面接官は「空白期間・休職」の何を気にしているのか?(採用側のホンネ)
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こんにちは
会社を休職していた期間や、退職してから次の仕事に就くまでの空白期間、いわゆるブランク。
履歴書や職務経歴書を眺めながら、
「面接で絶対に突っ込まれるよな……」
「どう説明すれば納得してもらえるのだろう」
「休職していたと話した瞬間に、不採用になるのではないか」
そんな不安で、胃がキリキリと痛むような思いをしていませんか。
私自身、これまでに休職、退職、転職を幾度か経験しています。
一度休んで、体調を整え、再び働き始める。けれど、環境や仕事との相性によっては、また立ち止まらざるを得なくなる。
そのたびに、
「今度こそ、もう普通のキャリアには戻れないのではないか」
「転職回数や空白期間を見て、問題のある人だと思われるのではないか」
「これまでの経歴を、面接でどう説明すればいいのだろう」
と悩んできました。
求人票を開いても、応募ボタンを押す勇気が出ない。履歴書を書き始めても、空白になっている年月を見るだけで、自分の人生そのものを否定されたような気持ちになる。
転職活動を始めようとしているのに、面接以前の段階で足が止まってしまったこともあります。
一方で、その後は企業のマネジメントや採用に携わり、私自身が面接官として応募者の方とお話しする立場にもなりました。
実際に、休職歴や離職期間など、経歴にブランクのある方を何人か面接した経験があります。
応募者として空白期間を説明する側と、面接官として採用を検討する側。
両方を経験したからこそ、分かったことがあります。
それは、面接官が空白期間について尋ねるとき、必ずしも「経歴に傷がある人を探して落とそう」と考えているわけではない、ということです。
もちろん、会社や面接官によって考え方は異なります。残念ながら、休職歴やメンタル不調に偏見を持つ人がまったくいないとは言えません。
それでも、多くの面接官が本当に確認したいのは、過去の経歴が途切れているかどうかだけではありません。
面接官が見ているのは、
「現在どのような状態にあり、入社後に安定して働けそうか」
という点です。
今回は、休職・退職・転職を繰り返してきた当事者として、そしてブランクのある応募者を見てきた面接官として、採用側が空白期間や休職の「何」を気にしているのかをお話しします。
なぜ私たちは空白期間をこれほど恐れるのか
休職や離職を経験した後は、空白期間そのもの以上に、その期間に対する自分自身の評価に苦しめられることがあります。
「働いていない自分には価値がない」
「一度休職した人間は、また同じことを繰り返すと思われる」
「経歴が途切れた時点で、他の応募者には勝てない」
不安が強いと、一度の休職や退職を、人生全体の失敗のように感じてしまいます。
特にメンタル不調を経験すると、物事を極端に考えやすくなることがあります。
一度つまずいたら終わり。
正社員として働き続けられなければ失敗。
空白のない経歴でなければ、社会人として認めてもらえない。
けれど、本当にそうでしょうか。
病気の療養、家族の事情、介護、育児、資格の勉強、転職活動の長期化など、仕事を離れる理由はさまざまです。
誰もが、学校を卒業してから定年まで、一度も立ち止まることなく働き続けるわけではありません。
キャリアは、一直線のレールではありません。
進んだり、立ち止まったり、方向を変えたりしながら続いていくものです。
それでも面接が怖くなるのは、面接官が「自分の弱みを見つけて裁く人」のように見えてしまうからだと思います。
しかし、採用面接は本来、応募者の人生を裁く場ではありません。
面接官は、
「この人に仕事を任せられるか」
「本人も会社も、無理なく働き続けられそうか」
「募集している仕事や職場環境と合っているか」
を確認しようとしています。
面接官を裁判官ではなく、採用後のミスマッチを避けたい担当者として捉えると、質問の意図が少し見えやすくなります。
面接官が本当に気にしている5つのこと
1.現在、安定して働ける状態なのか
採用側が最も気にするのは、過去の病名や治療内容の細かな経緯ではありません。
一番知りたいのは、
現在、募集している仕事を安定して続けられる状態なのか
ということです。
企業は採用するために、求人広告、書類選考、面接、入社手続き、教育など、多くの時間と費用を使います。
そのため面接官は、
「入社後、決められた時間で勤務できるだろうか」
「継続して仕事を任せられるだろうか」
「本人に無理をさせる結果にならないだろうか」
「必要な配慮はあるのだろうか」
と考えます。
これは、休職経験者を排除したいからではありません。
せっかく採用した人が、すぐに体調を崩して再び休職や退職となれば、本人にとっても、会社にとってもつらい結果になります。
だからこそ、面接では「もう大丈夫です」と気持ちだけで答えるよりも、現在の状態を具体的に伝えることが大切です。
例えば、
「現在は生活リズムも安定しており、平日は勤務時間に合わせて起床しています」
「主治医とも相談し、フルタイムでの就業に問題がないことを確認しています」
「体調は安定しており、日常生活にも支障はありません」
と説明できれば、面接官は入社後の働く姿を想像しやすくなります。
ただし、本当は配慮が必要なのに、採用されたい一心で「何も問題ありません」と言い切るのはおすすめできません。
定期的な通院が必要、残業時間に制限がある、夜勤は難しいなど、実際の勤務に影響する事情がある場合は、必要な範囲で伝えた方がよいでしょう。
採用されることだけを優先して無理な働き方を引き受けると、入社後に自分自身を追い詰めてしまいます。
2.自分の状態やストレスの傾向を理解しているか
次に見られるのは、自己理解と自己管理です。
面接官が不安を感じやすいのは、休職した事実そのものよりも、
「なぜ体調を崩したのか、本人にも分かっていない」
「回復した根拠が気合や根性だけ」
「同じ状況になったときの対処方法がない」
という状態です。
反対に、自分がどのような状況で負担を抱えやすいのかを理解し、早めに対処する方法を持っていれば、安心材料になります。
例えば、
「以前は仕事を一人で抱え込み、相談が遅くなる傾向がありました。現在は、業務量が増えた段階で早めに上司へ相談することを意識しています」
「睡眠時間が短くなることが体調悪化のサインだと分かったため、生活リズムを記録しています」
「疲労をため込まないように、休息の取り方を見直しました」
といった説明です。
ここで大切なのは、休職の原因をすべて自分の責任にしないことです。
長時間労働、ハラスメント、過剰な業務量、人員不足、仕事とのミスマッチなど、本人の努力だけでは避けられない職場要因もあります。
ただし、面接で前職の問題を長く訴えるだけでは、面接官は判断に困ってしまいます。
事実は簡潔に説明したうえで、
「その経験から何を理解し、今後どう対処するのか」
まで話せると、自己理解の深さが伝わります。
3.仕事を再開する準備ができているか
空白期間が長い場合、面接官は「働く感覚が戻っているか」も気にします。
これは、空白期間を怠けて過ごしていたと疑っているとは限りません。
療養によって生活リズムが大きく変わっていた場合、いきなり週5日、決まった時間に出勤することが負担になるケースがあります。
そのため、
「現在は平日も朝7時に起き、日中は外出して活動しています」
「週に何日か図書館に通い、仕事に関係する勉強をしています」
「パソコン操作や業務知識を復習し、就業に向けた準備を進めています」
など、現在の生活や準備状況を具体的に伝えると効果的です。
資格を取得したり、高度な勉強をしたりしていなければならないわけではありません。
体調を崩していた時期に、きちんと休むことも必要な過ごし方です。
むしろ、療養が必要なのに無理に資格勉強を始めたり、実績を作ろうと焦ったりすると、回復が遅れることもあります。
面接では、
「最初は療養に専念した」
「体調が安定してから生活リズムを整えた」
「その後、就職活動を始めた」
というように、時間の流れを分けて説明すると分かりやすくなります。
例えば、
「退職後の最初の3か月は療養に専念しました。その後、体調が安定してきたため、生活リズムを整え、現在は就職活動と並行して業務知識の復習をしています」
という伝え方です。
面接官が見たいのは、空白期間に派手な成果を出したかどうかではありません。
現在、仕事を再開する準備が整っているかどうかです。
4.前職と同じ問題が応募先でも起きないか
休職や退職の原因が職場環境にあった場合、面接官は応募先でも同じ問題が起きないかを考えます。
例えば、前職で月80時間を超える残業が続き、体調を崩した人が、残業の少ない会社に応募しているのであれば、環境が変わることで安定して働ける可能性があります。
一方で、強いノルマや長時間労働が負担だった人が、同じような働き方を求められる会社に応募している場合、面接官は慎重になります。
つまり、採用側は単純に、
「この人はストレスに強いか、弱いか」
だけを見ているわけではありません。
この人と、この会社の環境が合っているか
を見ています。
私が面接官としてブランクのある方とお会いした際にも、休職や離職の事実だけで判断したわけではありません。
むしろ気になったのは、
「前職で難しかったことが、この会社では解消されるのか」
「応募者が希望する働き方と、実際の職場環境にずれはないか」
「本人が自分に合う環境を理解しているか」
という点でした。
これは応募者側にとっても重要です。
採用されることだけを目標にすると、本来は合わない職場でも「大丈夫です」と答えてしまいがちです。
しかし、入社後に再び体調を崩してしまっては、転職した意味がなくなります。
残業時間、業務量、仕事の進め方、相談体制、評価方法、職場の雰囲気など、自分が安定して働くために重要な条件を整理しておきましょう。
5.今回の転職に納得感があるか
採用側は、空白期間の理由だけでなく、今回の転職に対する本人の考えも見ています。
「体調が戻ったので、とにかくどこでもいいから働きたい」
という状態では、入社後に仕事内容や環境が合わず、再び離職する可能性があります。
そこで面接官は、
「なぜこの仕事を選んだのか」
「なぜこの会社に応募したのか」
「今後どのような働き方をしたいのか」
を確認します。
休職や離職を経験したからこそ、自分に合う仕事や働き方が見えることもあります。
例えば、
「これまでは周囲の期待を優先しすぎていましたが、今後は自分の強みである○○を生かし、長期的に専門性を高めたいと考えています」
「前職の経験を通じて、短期的な成果を追う仕事よりも、顧客と継続的な関係を築く仕事に向いていると分かりました」
と説明できれば、転職の軸が伝わります。
空白期間を無理に前向きな物語に変える必要はありません。
ただ、
「なぜ今、働こうと思ったのか」
「なぜこの仕事なら続けられそうなのか」
について、自分なりの言葉を持っておくことは大切です。
休職歴や病歴は、どこまで話せばいいのか
多くの人が最も悩むのが、この問題だと思います。
面接で空白期間を尋ねられたとき、過去の病名や治療内容、服薬歴、家庭事情まで、すべて説明しなければならないのでしょうか。
私は、何もかも詳細に話す必要はないと考えています。
採用選考は本来、応募者の適性や能力、職務を遂行できるかどうかを基準に行われるものです。
面接官が確認したいのも、基本的には、
「現在、業務を遂行できる状態か」
「勤務に当たって必要な配慮があるか」
「継続して働くためにどのような対策をしているか」
という、仕事に関係する範囲です。
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