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第二話 この世界のきまりと魔法のレストラン

📘 はじめて読む方へ

このお話は、
子どもが働く体験のできる
こどものくにを舞台にした物語です。
※シリーズのつづきになります。

前回のお話はこちら👇
👉 第一話 ― 駄菓子屋と、夜の招待状 ―

📚 こどものくにシリーズ一覧はこちら
👉🏰こどものくに(やさしい法律教室シリーズ内)


門のそばにあった
車にのりこんだはるきは、
小さなお菓子の家に
到着しました。

その家の前には、
「はるき」と書かれた、
チョコレートの表札がかかっていました。

「……ここが、ぼくの家?」

はるきは、
そっと家の中に入ってみます。

お菓子の家の中は、
あまいにおいがして、
どこか落ち着く場所でした。

中には、
小さな机と椅子。
そして、
小さなベッドがあります。

はるきはベッドに腰かけて、
さっき受け取った手紙の続きを
読んでみることにしました。


『まずは、
 この世界の きまりを
 しってください』

〈この世界の きまり〉

・ここは、「こどものくに」です

・ここは、あなたの家です

・2日に1回くらい、
 ポストに お仕事の手紙が とどきます

・お仕事へは、
 あなたの車が つれていってくれます

・その日のお仕事を おわらせると、
 コインが 1まい もらえます

・お仕事の内容は えらべません

・ここでは、
 食べたり飲んだりしなくても
 だいじょうぶ

・けれど、コインを使って、
 好きなものを 食べたり、
 買ったりすることができます

・コインで、
 ガチャガチャを 回すことができます

・コインで、
 新しい家や車を
 買うことができます

・そのときは、
 今までの家や車を
 売ることができます


 あとは、
 たいけんしてみてください


それだけ。

どうすればいいのかも、
この世界が
どんなところなのかも、
まだ、よく分かりません。

はるきは、
手紙をそっとしまいました。

「……見に行ってみよう」

そう思ったとき。

はるきは、さっき受け取った青いパスポートのことを思い出しました。

――そういえば、あれは、どこにやったかな?

ポケットに手を入れると、指先に、ちいさくて、かたいものが触れました。

取り出してみると、それは――

さっき受け取ったパスポートが、
手のひらにすっぽり収まる、
小さなカードほどの大きさになっていたのです。

「……ちいさくなってる」

でも、表紙の青い色は、そのまま。

よく見ると、青い空の中を、
白い雲が、ゆっくりと流れていきます。

その瞬間。

さらり、と風が吹いたように、カードが淡く光りました。

すると、はるきの手の中で、ふわっと広がり――
受け取った時と同じ、あのノートの大きさに戻ったのです。

ふいにノートがポケットに触れると、
ノートは、また、すっと小さくなり、
まるで「ここだよ」と言うみたいに、
ポケットの中におさまりました。

ポケットに触れると小さくなり、
取り出すと、ちゃんと読める大きさになる。

このパスポートは、
はるきのそばに、いつもあるものみたい。


外に出ると、
世界は、思っていたより
ずっと広くて、
明るくて、
にぎやかでした。

大きな公園があって、
すべり台やブランコで、
こどもたちが遊んでいます。

そのまわりには、
たくさんのお店。

お菓子屋さん。
ごはん屋さん。
おもちゃ屋さん。
車屋さん。
本屋さん。

でも――

どのお店をのぞいても、
お店の人は、
だれもいません。

いるのは、
こどものおきゃくさんだけ。

はるきは、
「レストラン」と書かれた店に
入ってみることにしました。

中には、
おきゃくさんも、
お店の人も、
だれもいません。

「……どうやって、注文するんだろう?」

そう思った、そのとき。

はるきの目の前に、
小さな案内板が現れました。


食べたいものを
カウンターに向かって
言ってください。

どんなものでも
コイン 1まいです。

コインは
カウンターに おいてください。


はるきは、
小さな声で
「カレーライス」
と言い、
カウンターに
コインを一まい、置いてみました。

コインは、
手品のように、
すっと消えました。

すると――

誰もいないはずなのに、
包丁が、
トントン、と音を立てて
野菜を切り、

フライパンが、
ジュージューと
お肉を焼き、

おなべが、
コトコト、
音を立てはじめました。

スパイスの
いいにおいが、
あたり一面に広がります。

ぽん。

出来立てのカレーが、
はるきの前に、
すっと置かれました。

とってもおいしくて、
はるきは、
夢中で食べました。

こんなにおいしいカレーは、
はじめてです。

なんだか、すごく不思議な世界。

でも、
なぜだか、
こわい気持ちは
ぜんぜんありませんでした。


はるきは、
カレーを食べ終えて、
さらに街を歩いてみました。

すると――

街のあちこちに、
ガチャガチャの台が
たくさん並んでいます。

小さいもの。
大きいもの。

数えきれないほどあって、
たくさんのこどもたちが、
楽しそうに回しています。

公園のそばにも、
お店の前にも、
道ばたにも。

そして、
はるきの家と
そっくりなお菓子の家も、
あちこちにありました。

同じようで、
少しずつ、ちがう家。

「ここに、
 ぼくと同じように
 たくさんの子が
 来ているのかな……」

そう思った、そのとき。

目の前を、
とても大きな車が
走っていきました。

ぴかぴかで、
かっこいい車。

その先には、
見上げるほど大きなおうち。

お菓子の家じゃない。
まるで、
お城みたいでした。

「……すごいなぁ」

はるきは、
思わず目を丸くして、
足を止めました。

そういえば――

コインで、
ガチャを回したり、
家や車を買ったり
できるって、
書いてあったっけ。

この世界は、
思っていたより、
ずっと不思議で、
ずっと広いみたいです。


🏰前のお話はこちら👇
👉第一話 ― 駄菓子屋と、夜の招待状 ―

🏰次のお話はこちら👇
👉第三話 はじめての おしごと ― 会社を応援しよう ―


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プロフィール

🌿司法書士ママ|みか
平成19年司法書士試験合格。
売買・相続などの不動産登記や会社・法人登記に15年以上たずさわっています。
家族の物語とともに、法律を“絵本のようにやさしく”お届けしていきます🍃

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