見出し画像

高級ワイン、なんであんなに高いの?(フランス ボルドー)—オークション下見会で学んだこと

”本物”を見てきた。

先日、ワインオークション下見会に行ってきた。

5大シャトーがずらりと並んでいる。LatourにHaut-Brion。普段は写真でしか見ないボトルが、目の前にずらっと並んでいる。手に取れる。ラベルを間近で見られる。

「なんでこんなに高いんだろう」——そう思いながら眺めていたら、ちゃんと理由があった。今日はそれを共有したい。

まず「5大シャトー」って何?

ボルドーワインの頂点に立つ5つのシャトー(ワイン蔵)のこと。1855年、ナポレオン3世の時代に格付けされた歴史的なランキングが今も生きている。(シャトーの直訳はお城)

🍷⑴ Latour→力強い・長熟
🍷⑵ Lafite-Rothschild→繊細・エレガント
🍷⑶ Mouton-Rothschild→芸術的・個性派
🍷⑷ Margaux→華やか・女性的
🍷⑸ Haut-Brion→柔らかい・独自路線(私見です)

Lafite-Rothschild
繊細・エレガント(私見です笑)
Latour
ラベルのアイコンがかわいい!
(私見です笑)
Haut Brion
唯一のGrave地区のシャトー🍷


ここで面白いのが⑸のHaut-Brion
他の4つはメドック地区に集まっているのに、Haut-Brionだけ別の地区(グラーヴ)にある。それでも1855年の格付けで唯一の例外として1級入りした。当時からすでに別格扱いだったわけだ。

もう一つのトリビアが⑶のMouton-Rothschild。(写真取り忘れた)
実は1855年の格付けでは2級だった。それが1973年に唯一の昇格を果たして1級へ。格付けが変わったのは170年でこの一例だけ。


「高い理由」は土にある

5大シャトーのワイン、すなわち、メドック地区のワインが世界最高峰と言われる理由は土壌にある。

メドック地区にはガロンド川を起点に「Haut(上流)」と「Bas(下流)」がある。この上流側のHaut-Médocに5大シャトーが集中しているのは偶然じゃない。

なぜなら、Haut-Médoc(上流)は、土壌礫質(小石だらけ)水はけが抜群に良い。対照的に、Bas-Médoc(下流)は、粘土質で水はけがよくなく軽めのワイン向き。

小石だらけの土は、一見ブドウ栽培に向いてなさそうだが、3つの利点がある。
⑴ 水はけが良すぎて、ブドウの根が水を求めて地中深く伸びる、
⑵ 地中深くのミネラルを吸収した凝縮感のある果実になる、
⑶ 小石が日中の熱を蓄えて夜間に放熱→ブドウの熟成を助ける、
の3方良し。

「土が厳しいから良いワインができる」——これがボルドーの核心にあたる。


オークションで実物を見るメリット

正直、テキストの勉強だけではここまで腑に落ちなかったが、ボトルを手に取ったとき、ポイヤックの礫質土壌で育ったと思えるかどうかで、ワインの楽しみ方が全然変わってきた。

高級ワインに興味があるなら、オークションの下見会は無料で入れることも多いのでおすすめ。買わなくていいので、見るだけで十分に学べる。


まとめ:5大シャトーを理解する3つのポイント

① 格付けは1855年から変わっていない(例外: Mouton-Rothschild1973年昇格)
② Haut-Brionだけグラーヴにある地理的例外性
③ 高い理由は「礫質土壌×水はけ×ミネラル吸収」

ワインって、飲む前からすでに面白い。
ワインエキスパート取得へ向け勉強中。
伊藤瑠 / linkedin.com/in/luiito

いいなと思ったら応援しよう!