ラーメンの味を入れ忘れられた②〜人間ターボチャージャー〜
久しぶりに食べたラーメンがこんな薄かったかな?半分食べたけどつらいぞと。
それで私の考えとしては個人的にもっと濃いのが好みなので可能であれば味を足してもらえませんか?と下手に出ようと思っていた。長いことこの店に対して一目置いていた自分に対してもリスペクトしている相手に難癖を付ける様な態度は慎みたいという気持ちがある。
一方フードコートだから本店とは似て非なるものなのかなという考えも頭の片隅によぎる。これぞ葛藤。まあとりあえず味をもうちょっともらえれば残り半分も食べられて結果としていい思い出になるんだと信じる。
店のカウンターへ行き店員さんにこう告げた。
「味が薄いので濃くしてもらえますか?」
「少々お待ち下さい」
私の丼は厨房の方へ持っていかれた。
「大盛りだったから味が薄まったとかですかね?」
店員さんがちゃんと対応してくれるかリアクションが無かったので背中に向けて話しかける。
「特製だから味が薄まって味しないんですかね!」
あー…。これは良くない兆候だ。あれだけ店へのリスペクトだとか味さえ直してくれればいいのだからと自分に言い聞かせてたのに出ている言葉が完全に怒っている人のそれになってる。
こういう時に我に返って冷静に…冷静に…と軌道修正出来るのがちゃんとした大人。ところが私は自分の言葉を聞いて俺怒ってるなと認識して火が点いた。怒ってる人(自分)の声に反応してもっと怒るというターボのような原理で怒りを増した。急速に。
こういうアウトプットがぐるっとまわってインプットに入り増幅される現象については前に書いた。
「どう考えても味おかしいから!確認してくれよ!なんか入れ忘れてんだろ!」
もう勢いついちゃってるね。止まらない。それで店員さんは作り直しますと。ブザーを渡された。これがまた気に食わなくなってる。
「なんだよブザーあるなら普段から使えよ!ここのモニターに番号出るの立って待つ必要無いだろ!?」
あらら言いがかりつけ始めちゃったよ。一旦席に戻り待つ。さっき食べる前にウキウキしながら撮った写真を見る。あんなに楽しみにしていたのに今の状況は何だよ?
程なくしてブザーが鳴り取りに行くと愕然とした。スープに黒いマー油がかかっている。色が完全に違う!さっきのマー油忘れてただろ!
「さっきこんな黒くかかってなかったぞ!どうなってんだ!?」
再点火だ。アフターバーナー…。
「マー油です」
「分かってるわ!なんでさっきマー油抜きにした?そんな希望言ってないよな!?マー油が売りのラーメンでマー油抜くってどういう意味だ!!」
再々点火。アフターバーナーII…。
それでフードコートの自席まではるばる丼持って歩いて座って食べてまた味がどうかしてたらしんどいという考えで店のカウンターでレンゲを取って味見した。お行儀が悪いね。
そしたらマー油がかかったそのスープの旨さが脳に直撃した。ここまで辿り着くまでの苦労や味が無かった事への憤りや作り直してもらいこの旨さを提供してくれた店へのリスペクトがまた沸き起こりもう感情が混乱している。
声が出ない。席に着きまた写真を撮り食べ始める。ああ、さっきはカレーライス頼んだのにごはんだけ出された様なものだったと。
久しぶりにまたこの極上の味に出会えたと食べ進む。あれ?食べにくくなってきたぞ?
そう、さっき半分大盛りの特製を味無しで食べてるのだ。うわぁ…。旨いけどキツイよ!でもこんな旨いの残すわけにはいかない。もうフードコートでフードファイト!…食べきったよ。
店員さんとは顔を合わせ辛く、ぐるっと大回りして返却口に丼を返して逃げてきたのでした。
最初のと作り直し後のラーメンは全然見た目違うから。写真見せてあげたいけど店名入ってるからね。それはさすがにまずい。
それでは、デリシャス赤ちゃん!!
