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大切にしたい考え方

 ニュースを見ていて、ふと思い出した言葉がある。広い視野で物事を見つめ、静かにじっくりと思いを巡らせるという意味を持つ「大観静思」という言葉だ。

 10年前の学生時代、私は自分が過疎地域で育ったという経験から、住民主体のまちづくりに強い関心を持っていた。その流れで、先進事例のある兵庫県北部の日本海側にある豊岡市を訪れた。

 その際に立ち寄ったのが「大観静思」に由来して名付けられた「静思堂」だった。第二次世界大戦前後の時代に活躍した政治家斎藤隆夫をしのぶ施設で、自分の関心からは離れていたものの、地域の代表的な場所として訪れた記憶がある。暑さが残る9月上旬だったが、枯山水の中庭とこじんまりとした建物には、静ひつで落ち着いた空気が流れていたことを覚えている。

 斎藤は、常に大局から日本と自分自身を見つめる姿勢を忘れなかったとされ、国会での演説で軍部の政治介入に抵抗した人物でもある。この混沌とした社会状況の中、その姿勢は、今を生きる自分の心にも響くものがある。

 仕事をやめてから、いろいろなことを考える時間が増えた。情報が無限に流れ込んでくる今の時代だからこそ、静かに思いを巡らせる時間を大切にしたい。答えは、すぐに見つからなくてもいい。


静思堂(2016年9月)
斎藤隆夫の胸像
静思堂に関する説明文が書かれたパネル



きょうの1曲

ドビュッシー・アラベスク第1番 - 辻井伸行
「きょうの1曲」をまとめたYouTube再生リストはこちら




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