“世界で最も有名なアリーナ”で洋楽ライブを楽しむ。NYのマディソン・スクエア・ガーデン🇺🇸(2025.9訪問)
「キャー!!!」「ホー!!!」
悲鳴と勘違いするほどの叫び声が方々から聞こえてくる。音楽に合わせ、皆が感情をはじけさせる。約2万人収容の巨大アリーナの床は、満員の聴衆が体を揺らす振動によって確かに揺れていた。
先日、ニューヨークにあるマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)でのライブに行ってきた。MSGは世界で最も有名なアリーナとして知られている。私もそうだったが、日本に住んでいても名前を何となく聞いたことがある人は多いのではないだろうか。
MSGでのライブは日本のライブ会場と同様に魅力的だったが、異なる点も多々あった。ここでは写真を交えながら、その違いやMSGの魅力を振り返り、記録したい。
マディソン・スクエア・ガーデンについて
歴史ある多目的アリーナ
MSGのHPによると、MSGは1879年開場で、現在の施設は1968年に開業した。2010年代前半には大規模な改修もなされている。
音楽やスポーツなどのさまざまイベントで使われる多目的アリーナだが、スポーツの側面ではバスケットボールのニューヨーク・ニックス、アイスホッケーのニューヨーク・レンジャースの本拠地として知られている。

成功の象徴
音楽面に絞って見ると、これまでに名だたるミュージシャンがMSGで公演している。HPにはエルヴィス・プレスリーやジョン・レノン、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、マドンナ、エルトン・ジョンなど超有名ミュージシャンやバンドの名前がずらりと並んでいる。
培われてきた歴史から、ここで公演することはミュージシャンとしての成功の象徴のようなものだと想像する。日本で武道館を目指すように、さらにその先の世界ではMSGを目指すのかもしれない。



いざ会場へ。デュア・リパのラディカル・オプティミズム・ツアー
参加したライブは、世界的ポップスター、デュア・リパの「ラディカル・オプティミズム・ツアー(radical optimism tour)」。昨年11月には、さいたまスーパーアリーナで日本公演を行っており、私は日本公演にも参加した。
会場周辺のフォトスポット📸
ライブに行った際には会場周辺で記念写真を撮る人も多いだろう。早く到着しすぎたので、会場周辺を1周してみた。良さそうなポイントは2か所あった。



セキュリティーチェックは空港並み
開演時間は午後7時半で、開場時間は1時間前の午後6時半だった。開場時間に来る人は明らかに日本よりも少なく、入場はとてもスムーズだった。
持ち込める荷物の大きさには制限があり、バッグの大きさは約56cm × 36cm × 23cmが上限。できるだけ軽装で行くのが望ましい。私はミニショルダーバッグを持って行った。


場内には飲食売店やグッズショップもある
私が購入したセクション220番台の客席の入り口周辺の廊下には多数の飲食店とグッズショップが並んでいた。
食べ物はピザやバーガー、ポップコーン、飲み物はペプシ系のソフトドリンク、缶ビール、カクテルなどが売っていた。お酒を購入する場合は身分証明書が必要となる。旅行者はパスポート、在住者は運転免許証などを忘れずに。




前座は新たな才能を見つける機会
ライブは日本公演と違い、前座があった。日本のライブでは前座があまりない気がするので新鮮だ。開演時間の午後7時半に前座が始まり、ちょうど30分間のパフォーマンスだった。
登場したのはコロラド州生まれで現在はロサンゼルスを拠点に活動する「シル(Cil)」というシンガーソングライターだった。これまで知らなかったが、くせになるしゃがれ声と伸びやかな歌唱力を持ち合わせた素敵な歌手だった。後で曲名を調べたが、「forgot to be my lover」などを歌っていた。
私が好きなPrimeビデオのドラマ「マーベラス・ミセス・メイゼル」では、コメディアンの主人公が大人気歌手のツアーの前座として出演するくだりがある。ショービズに詳しくないが、新たな才能を見出す場としての側面が前座にはあるのだろう。


本番開始は開演から1時間15分後
なかなか始まらない
前座が終わってすぐに本番が始めるのかと思っていたが、そうではなかった。午後8時に前座が終わり、本番が始まったのは午後8時45分。日本なら終電が頭をよぎり、開始前から冷や汗をかきそうな時間だ。
それもそうだろう。午後8時になっても客席はスカスカ。外の看板には「SOLD OUT」と誇らしげに書いてあったのだから、こんなに少ないはずはない。
ようやく客席に人がそろい始めたのが午後8時半ごろ。皆、慣れているのだなと感心してしまった。とはいえ、MSGから前日に送られてきたリマインドメールには「Please plan to arrive early!」と書かれていたので、基本的には早めの来場が安心だと思う。
2万人で歌うカラオケ
本人登場の雰囲気を感じ取ると、場内は一気に熱気を帯びた。曲が始まると、2万人の聴衆が大合唱だった。歌詞を歌う人、声を上げて叫ぶ人など盛り上がり方は三者三様。アリーナは2万人の巨大なカラオケルームと化した。日本のライブでは一緒に歌う人はここまで多くない気がする。文化の違いだろうか。
デュア・リパの音楽は、ダンスナンバーが多い。聴衆は一緒に歌うとともに、手を上げたり体を揺らしたりして踊りながら曲を楽しんだ。この会場の雰囲気はたまらないものがある。日頃の疲れや煩わしいことから解き放たれたような感覚があった。


日本公演とは違った点で感じた魅力
同ツアーの日本公演にも参加したが、盛り上がりは日本もNYも同じくらい熱かったと感じた。セットリストが異なるので単純比較はできないが、日本の方が静かだったかというと、そうではない気がする。両会場とも、デュアリパが手を使って両サイドの観客の声量を競わせるコールアンドレスポンスがあったが、これは日本の盛り上がりが勝っていたように感じた。
またピアノ伴奏と歌のみとなった「Anything for Love」は、日本の方が静まり返っており、より歌声の美しさが引き立った。一方、NYではデュアが途中でイヤモニを少しずらして、観客の声、会場の雰囲気を味わっているように見えた瞬間があり、これはこれでとても感動的だった。
今回、特に印象に残っている曲は、日本公演ではセットリストに含まれていなかった「Maria」だ。夕日を連想させるオレンジ色に染まったステージから、ウエスタン風にアレンジされた曲が流れてきたときには鳥肌が立った。「Maria, I know you're gone ~」の部分はこぶしを効かせて深く歌い上げており、さながら演歌のようでもあった。
最後には皆で「Dua! Dua! Dua!」と大声でコールし、非常に楽しく、満足感のあるライブとなった。それにしても、これだけ踊りながら歌うのだから、体力はアスリート並みだろう。ただただすごい。


まとめ
終了時間には要注意
MSGはペンシルバニア駅(ペンステーション)の上に位置する好立地だ。しかし、自宅や宿泊先のホテルが遠方の場合は注意する必要があると思う。
下調べを全くしていなかった私は、午後7時半開演だったので、午後10時ごろには終わるだろうと見込んでいた。だが、実際の終了時間は午後10時45分ごろとなった。前座後の空き時間が長かったためだ。
多少終了時間が遅くなっても、安全に宿泊先まで帰れるような想定を事前にしておくと安心だろう。

座席の少し残念な点
古いアリーナだからか、座席が狭かったのは少し残念だった。身長180センチの私が座ると、膝が前席の背もたれに接触するくらいのサイズ感だ。これだと、日本にいた時に大好きながら、「狭いなー」と感じていた神宮球場とそう変わらない狭さである。
ライブ中は多くの人が立っているので関係ないと思うかもしれないが、横のスペースもそこまで広くないので隣の人と体が当たってしまうことが度々あった。この点は少し残念だが、歴史あるアリーナなので仕方がないのかもしれない。
またドリンクホルダーが付いていないこともあり、退場時はあちこちに飲み物をひっくり返した水たまりができていた。そのため、荷物を座席下に置くのはやめておいた方がいい。
“世界一”の雰囲気を楽しめる
ライブ体験に関しては、日本には日本の良さ、NYにはNYの良さがあると思った。
それでも、世界で最も有名なアリーナでのライブに参加している!という気持ちは、出演者、聴衆ともに共有している感覚があり、ユニークな体験になったと感じている。好きなミュージシャンのライブなどがあれば、また訪れてみたい。
番外編:ポップアップストア前でデュア・リパに遭遇
ライブ前にMSGからは少し離れている場所に設けられたツアーのポップアップに行ってみた。その際、デュア本人が訪れており、奇跡的に出くわした。






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