🌿司法書士ママの登記コラム⑯ 子どもと親の相続の分け方(法定相続分)
夜の図書館で、みんなが囲んでいた「月のケーキ」。
ふわりと光るそのケーキを使って、フクロウ教授は
相続のときの“分け方の数字を教えてくれました。
法律の世界では、この数字を
法定相続分(ほうていそうぞくぶん) と呼びます。
今日はそのお話を、
司法書士ママの目線で少しだけ解説してみますね😊
🍰法定相続分って何?
相続では、本来、
相続人どうしの話し合い(遺産分割協議)で分け方を決めることができます。
たとえば
・家は配偶者が相続する
・預金は子どもたちで分ける
など、自由に決めることができます。
そのときに参考になるのが、
法律で決められている割合です。
これが 法定相続分 です。
この割合は
・家庭裁判所の調停や審判の基準
・相続人どうしが話し合うときの目安
として使われます。
💍配偶者はいつも相続人
まずは、その基準を考えるうえでの「基本のルール」です😊
ここで一つ大切なポイントがあります。
相続では、配偶者は常に相続人になります。
ただし、配偶者だけで相続人になるわけではなく、
子・親・兄弟姉妹のいずれかと
いっしょに相続人になるのが特徴です。
そして、
・子ども
・親(直系尊属)
・兄弟姉妹
の順番で、
誰が一緒に相続人になるかが決まります。
そのため相続は、
「配偶者+誰が相続人になるか」
という形で考えていきます。
👨👩👧第一順位:子どもがいる場合
では、もっとも多いケースから見ていきましょう。
亡くなった方に 子どもがいる場合、
相続人は
・配偶者
・子ども
になります。
このときの割合は
配偶者 1/2
子ども 1/2
です。
子どもが複数いる場合は
子ども全体で1/2を人数で分けます。
例)
子どもが2人
配偶者 1/2
子ども 1/4
子ども 1/4
子どもが3人
配偶者 1/2
子ども 1/6
子ども 1/6
子ども 1/6
になります。
👶亡くなった子の代わりに孫が相続することも
もし子どものうちの一人が
相続開始のときにすでに亡くなっている場合、
その人の取り分は
**その子ども(つまり孫)**が受け継ぎます。
これを
代襲相続(だいしゅうそうぞく)
といいます。
例えば
配偶者
子どもA
子どもB(すでに亡くなっている)
という場合で、
子どもBに子ども(孫)が2人いたとすると
配偶者 1/2
子どもA 1/4
孫C 1/8
孫D 1/8
という形になります。
ここで大切なのは
亡くなった子の取り分だけを、その子どもたちが分ける
という点です。
🌿第二順位:子どもがいない場合
では、子どもがいない場合はどうなるのでしょうか。
もし亡くなった方に
子どもがいない場合、
相続人は
・配偶者
・父母などの直系尊属
になります。
このときの割合は
配偶者 2/3
直系尊属 1/3
です。
父母が両方生きている場合は
父 1/6
母 1/6
になります。
父母が亡くなっている場合は、
その 1/3 は 祖父母へ進みます。
さらに祖父母も亡くなっている場合は、
相続は 曽祖父母など、さらに上の世代へ進むこともあります。
大切なのは
割合は変わらず、行き先だけが上の世代へ進む
という仕組みです。
📜実務では戸籍で確認します
こうした相続関係を、実際にはどのように確認するのでしょうか。
実際の相続手続きでは、
この相続関係を 戸籍で確認します。
特に第二順位の場合は
・父母が生きているか
・祖父母が相続人になるか
などを確認するため、
・生きている人 → 現在の戸籍
・亡くなっている人 → 死亡の記載がある戸籍(除籍など)
をそろえていきます。
こうして
親 → 祖父母 → さらに上の世代
へと、
相続関係を順番に確認していきます。
📝司法書士ママの登記実務ワンポイント
ここからは、司法書士としての実務のお話を少しだけ😊
相続登記では、
法定相続分どおりで登記申請をすることも可能です。
この場合は
✔ 遺産分割協議書は不要
✔ 相続人の一人が代表して申請可能
で、代表者が
相続人全員分の登記を申請することができます。
ただし、この方法には注意点があります。
代表者が申請した場合、
登記識別情報(いわゆる権利証)は代表者にしか発行されません。
他の相続人には権利証がないため、
将来その不動産を
・売却する
・抵当権を設定する
といった場合には、
別途手続きが必要になることがあります。
また、法定相続分で登記をすると
不動産が 共有名義 になることも多くなります。
共有不動産では
・売却
・抵当権設定
・大きな処分
などを行うときには
共有者全員の同意が必要になります。
そのため実務では、
可能であれば不動産は誰か一人の名義にまとめる方が、
後々の手続きはスムーズになる
ことも多いです。
なお、いったん 法定相続分で登記をしたあとでも、
その後に遺産分割協議が整えば
「遺産分割」を原因として、
協議内容どおりの登記をあらためて申請することも可能です。
実際のご相談では
配偶者と子どもが相続人になるケースがとても多く、
・法定相続分のまま共有にするのか
・遺産分割で一人の名義にするのか
という点を、家族で話し合って決めることになります。
どちらの方法も可能ですが、
将来の売却や手続きのしやすさを考えると、
不動産は一人の名義にしておく方が
手続きがシンプルになることも多い
というのが、司法書士として感じる実務の感覚です。
実際に手続きを行う際には、
「あとで困らない形」を意識して
分け方を考えることが大切です。
🌸 ママのひとこと
法定相続分は、
あくまで 法律が示している目安。
本当に大切なのは、
「その家族にとって、いちばん納得できる分け方」
なのだと思います😊
📘今回の登記コラムに対応する相続学校はこちら👇
👉🌙相続学校Ⅱ‐8 法定相続分①~ 月のケーキと法定相続分のお話~
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👉🌿司法書士ママの登記コラム⑮ 相続の戸籍は、どこから読めばいい?―日付と出来事を手がかりに、一人ずつたどるという考え方ー
📚次回の登記コラムはこちら👇
👉🌿司法書士ママの登記コラム⑰ 兄弟姉妹の法定相続分 ― 戸籍調査と相続のしくみ
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🌿司法書士ママ|みか
平成19年司法書士試験合格。
売買・相続などの不動産登記や会社・法人登記に15年以上たずさわっています。
家族の物語とともに、法律を“絵本のようにやさしく”お届けしていきます🍃
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