わたしが土だった頃
生まれた時のことは、覚えていない
土として存在して
ずっとゆっくりしている
もう、ずーーーーーーーーーっと、だ
何も不満はない
強いて言えば、大雨が続くと
表面が泥になる
湿気や水分には弱いのである
笑い事ではない
遠くの仲間たちは
湿地帯になったものもいる
そうなれば
いったいわたしはどうなってしまうのか
わたしは、わたしでなくなってしまうのだろうか
そういえば少し前から
近くの仲間たちが人間によって
掘られ運ばれ盛られて
わけられているようだ
特段、珍しくもない
ずっと前から、そうして
役に立ってきた
フッ、と
気がつくと
なんだか
わたしが前より小さくなった気がする
いや、気のせいではない
わたしは、わけられたのだ
いつの間に、という驚きはあるが
イヤではない
新しい景色が新鮮だ
わたしをここに持ってきた理由
どうやら野菜を植えるらしい
もともとは野に生えていた菜
あまり見かけなくなったが
こんな形でまた一緒になるとは菜
誰だ
キャベツか
わたしはキャベツが好きだ
根を張る植物は
土を、必要としてくれる
土壌を、豊かにしてくれる
わたしの出番がやってきたのだ
大きく
美味しくなってほしい
水分と栄養のやりとり
毎日、やる事が沢山ある
長いあいだ、土として生きて
今、とても充実している日々を過ごしている
次々と、両手で持ち上げられるキャベツ
あのキャベツはどこに行くのだろう
どんな人に食べられるのだろう
すくすくと育っては収穫される
そんなキャベツを見ていると
わたしの中にも、また違う景色がみたい
という想いがあることに気づいた
わたしも
喜ばれたい
人の中にある
もっと大きな
喜びの中に居たい
その想いが、膨らみ膨らみ
膨らんで
気づくとわたしは
畑の中にいた
画像はみんなのフォトギャラリーから
使わせて頂いております↩
広い土の景色を探していました
のんびりしてて、それでいて
気持ちのいい時間の中にいるみたいです
ntk様、ありがとうございます
↪あとがき
以前、わたしがキャベツだった頃
という話を書いた事がある
創作話を急に出すと、初めましての方に
少し変わった人かもと思われてしまいそうなので
ここに記させてもらった
(まちがっていないので
もどかしいところだ)
キャベツだった頃の話は
こちらです
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