メンタル疾患は「心の弱さ」じゃない。無理解な言葉から、真面目で優しいあなたを守るために
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こんにちは
メンタルヘルス不調で苦しんでいる時、一番辛いのは病気そのものの症状だけではなかったりします。周囲からの「心ない言葉」や「無理解な視線」に、深く傷ついている方も多いのではないでしょうか。
「精神的に弱いから病気になったんだよ」
「気の持ちようでどうにでもなる」
「もっとストレス耐性をつけないと、社会じゃやっていけないよ」
こうした言葉を投げかけられ、「自分は弱い人間なんだ」「甘えているだけなんだ」と、自分自身を責めてしまっていませんか?
結論から言わせてください。あなたは決して、弱くなんてありません。
今回は、メンタル疾患を「心の弱さ」だと思い込んでいる人たちの心理を紐解きながら、なぜあなたが自分を責める必要が一切ないのかをお話しします。
なぜ彼らは「精神的に弱いからだ」と言いたがるのか
そもそも、なぜ一部の人たちは、メンタル疾患を「心や意志の弱さ」と直結させてしまうのでしょうか。そこには、彼ら自身の心理的なバイアス(偏見)と自己防衛が隠されています。
1. 圧倒的な「知識不足」と「想像力の欠如」
一番の理由は、シンプルに知識がないことです。骨折や出血のようにレントゲンで見てパッとわかるものではないため、目に見えない心の痛みを想像することができません。自分が経験したことのない苦しみを理解できず、自分の浅い人生経験の尺度のなかだけで「気の持ちようだろう」と結論づけてしまうのです。
2. 正常性バイアスと生存者バイアス
「自分はこれまで辛い仕事も気合で乗り切ってきた。だから他人も乗り切れるはずだ」という、自らの成功体験の押し付けです。自分がたまたま運良く、脳の許容量を超えずに済んだだけなのに、それを「自分の精神力が強いからだ」と勘違いしています。
3. 「自分は大丈夫だ」と思いたい自己防衛(公正世界誤謬)
実は「弱いから病気になるんだ」と攻撃する人ほど、心の奥底では不安を抱えています。「病気になるのはその人が弱いという『原因』があるからだ」と思い込むことで、「強い自分は絶対に病気にならない」と安心したいのです。彼らは、自分のちっぽけな安心感と価値観を守るために、あなたに「弱い」というレッテルを貼っているに過ぎません。
メンタル疾患は「気持ち」ではなく「脳機能」の問題
無理解な人たちは精神論で語りたがりますが、医学的な事実として、メンタル疾患は「気の持ちよう」などという曖昧なものではありません。
過酷な環境や持続的な強いストレスによって、セロトニンやドーパミンといった脳内の神経伝達物質のバランスが崩れ、脳が正常に機能しなくなってしまう「物理的な状態(脳機能のエラー)」なのです。
例えば、骨折している人に向かって「気合で走れ!お前の意志が弱いから痛いんだ!」とは誰も言いませんよね。胃潰瘍で血を吐いている人に「気持ちがたるんでいるから血が出るんだ」とも言いません。
メンタル疾患もこれと全く同じです。
許容量を超えるストレスという負荷がかかり続けた結果、脳という臓器が「これ以上は命が危ない」と判断し、強制終了の緊急停止ボタンを押した状態なのです。スマートフォンで言えば、バッテリーが完全に劣化して電源が入らなくなっているハードウェアの故障に対し、「気合でアプリを動かせ」と言っているようなものです。
それなのに「気持ちの持ちよう」で片付けようとするのは、単に医学的知識がなく、自身の無知を晒しているのと同義です。無知な人の言葉の刃を、あなたが真正面から受け止めて傷つく必要はどこにもありません。
「ストレス耐性」という言葉の不気味さと罠
そして、社会でまことしやかに語られる「ストレス耐性」という言葉。私は、この言葉には強烈な違和感と疑問を抱いています。
「あの人はストレス耐性がないからダメだ」とよく言われますが、そもそも会社や社会が求める「ストレス耐性」とは一体何なのでしょうか。
理不尽な要求、終わりのない長時間労働、パワハラやモラハラ、本来はおかしいと感じるべき矛盾……そういった異常な環境に対して、「疑問を持たない」「何も感じない」「感覚を麻痺させてやり過ごす」ことを強要しているのではないでしょうか。
つまり、「ストレス耐性をつけろ」という言葉は、裏を返せば「組織の理不尽に耐えるために、もっと鈍感であれ」「一人の人間としての感情や、当事者意識を持つな」と言っているに等しいと私は思います。
組織の都合の良い歯車になるために、心を殺せと言っているのと同じです。そんな異常な耐性を身につけることが、本当に人間としての正解なのでしょうか。
あなたは「弱い」のではなく、真正面から向き合った「当事者」です
あなたがメンタルを崩してしまったのは、決してストレス耐性が低くてダメな人間だったからではありません。むしろ、その逆です。
あなたは、目の前の仕事や人間関係、そして自分自身の人生に対して、誰よりも強い「当事者意識」を持ち、ごまかさずに真正面から向き合ってきたのではないでしょうか。
理不尽なことに対して「これはおかしいのではないか」と気づける、正常で繊細な感性を持っていたからです。他人の痛みに共感し、責任を一人で抱え込もうとする優しい心を持っていたからです。
「まあいいや」「自分には関係ない」と当事者意識を捨てて、鈍感になって思考停止すれば楽だったかもしれない。でも、あなたはそうしなかった。真面目に、誠実に、責任感を持って世界と向き合おうとした結果として、脳のエネルギーを使い果たしてしまったのです。
それは「弱さ」ではありません。限界まで戦い抜いた証であり、あなたの優しさと誠実さの証明です。
だから、もう自分を責めないで
もうこれ以上、「自分が弱いからだ」と自分をいじめるのはやめにしませんか。
あなたの心身が悲鳴を上げたのは、あなたが自分のキャパシティを超えるほどの重い荷物を背負い、限界まで頑張り抜いたという何よりの証拠です。
無理解な人たちは、あなたのその見えない努力や、抱えてきた責任の重さを知りません。知らないからこそ、無責任に「弱い」と切り捨てることができるのです。そんな人たちの言葉を採用して、あなた自身まで「自分を攻撃する敵」に回る必要はありません。
いまは、何もできなくていいのです。心が真っ暗で、希望なんて見えなくても大丈夫。
まずは、「私は弱くない。脳が疲れ果てるまで、当事者として逃げずに頑張ったんだ」と、何度でも自分を抱きしめてあげてください。他人の無責任な言葉からは、全力で逃げて、耳を塞いでいいのです。
あなたが再び、あなたらしい優しい笑顔と感性を取り戻せる日が来ることを、私はずっと信じています。
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