箱根本箱で過ごす時②~東海道の粋を食す 2026-5
①の続きです。本に囲まれながら、静かに読書を満喫・・・したいところですが、どこを見ても本があるのでついキョロキョロしてしまい、なかなか集中できません。
部屋露天風呂に入ってみよう
ロビー下の階には広々とした大浴場(強羅温泉)と露天風呂(大涌谷温泉)があります。いずれも源泉掛け流し。宿泊者が少ないため、何度入ってもほかの人と会うことはなく、貸切気分で贅沢にのびのび。お湯上がりにはほてった身体を冷ますドリンクサービスも用意されています。アイスもあってハーゲンダッツ天国!

大浴場が空いているのは、各部屋にも露天風呂がついているからでしょう。
広いウッディなテラスには、椅子とテーブルもあり、お風呂上りに鳥の声を聞きながらくつろげます。

部屋の露天風呂に入りました。外にあるのでお湯は冷めてないのかな?と思いましたが、中央管理でいつでも適温になっているそうです。
ナチュラルな中にも文明の力。
こちらのお湯も美肌にいい強羅温泉です。
宿のガイド
夕食前に、希望者に宿のガイドをしてもらえるというので、参加しました。
もともと日販(日本出版販売)の保養所だったこの建物を「自遊人」がプロデュースして 、本がテーマのホテルにリニューアルしたそう。
本のプロたちの手によって、極上の人と本との出会いの場になっています。
夕食のテーマは東海道五十三次
楽しみにしていた夕食時間がやってきました。『箱根本箱』では創作ダイニングも魅力のひとつです。
2部制で、私たちが選んだ時間のお客は、9割がた外国人宿泊客でした。
インバウンドの波がこんなニッチなお宿にも!と驚きます。
お宿の人も、最近外国の方々が増えたので、洋書の蔵書を増やしたんだとか。

会場はオープンキッチンスタイルのカウンター席で、調理場でシェフが仕上げをしている様子が見えて臨場感たっぷり。
毎日新鮮な食材を見てからその日のメニューが決まるといいます。こだわりぬいた素材が厨房で料理になっていく様子を、視覚・聴覚・嗅覚で感じ、最後に触覚と味覚で味わう、五感を使った食の体験ができます。

一緒に食事をする客人は外国人ばかり。英語が飛び交います。
あれ、いま世界のどこにいるんだっけ?
料理は一皿ずつ順番に運ばれてきて、丁寧に説明してもらう、2時間かけてのディナー。
食事は「東海道五十三次」をテーマにした創作和食。相模湾や駿河湾の新鮮な魚介類や、神奈川や静岡の有機野菜や柑橘類といった地元の恵みがたっぷり詰まった食材を使って、料理を通じて土地の魅力を味わう、ローカルガストロノミーです。

メニューはどれも凝ったタイトルで、東海道のストーリーを感じさせるものばかりでした。
・祝杯
・職人の意地
・きのこ民族
・小鍋膳立て
・天然食材ハンター
・文明開化の味
・天下の険
・藤沢宿の名物
・上方下りもの

1品目は「祝杯」という名前でやってきたスープ。いろいろな野菜の根っこや葉っぱ、皮といった廃棄部分の旨味が凝縮されていました。









一品一品が、どれも身体にしみわたるいいお味でした。
夜のラウンジ
食後、部屋でまったりしてから、ラウンジに行きました。
和ハーブのティーパッグやクッキーやサンザシが置いてあります。

大窓の外には夜の暗さが広がっています。
もう1Fにも2Fにも読書をしている人はいません。

夜になると、建物全体が一層の静けさにつつまれます。
映画のセットの中にいるような気分になります。

本棚がいたるところにあると、通販で本を探す時にはできない、思わぬ本との出会いがあります。ぱらぱらとページをめくり、気まぐれに好きな箇所だけを読んでみることは、ネットではできない楽しさです。
ここにはたくさん本があって、とても一冊ずつを追いきれません。本が持つひとつひとつ異なる世界がこんなにもあるんだなあと思うと、視野が広がる気がします。
こんな本を読みました

旅人モードでいるからか、やはり旅のコーナーに引き寄せられます。
『世界の「住所」の物語』と『地図の博物図鑑』と『行った気になる世界遺産』を読みました。
『行った気になる世界遺産』は俳優の鈴木亮平さんの書いたエッセイ。
タイトルの通り、彼が行ったことがないの各地の世界遺産の探訪記をノリノリで書いています。挿絵もすべて自分が描いたという凝りよう。
本一冊全てが彼の妄想の凝縮だなんて。あんなにストイックに完璧な役作りをこなすのに、実はおもしろい人なんだなあとわかって、ゆかいな気持ちになりました。
本とともに夜は更けていきます。
<その③につづく>
