リラの花咲く島のこと
ごあいさつ
こんにちは。
昨日の記事の続きです。
昨日書いたこと
まず、私がいま書いている
SFロボット戦記物小説
「白銀の騎士3 <破戒への調べ>」
のご紹介からでした。
今、まさに書いているシーン。
それは、主人公が心の癒しを求めて
植物園を散策しているところです。
この植物園のある一画で、
主人公が「どこか懐かしさを感じる」
情景を描きたいと思いつきました。
主人公はおそらく欧米系です。
その彼が感じるであろう
「懐かしさをおぼえる風景」とは?
ここで、
イーデス・ハンソンさんの
自然な日本語で書かれたエッセイを
読んだことを思いだしました。
「自然な日本語」というフィルターを通すことで、
本来なら体感することが難しい
「西洋人の情緒的な風景」にも、
こうしてアクセスすることができるのです。
では、日本語しか書けない私が
日本語を使って
「西洋人が『懐かしさ』をおぼえる風景」を
描くこともできるのでは…?
うん、きっとできる。
…というところまで
書きました。
だいぶ、はしょってますが。
詳しくは昨日の記事をご覧ください。
主人公の「原風景」は
では、具体的に
どこを参考にしたらいいのでしょう?
私が想定した
主人公の「原風景」は…
そうですね、北米大陸の
緑豊かな地域がいいかもしれません。
それはあるいは、
ターシャ・テューダーさんの庭のようで
あるかもしれない。
それと、昔に映画で見た
「赤毛のアン」の世界…
あんな風景であるかもしれない。
そう思って、
写真の豊富な参考資料を
用意しました。
そして、母の書棚から発掘した
一冊の雑誌です。

あとはネット検索ですね。
5月下旬から6月初旬に
咲く花を調べて、
いろいろ考えたりしました。
「赤毛のアン」の世界
いちばん参考にしたのは
先ほどあげた雑誌のグラビアです。
そう、あの有名なカナダの島、
プリンス・アルバ―…
うわ失礼。
大変な間違いをするところでした。
こういうところに日頃の品性が出るんだね。
もとい、
プリンス・エドワード島です。
この雑誌には、
タイムリーにも「6月初旬」に
取材した「野の花通信」という
記事がありまして。
この季節にこの島で咲く花を
豊富な写真で紹介していたのです。
ちょうど、奇しくも
私の小説の舞台も「6月初旬」。
すごい偶然です。
そんなわけで、この雑誌は
とても参考にさせていただきました。
リラの花咲く島
あと、
プリンス・エドワード島はですね。
映画「赤毛のアン」も観たし、
岩合さんの「世界ネコ歩き」でも観たので、
私の中に映像のストックがある、
というのも決め手になりました。
6月初旬…この季節は、
ちょうどライラックの花盛りです。
先ほどの雑誌にも
たくさんの写真がありましたし、
ターシャさんの庭にもありました。
ライラックは、
「リラの花」という呼ばれかたもします。
フランス語でライラックを
「リラ」と呼ぶからです。
実際の表現ですが
さあ、材料はそろいました。
これをどう「日本語」で料理するか。
主人公の「原風景」、
郷愁を呼び起こす言葉を
つづりたいですね。
リラの花咲く丘には、
白詰草の可憐な花が・・・
とか、やると思いましたか?
残念!
これをやっちゃうと、
一部の日本人には刺さるかもしれないけど、
私の思う「表現」からは
かけ離れてしまうのです。
「リラの花」はいい言葉ですが、
ここではあえて、
英語読みの「ライラック」という単語を使います。
主人公が「英語話者」
(というか、この世界の共通語が英語)
という設定だからです。
「シロツメクサ」も情緒のある日本語ですが、
同じく英語では一般的な「クローバー」を使います。
それと、もうひとつ
印象的な花を出します。
それは「クラブアップル」です。
リンゴに似た花で、
これもちょうど6月あたりに
花の見ごろを迎えます。
日本ではなじみが薄いですが、
「姫リンゴ」という名で呼ばれたりもします。
作品の中では
主人公は、
「ライラック」や「クラブアップル」という
花(木)の名を知りません。
なのに、どことなく郷愁をおぼえるのです。
ここが、描写の腕の
見せどころだと思っています。
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