【第一部】ウサ子とカメコ ― 迷い、走る。
本作は、風と光と音でつなぐ81カットのビジュアル詩。 Phase1〜4の4部構成です。
「動→静→共鳴→静寂」をたどり、最後は風鈴と眠りで一日を閉じます。 雨上がりの森を進む🐇ウサ子と🐢カメコ。 動/静の構図差で、二人の距離感の変化を描きます。
【第一部】ウサ子とカメコ ― 迷い、走る。
風が合図、光が道標。
走って、止まって、また走る。
観察はやさしく、別れはさっぱり。
月が肩を撫で、音が夜を沈める。
──きょうの呼吸は、ここで終わる。

炎の余熱と朝の光が交わる場所で、
ウサ子はもう一度、進む理由を見つけようとしている。

雲が割れ、空が呼んでいる。誰かに追われるように、足が動く。

風を切って駆け抜ける。
まだ答えも理由もいらない。
ただ、走ることだけが生きている証。

髪がほどけ、光が弾ける。
落ちるでも、飛ぶでもない。
― ただ、自由。

風が弱まり、光景がわたしに触れる。

風が頬を抜ける。
袖がはためいて、足が勝手に前へ出る。
光が広がって、胸が少し熱い。

息を潜めて、映る世界を待つ。
森が、わたしの影を見ている。

風が止まり、景色が沈む。
わたしの中に、もうひとりのわたしがいる。

指先が水をなぞる。
世界が、円を描いて返した。

背に陽を受けて、
風の重さを思い出す。

まぶたの裏がまだ明るい。
光の残りが、胸に残った。

風も声もない。
映る影だけが、答えのようだった。

光の粒がまぶたに落ちた。
すべてが、静かに動いている。

水が金色に揺れる。
もう少しだけ、この光を見ていたい。

葉の隙間から光がこぼれる。
目を開けたら、心が軽くなっていた。

足元の影が長い。
それでも前を向いて歩きたい。

空が広がるたび、
まだ終わりじゃない気がした。

風の向こうに気配がいる。
わたしは、その背中を見つけた。
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