬間、私は何のアプリなのかすら理解していませんでした。
ましてやボタン配置なんて見ていません。

それなら、もしかしたらユーザーも同じなのではないか。

そんな仮説をもとに作り直した結果が、今回のスクショです。
そして面白いことに、7アプリ全部で、ほぼ同じ方向の変化が起きました。


変化その1:情報が減った

まず最初に起きたこと。情報が減りました。ものすごく減りました。

以前の私は、

1枚のスクショにできるだけ多くのことを書こうとしていました。

「この機能があります」「あの機能もあります」
「あれもできる、これもできる、もっとできる、もっともっとできる~」

まだ書ける。まだ置ける。もっと詰められる。あと2行入る。いける。

今思うと、私はスクショを広告ではなく説明書として作っていました。
そうならないように気を付けていたにもかかわらず。

ユーザーからすると、ストアを開いた瞬間に

「ちゃんといっぱい書いておいたんで、今から全部読んでください」

と言われているようなものです。

今回の改善では、かなり思い切って削りました。
すると不思議なことに、情報量は減ったのに、伝わることは増えた気がしたんです。


変化その2:スマホが小さくなった

これは勇気がいりました。

私はずっと、スマホ画面は大きい方がいいと思っていました。

だってアプリなんですから。見せるべきはアプリ画面でしょう?

でも実際に並べてみると、スマホを少し小さくした方が良く見えるケースが多かったんです。

もちろん、UIを見せるなという話ではありません。見せるべきところは見せるべきです。

ただ、スマホ画面が画面全体を占領すると、視線の逃げ場がなくなるんですよね。なんか息苦しい。

逆に少し小さくすると、すーっと風が入ってくるというか、涼しげというか、スクショ全体に余裕が生まれます。

なんだか呼吸ができるようになる。そんな感覚がありました。


変化その3:余白が増えた

そして最後。余白です。

大抵の開発者は余白が怖いものです。私も怖いです。

空いていると、何か書きたくなります。何か置きたくなります。もったいない気がします。

でも7アプリを作り直して分かったことがあります。

余白は何もない空白ではありません。視線の通り道です。
道路があるから人が歩けるように、余白があるから視線も動けるんです。

今、ちょっといいこと言いましたよね。

で、全部の要素が

「俺を見ろ!」

と叫んでいるスクショよりも、本当に見てほしいものだけが置かれているスクショの方が、不思議と視線は迷いません。


結局、私は何をやっていたのか

7アプリを作り直して気付いたことがあります。

私は新しいテクニックを覚えたわけではありませんでした。

ただ、ひたすら引き算をしていました。情報を減らし、画面を少し小さくし、余白を増やしました。

以前の記事で、私はスクショを服装に例えました。

ジャージから普段着へ。普段着から、さりげなくおしゃれへ。

今回やっていたことは、もしかしたらその続きだったのかもしれません。

気付いたら私は、アクセサリーを外していました。
NEW YORKとプリントされた服から、無地のシャツに着替えていました。
見せたかったものを減らしていました。

そして、最終的に、尾崎豊や中山きんに君のように、タンクトップとジーパンだけになりました。(あ、いや、それはちょっと違うかな)

でも、その方が良く見えました。少なくとも私にはそう見えました。

さて、ここからが本番です。
文章で語るより、実際のスクショを見た方が早いでしょう。

というわけで、ここから残り6アプリ分の怒涛のビフォーアフターをご覧ください。

私がどこを削り、何を残し、なぜそうしたのか。

皆さんのアプリにも、同じような「引き算ポイント」が見つかるかもしれません。


アウトライナー「バナナツリー」

アウトライナー「バナナツリー」ビフォー(CVR 17%)
アウトライナー「バナナツリー」アフター

ダイスロールアプリと同じようなパターンで修正しています。


カード型データベース「ボクノコレクション」

カード型データベース「ボクノコレクション」ビフォー(CVR 13%)
カード型データベース「ボクノコレクション」アフター

これまた同じようなパターンで修正しています。


筋トレ記録アプリ「PUMP UP」

筋トレ記録アプリ「PUMP UP」ビフォー(CVR 25%)
筋トレ記録アプリ「PUMP UP」アフター

このアプリは、元々CVRが25%あり、別に変えなくても…
と一瞬考えたのですが、25%が下がったらどうしよう、みたいなチンケことで修正をやめるような私ではありません。同じパターンで修正しました。
私、大胆ですから。

あと、ChatGPTとGeminiの両名から、

「筋トレアプリは背景を黒系にするのがおすすめです」

とアドバイスを受けたので、背景色も修正しています。


動画切り取りアプリ「スパットカット」

動画切り取りアプリ「スパットカット」ビフォー(CVR 33%)
動画切り取りアプリ「スパットカット」アフター

このアプリは、元々CVRが33%あり、すでに十分出来が良かったのかもしれませんが、キャッチコピーがちょっと説明的で、小さいなと感じたので、主にキャッチコピーの修正に力を入れました。
キャッチコピーのフォントを大きくするにあたり、スマホの大きさを少し小さくしてバランスを取りましたが、そこまで大きくは変えませんでした。
だって元々CVRが33%あったのに、大きく変えるって、勇気いるじゃないですか。
私、ビビりですから。


バイオリズム診断アプリ「ウサンク☆サイ」

バイオリズム診断アプリ「ウサンク☆サイ」ビフォー(CVR 9%)
バイオリズム診断アプリ「ウサンク☆サイ」アフター

修正前は、ちょっとふわふわしたキャッチコピーだったのを、かなり単純なコピーに変え、フォントも大きくしました。
スマホ画面は、今までより思いっきり大きくしたり、小さくしたり、傾けたり、いろいろやってます。そして、最後の1枚は蛇足だったと判断して、枚数も減らしました。元々CVRもダウンロード数も少ないアプリなので、大胆に変えてます。


ルーレットアプリ「マワルンジャイ」

ルーレットアプリ「マワルンジャイ」ビフォー(CVR 20%)
ルーレットアプリ「マワルンジャイ」アフター

今回、最も大きく変えたアプリです。キャッチを短く、大きく、
スマホを傾けたり、大きさにメリハリをつけたり、というのは他と同じですが、思い切って枚数を8枚→5枚に減らしています。
順番も大きく変えました。
どうせ8枚あっても全部見られないですから。


最後に:引き算は「自信」の裏返し

こうして7つのアプリを並べてみると、我ながらよくこれだけ一気に削ったな~と思います。

情報を減らし、スマホを小さくし、余白を増やす。 この「引き算」の作業をとおして、私はストアスクショの新しいノウハウを得たというよりも、開発者としての「エゴの捨て方」を学んだような気がしています。

せっかく作ったんだから見せたい、説明したい。 その気持ちの裏側には、実は「ここまで書かないと、自分のアプリの良さが伝わらないんじゃないか」という不安が隠れていたのかもしれません。

でも、本当に良いアプリなら、タンクトップとジーパンだけでも魅力は伝わるんじゃないか。そう思ったんです。

余計なアクセサリーをひき算する勇気は、自分の作ったアプリへの「信頼」でもある。7本のアプリをゴリゴリと削り落としながら、今ではそんな風に思っています。

さて、今回のこの大手術。 「引き算の哲学」が正しかったのか、それともただの私の勘違いだったのか。 その答えは、これから数週間~1ヶ月のストアのコンバージョン率(CVR)の数字が教えてくれるはずです。

もし1ヶ月後、私のアプリたちのCVRがドカンと上がっていたら、

「な、」

とドヤ顔でまた記事を書こうと思います。
逆に悪化していたら、

「あ、スイマセン、勘違いでした」

の記事を書いて元に戻します。

どちらに転んでも面白いですよね。

それに、CVRが上がっても下がっても、どっちにしてもお得なんですよ。

上がったら

「良かったね」

下がったら

「ダメだったね。じゃあ元に戻すね」

で済む話です。

やってみなかったら、上がったかもしれないことがずっと分からないままですからね。

少なくとも一つだけ確かなのは、この実験を始めるきっかけをくれたのは、私自身ではなかったということです。

あの日、何気なく流れてきたXのポストがなければ、私は7本のアプリのスクショを全部作り直すことはなかったということです。

だから今でも、あのポストは私にとって

「今までXで見た中で一番役に立ったポスト」

だと思っています。
あの日、ただタイムラインを眺めていただけなのに、気付けば7本のアプリのスクショを全部作り直していました。

そしてもう一つ言えるのは、私は以前より少しだけ、自分の思い込みを疑えるようになった気がしています。それはCVRの数字以上に大きな収穫だったのかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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