[連載小説]第十九話 / 犬だけど何?野良犬の俺がホームレスのアイツと出会ってすみかをゲットする話 / 第三章スカイドッグスター⭐️SNS戦略
第三章スカイドッグスター⭐️SNS戦略
前回の話はこちら
ここまでのあらすじ
元捨て犬のビーグル犬『イヌ』。飼い主のばあちゃんが心臓の発作で倒れ、野良犬になったイヌ。
歌手の夢を持つホームレス青年ソラと出会い意気投合。バディとなった。
寅造とともにホームレス生活から再スタート。
老健施設の歌のイベントの後、イヌは健太、ばあちゃんと涙の再会を果たした。
ソラ、健太、イヌはバンド『スカイドッグスター』を結成し、
SNSに動画をアップし始めた。
動画撮影では、オヤジバンドを組みだした寅造じいちゃん、源じいちゃん、秀樹さんも演奏で参加。
源じいちゃんの屋上でばあちゃんの差し入れと焼肉バーベキューで打ち上げをした。
第十九話 路上ライブ挑戦への道のり
寅造じいちゃんは、その次の日は出勤していた。
「良かった…」気のせいだったかなぁ…。
週末、健太が来たときのこと…。
「ソラ、路上ライブどうする?」
「うん、そうだよな…オレも気になって調べてみたんだ…」
「ライブの申請するんだよな…」
俺も話に加わった。
「え?公園とか駅前で、勝手に歌っちゃいけないの?」
「うん、許可いるみたいなんだ」
「俺たちの『遠吠え』とは違うん
だな〜」
「そりゃそうだろ! !」
「人間って難しいな…歌も自由に歌えないのかよ」
「そうだよな〜」
健太は、ネット検索し始めた。
「え〜っと、ゆずは、横浜伊勢崎町の旧松屋前だろ?コブクロは堺。いきものがかりは神奈川の相模大野なんだ。それにナオト・インティライミも柏で路上してたんだね」
「一気に売れたみたいだけど、結構、地道に推しを増やしていったんだろな…」
「そういや健太の好きな優里は、新宿南口バスタだろ?路上ライブの動画をSNSにあげてバズったんだよなぁ」
「そうそう」
「まあ、上を見たらキリが無いけど。地道にやるしかないなぁ」
健太は、今度は路上ライブの場所を調べ出した。
「なるほど…東京近郊だけでも、新宿、井の頭恩賜公園、上野、横浜駅、柏、八王子か…
あちこちの駅前や公園とかで路上ライブをしているの見かけるけどな。
あれって申請だして、それから審査のオーディションか…『ヘブンアーティスト』っていうのか」
「路上に立つのも激戦なんだな…」
ネット検索しながら、ソラと健太は話し込んでいた。
俺は寝ちゃったよ…。
目が覚めると、二人の声がした。
「…どこかの枠に何とか入れたらな。申請の手続きの時期とかも調べてみて、飛び込んでみようぜ」
「だな」
「目指せ!Zepp新宿」
「お〜い!でっかく出たな〜」
ソラと健太が、嬉しそうに笑ってる。
夢ってデカい方がいいよな。
俺も「がんばるぞー!」って、シッポを激しく振った。
練習にも力が入った。
レパートリーも増やして行った。
週に3回はDigDogに短い動画をあげて、週1回は Dtubeにもアップしていった。
「ワン!」と言うフレーズが入る曲をソラと健太は丹念に調べていた。
俺も参加できるようにって。
掛け声みたいに歌手が思わず「ワン!」って言ってるフレーズが、わりとあるんだ。
驚いただろ?
動画撮影も工夫することにした。
源じいちゃんのガレージで音を録音。
夜景をバックに映像を屋上撮影。
昼間の散歩撮影。
後で録音した音と合わせて編集してDtubeにアップした。
目立つ戦略も考えないとね。
「よし!ホームページ作るか!」
「いいね!両方のリンク貼って」
「オレ、挑戦日記をnoteに書くよ!」
「いいじゃん、マガジンも作れるしな!」
「いい感じ。もう念願の10,000達成!!」
そう言えば、いつのまにか焼肉の目標を達成していた。
そんな事も気づかないくらいに、俺たちは夢に向かって没頭していた。
今日も健太がやってきた。
「ソラ!観てみろ!『横浜のみなとみらい21地区』の募集要項が出てるぞ!」
「おー!!」
「いよいよだな」
「出してみるか?動画もいっしょに申請に添えるみたい。この前のをあげようぜ!」
俺は、ちょっとだけ心配になった…。
「俺が犬ってことがハンディになって足引っ張らないかな?
犬いても申請許可が通るかな?
犬がバンドメンバーだってわかって、取り消しになるなんて無いよな…」
そもそも、狭き門だった…
『スカイドッグスター』で申請をだしたけど、落ちてしまった…。
俺たちは、数日間さすがにうなだれた。
「そりゃそうだよなぁ…」
「たくさんのバンドいるからな…」
「まあ、これからだ」
それから数日後、健太が仕事帰りに寄った。今日は、嬉しそうだ。
「今日さ、仕事で吉祥寺に行ったんだ。で、ちょっと時間あったから
『井の頭公園』に行ってさ」
「俺も一度行ってみたかったんだ!」
「で、帰りに寄ったんだ。そしたら、もう犬がいっぱい!!もう、ワクワクしてさー」
「そこで路上ライブとかも観てみようぜ。気分転換に遊びに行こう!」
俺も話に加わった。
「えー!!俺も行きたい!」
「よし、今度の週末は遠征だ!」
「わーい、楽しみ!」
俺たちは、それから路上ライブ会場巡りをすることにした。
第二十話に続く
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