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4月から、30日連続Noteを書いた。見えたのは「読者」じゃなく「自分」だった。

アウトプットの本当の価値は、誰かに届くことじゃない。自分の中にある言葉が「見つかる」ことだ。

── 人口4万人の港町で、毎日5件以上、 年間1,200件の経営の相談を受けている、荒川健生です。
前回まで、日々の相談から見えてきたことを書いてきた。 今回は少しだけ、自分自身のことについて。

4月から、Noteを毎日書くと決めた。
書き貯めはしない。
その日に書いて、その日に出す。
昨日で、ちょうど30日になった。
フォロワーは400人を超えた。
そして1つの記事に1,000を超えるスキがついた。
たくさんの方に読んでいただいて、コメントや相談もいただいた。

ありがたい。
本当に、ありがたい。
でも、この30日で一番大きかったのは、数字じゃない。


■ ネタはある。時間がない。

「毎日書くの、大変でしょう?」と聞かれることがある。

書くことがない日は、実は1日もなかった。
毎日5件以上の相談を受けている。
人に会っている数でいえば、10人を超える日も多い。
面談のたびに、気づきがある。
発見がある。
書きたいことは、溜まっていく一方だ。

問題は、ネタじゃない。時間だ。

朝から面談が続く。
合間に電話が入る。
夕方には事務作業。
気づけば、夜になっている。
会食や打ち合わせもある。

そこからパソコンを開いて、
頭の中にある「今日の気づき」を言葉にする。

正直、しんどい日はあった。
体が疲れているときに、頭はちゃんと動いてくれない。
書きたいことはあるのに、言葉が追いつかない。

たぶん、これを読んでいる事業者の方にも、同じ経験があると思う。

「発信が大事なのはわかっている。でも、日々の業務が終わらない」。
SNSを更新する時間がない。
ブログを書く余裕がない。
やりたい気持ちはあるのに、目の前の仕事に追われて後回しになる。

自分も、まったく同じだった。

■ 書き貯めない、と決めた理由

じゃあ、なぜ書き貯めなかったのか。
週末にまとめて5本書いて、毎日1本ずつ出すほうが効率はいい。

でも、それはやめた。

理由は単純だ。
書き貯めた記事には、「今日の温度」がない。

月曜日に書いた記事を木曜日に出しても、自分の中では「3日前の話」になっている。
あのとき感じた熱が、少し冷めている。
言葉の手触りが、変わっている。

その日に会った人の顔。
その日に聞いた言葉。
その日に感じた違和感。
それを、その日のうちに書く。

だから、文章の出来にはばらつきがある。
時間がなくて、荒いまま出した日もある。
でも、温度だけは毎回、ちゃんと残っている。

事業の発信も、たぶん同じだ。
完璧に仕上げた過去の話より、
今日あったことを今日の言葉で書いたほうが、人に届く。

■ 1,000スキが教えてくれたこと

昨日、ある記事に1,000を超えるスキがついた。

嬉しかった。正直に言えば、かなり嬉しかった。
でも、一番読まれた記事が、一番時間をかけた記事ではなかった。

むしろ、時間がなくて苦しんだ日の記事だった。
うまくまとまらなくて、何度も消して、
最後は「もう、このまま出そう」と思って出した記事。

飾れなかった分、言葉がそのまま残っていた。

逆に、構成をしっかり練って、
きれいに仕上げた記事は、思ったほど届かなかった。

ここに、大事なことがある。

整った文章が、人の心を動かすとは限らない。
きれいにまとまった言葉は、するっと流れていく。
引っかかりがないからだ。

少し不格好でも、書いた人の体温が残っている言葉のほうが、手が止まる。

かっこいい言葉より、体温のある言葉。
毎日書いて、自分の文章で実感した。

※思ったよりも伸びなった記事。個人的には好き。

■ 一番嬉しかったのは、数字じゃなかった

30日間で、いろいろな反応をいただいた。
スキ、コメント、シェア。どれもありがたい。

でも、一番嬉しかったのは、こういう言葉だった。

「あの記事、よかったです」。
「あの話、ずっと頭に残ってます」。

しかも、面白いことに、
みんな「刺さった記事」がばらばらだった。

ある人は、マラソンの話を覚えていた。
ある人は、名刺の話が印象に残っていると言った。

自分が「これは反応が薄いだろうな」と思って出した記事を、一番よかったと言ってくれた人もいた。

同じ30本を読んでいるのに、引っかかる場所が全員違う。

つまり、読む人の「今の状況」によって、届く言葉が変わる。
だから、どの記事が正解で、どの記事がはずれ、ということはない。

出し続けることで、どこかの誰かの「今」に届く。

そして、記事をきっかけに相談に来てくれる方もいた。
「Noteを読んで、相談してみようと思いました」。

この言葉を何度かいただいた。

記事の内容が役に立ったから、ではない。
「この人になら、話してみてもいいかもしれない」と感じてもらえた、ということだ。

つまり、記事は「情報」としてではなく、「人」として届いていた。

自分の考え方を、言葉にして出す。
それを読んで、「同じことを考えていた」と言ってくれる人がいる。
考え方を共有できる。
それが、数字よりずっと嬉しかった。

文章は、名刺よりも強い。
名刺は肩書きしか伝えない。
文章は、その人の「考え方」を伝える。

だから、読んでから来てくれた方との面談は、伝わりやすい。
そして「あの記事の、あの話ですけど」から始まる。

■ アウトプットは、インプットだった

毎日書くと決めて、一番変わったのは「書く力」じゃなかった。

「見る力」だった。

書くことがあるから、日常の解像度が上がる。
面談で聞いた一言が、引っかかるようになる。
昼に寄った定食屋のメニューの書き方が、気になるようになる。
コンビニで手に取った商品のラベルに、目が止まるようになる。

アウトプットしなければいけない状態が、インプットの質を変える。

これは、経営でも同じだ。
「発信するネタがない」と言う事業者の方は多い。でも、ネタがないのではなく、見えていないだけだ。

毎日5件の相談を受けていて、気づいたことがある。発信を始めた事業者は、自分の事業を語る言葉が変わる。

なぜか。
書くために、自分の事業を言語化しなければいけないからだ。
言語化すると、ぼんやりしていたものに輪郭が出る。 輪郭が出ると、自分でも「ここが強みだったのか」と気づく。

アウトプットは、自分を知るためのインプットだった。

■ 最後に。書くことは、自分の旗を立てること

30日前の自分に、何か一つ伝えるとしたら。

「完璧な記事なんて、いらない」。

毎日書いた30本の記事は、正直、出来にばらつきがある。
読み返すと、「もう少しこう書けたな」と思う記事もある。
特に最初の方は、すごく浅い微妙な記事もあるなと思う。

でも、30日間出し続けたこと自体が、一つの旗になった。

旗を立てると、人が来る。
来た人と話すと、新しい気づきが生まれる。
気づきを書くと、また旗が立つ。

書く → 届く → 会う → 気づく → また書く。

このサイクルが、30日で回り始めた。

もし、あなたが「発信したいけど、時間がなくて続かない」と思っているなら。

たぶん、最初の一歩は「完璧な一本」を書くことじゃない。
不格好でもいいから、今日の温度で、今日のうちに出すこと。

あなたの中にある言葉は、たぶん、もう揃っている。あとは、出すだけだ。

2カ月目も、毎日書く。
届いた言葉も、届かなかった言葉も、全部自分の旗になる。


追伸
1,000スキを超えた記事がある。30で止まった記事もある。
自分なりに、その差を毎日観察してきた。

タイトルの付け方。
サムネ・最初の3行。
読む人の頭に残る構造。

30日分の実験結果が、少し溜まってきた。

GW中にどこかで1本書く。
俗にいう攻略法的な・・・

フォローして、読んでもらえたら。
一緒に挑戦していけると嬉しいです。