[連載小説]第二十三話 / 犬だけど何?野良犬の俺がホームレスのアイツと出会ってすみかをゲットする話 / 第五章スカイドッグスター⭐️ 運命の出会い
第五章スカイドッグスター⭐️運命の出会い
前回の話はこちら
ここまでのあらすじ
元捨て犬のビーグル犬『イヌ』は、飼い主のばあちゃんが心臓の発作で倒れ野良犬になった。
歌手の夢を持つホームレス青年ソラと出会い意気投合しバディとなる。
やがて寅造とともにホームレス生活から再スタート。
老健施設の歌のイベントの後、イヌは健太、ばあちゃんと涙の再会を果たす。
ソラ、健太、イヌはバンド『スカイドッグスター』を結成し、
SNSに動画をアップ。
オヤジバンドの応援も受けた。
さらにスカイドッグスターは、井の頭公園路上ライブ活動を始めた。
犬仲間の応援で観客も少しずつ増えた。プードルのバニラちゃんに恋をしたイヌ。
初雪の日、イヌの初恋は雪とともに消えた。
帰ろうとした時、誰かに呼び止められた。
第二十三話 井の頭公園、運命の出会い
スカイドッグスターを呼び止めた女性。
匂いには覚えがある…。
「誰なんだろう?」
俺は首を傾げた。
「え?小説家?!」
ソラと健太は顔を見合わせた。
「好きで書いているんです。自信持って名乗れる肩書きは、『犬推し』かしら?そして今は、あなたたち、『スカイドッグスター推し』ですね!」
その人は、そう言って笑った。
「え〜、ありがとうございます!」
小説家だって?!
井の頭公園近くに住んでいて、晴れた日は、パソコンを持ってベンチに腰掛けて創作。
雨の日は近くのカフェ。
公園を散策しながら創作活動をしているのだという話…。
家にいるより、ここの方が話が書けるんだって。
「あ、ごめんなさい。寒いのに、これどうぞ…」
その人は缶コーヒーをソラと健太に渡した。
「イヌくんには、はい、犬用ホットミルク」
持ってきたミルクを紙皿に注いでくれた。
「以前、犬を飼っていたんですよ。
でも今は…で、この公園を散歩しながら犬を見るのがストレス解消。ここで癒されるのね」
「そうなんですね。この公園には、犬が多いですもんね」
「ええ、あなたたちの歌も聴いていたんですよ。実はおりいってお話がありまして…」
その人は、改まった表情で言った。
「実は…来年の春クールに始まる『SFファンタジー』を今、執筆中なのね。
その話、実のこと言うと、ここで観させてもらった、あなたたちを観て思いついた話なんです…。
だから、あなたたちに許可をもらおうと思って。こんな雪の日に呼び止めてごめんなさいね…」
「えー!!」
「オレたちの話で、ファンタジー?!」
「俺たちの?!」
「口外は出来ないけど、これがプロットなんです」
そう言って、あらすじを見せてくれた。
「えー?!宇宙ファンタジー?」
「おもしろそうな話ですね!」
「ええ、あなたたちから発想させてもらったの。ファンタジーだから、そのままって訳ではないのだけど…。大丈夫かしら?」
ソラが、まず答えた。
「オレは別に構わないですよ。健太はどう思う?」
「オレも大丈夫。特に職場で困ることでもないし…ファンタジー出来上がったら観ますね。アニメ好きなんです!」
ついでに言えば「俺も構わないな」聞かれて無さそうだけど、俺もつぶやいておいた。
あの人、犬語がわかったかな?
「良かった!!本当は断られたら、どうしようかと思っていたの…」
その人は安心した表情で、言葉をつづけた。
「そして…もう一つ、お願いがあって…。
そのファンタジーの主題歌を作ってもらいたいの」
「え!!!」
「マジっすか?!」
「主題歌を?!」
「これが私の名刺。ここに連絡先があります。もし、決心できたら、年明けから話を進めさせてもらいたいの。
本当に良かったわ〜。
今日は寒い中、ありがとう。
連絡お待ちしていますね」
「これから忙しくなるぞー」
「マジかよ!アニメの主題歌?!」
「すごい展開だなぁ。ねぇねぇ!ばあちゃんや寅造じいちゃんたちにも早く伝えよう!喜んでくれるよねー」
健太は車を走らせた。
「ばあちゃん!ただいま!ビッグニュース!!」
「まあ、良かったね!良かったね!!本当に良かった…」
そう言いながら、ばあちゃんは泣き出してしまった。
「今度こそ、お世話になった方々をお招きして、ここでお祝いしましょう。必ずお誘いしてね、健太…良かったね」
それから俺たちは、曲作りに専念した。
第二十四話に続く
「運命の出会い」
いよいよクライマックスへ
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