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「現実を見たくない」【東京貧困女子。】中村淳彦著

「正直、この現実から目を逸らしたい」

audiobook.jpで「聴き放題」で聴けたので、
試しに聞いてみました。
「あれ?どこかで聞いたことがある」と思ったら、職業としてのAV女優の著者と同じ人でした。

大学生から50代の女性まで、
様々な方がインタビューに答えてます。
今もこちらで連載しています。


・見えてきた貧困女子の共通点

大学生の女性からシングルマザーまで
様々な方が出てきました。

貧困というくらいなので、
経済的な問題を抱えているのは
言うまでもありませんが、
それだけではありません。

・1.家族とうまくいっていない

貧しさが原因でギクシャクしてる家庭の人もいましたが、親や自分自身が離婚したり、家族から何かしらの暴力を受けてる人が目立ちました。

東京という土地柄もありますが、
近所付き合いも期待できません。

団地の住民で、
子どもの制服や学校の備品を融通しあってた人が
まだ恵まれているとすら思いました。

・2.健康を害してる人が少なくない。

勤めてた会社からのパワハラが原因で、
身体障害者にまでなってしまった方もいました。
取材時にもヘルパーさんの付き添いがありました。

目立ったのは性風俗やパパ活など
男性に対する性サービスをする仕事で、
次第に精神を蝕まれてる印象を持ちました。

先日の『職業としてのAV女優』を読んだ時も
同じことを思いましたが、
「心身共にすり減らす肉体労働」と改めて実感。

・3.助けを求められない人

助けを求めるにしても、
必要な人に限って情報が入ってきません。
いざ求めても、何かと理由をつけて、
門前払いされることも珍しくないと感じました。

・地方でも変わらない

タイトルに「東京」がついてますが、
他のエリアでインタビューしても
さほど変わらないと感じました。

違うのは、家賃の相場くらいでしょうか。
「そんなに家賃が高いのに、給料水準がうちの周辺の求人内容と大差がないのか」と驚かされました。

・親ガチャとでも言いたくなる環境

子ども時代の環境は恵まれていたけど、
離婚や家族の介護などが原因で
貧困に陥った人もいました。

しかし大半は生まれた時点で
「どうしろって?」と
思わず言いたくなるような環境で
生きてる人が多い印象でした。

2021年に流行語大賞に選ばれましたが、
這い上がるチャンスすら、
与えられない環境の人がなんと多いこと!
途中でいい出会いに恵まれる人もいるけど、
それも含めてガチャでしょう。

確かに、教育でその後の人生を変えるチャンスはあります。
しかし、「明日どうやって生き延びるか」としか考えられない親が、長期目線で見る教育について考えることは不可能であると気づきました。

子どもだけの意志で、
親権者の意向に関係なく、
高校、大学へ進学できる機会を
与える仕組みが必要と考えさせられました。

・感想

「こんな現実見たくない」が本音です。
しかし、今後ますます該当する人は
増えることが予測されます。

私だって他人事ではありません。
今無職なので、可能性が高いと自覚してます。

今の国の政策を見ていても、
減る可能性は限りなく低いと考えてます。

読んでいながら以下の考えが浮かびました。

「生活保護が必要な人が助けを求めに来ても、理由をつけて追い返すなら、役場の担当部署は何のために存在してるの?」
「日本の政府は、誰のために動いているのか。少なくとも国民ではないでしょ」
「本当に少子化に悩んでる国なのか。むしろ、子どもを減らして国じまいでもするつもりだろうか」

様々な考えが思い浮かびました。

著者は、性産業について詳しいですが、
福祉の事業をやったことがあったため、
そちらの事情にも詳しかったです。

介護や保育業界や、
図書館司書などの官製ワープアについて
厳しい現状を指摘。
「他の仕事を探しなさい」とまで勧めてます。

あとがきに、取材を受けた女性たちのその後が
明かされました。3人の方から返ってきたそうです。

特に印象に残ったのは、
東大の大学院出身の臨床心理士のシングルマザー。
天下り団体の元職場から酷いパワハラを受けて、
身体障害者になってしまいました。
仕事上やむを得ずペーパー離婚をした際に、
「ショックだ」と夫が去っていきました。

驚いたのは、ひとり親の手当と障害者手当が同時に支給を受けられないことです。
障害者になったのを理由に、雇用保険の返還も求められたため、未だに続けてるそうです。
それでも、論文を出版社に送ったり、国や行政相手にロビイングをしているのに、私も驚かされました。

「私ができることは何だろうか」
そう考えさせられました。

以上、ちえでした。
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