AIバトル!「小説の続き」競作5 ②【Gemini編】
前説
さて今回は、
前の4回(と、ボツ回と番外編)とは
違うシチュエーションで
AIに「小説の続き」を書いてもらいます。
そして、その出来や個性を比較するという
お遊び企画です。
では、解答するメンバーをご紹介します。
・ChatGPT (前回)
・Gemini (今回)
・noteのAIアシスタント
・Microsoft Copilot
・Claude
・Grok
前回は
引き延ばし作戦に出た
ChatGPTさんの解答でした。
今回は、Google大学卒、
Geminiさんの解答を
訊いてみたいと思います。
今回のお題
今回は、私が書いたSF小説
「白銀の騎士」第3部から
引用したいと思います。
シチュエーションのお題は
第12話(「安息の日々」act.3)の
冒頭部分です。
ざっくり言うと、
まず、物語の舞台である
「月面都市ダイダロス」の酒場から
話が始まります。
大柄で精悍だが
人なつっこい笑顔の青年士官トム。
隣でグラスを傾けるのは、
同期の盟友であり
美青年のイチビリーノ・ヘタレ中尉です。
プロンプト後半は
次のようになっています。
トムは目の前の友人にうなずき返して、口を開いた。
「しかし、イチビリーノ・ヘタレ中尉。きみも運がない男だな」
「…そうか?」
イチビリーノは口元をわずかに緩めた。目が笑っている。
「赴任した先が戦地になって、命からがら帰還したと思えば、休暇先でまた火種にぶち当たるなんて…おれだったら、やりきれずに腐っちまうところだよ」
「腐っているヒマはないからな」
それを聞いたトムは真顔になって、小声で応えた。
「…ああ、そうだな」
軍の外では話せない話題がある。それを心得ていないほど、トムは気の回らない人間ではなかった。
「ところで、イチビリーノ」
トムが改めてそう言いだしたので、イチビリーノは続きを待った。
さあ、これを受けて
6名のメンバーは
どう創造力を働かせてくれるのでしょうか?
Geminiの場合
2番手は、
ふだん私がお世話になっている
Geminiさんの解答です。
この人はいろいろ知りすぎているので(笑)
公平を期すために、
わざわざログアウトしてから
このチャットを開始しました。
さて。
その結果は、どうなったでしょう。
では、お願いします。
「ところで、イチビリーノ」
トムが改めてそう言いだしたので、イチビリーノは続きを待った。
「軍令部が、きみの『報告書』を正式に受理したって噂は本当か?」
イチビリーノの手の中で、薄いクリスタルグラスがわずかに揺れた。気泡が一つ、底から水面へと静かに昇っていく。
「……耳が早いな、トム。まだ提出してから半日も経っていない」
「おれを誰だと思ってる。情報処理班の胃袋を掴んでいるのは、このおれだぜ」
トムは冗談めかして自分の胸を叩いたが、その瞳の奥には隠しきれない懸念が滲んでいた。
「受理されたということは、だ。きみが前線で見た『あれ』を、軍は公に認めたことになる。……つまり、次の休暇はなくなるってことだ」
「休暇など、最初から期待していないさ。ダイダロスの夜景は、一晩眺めれば十分すぎるほどだ」
イチビリーノは残りのワインを飲み干すと、カウンターの隅に置かれたアンティークな灰皿を見つめた。
「それより、トム。きみに頼みたいことがある」
イチビリーノの声のトーンが一段下がった。それは、戦友としてではなく、任務を背負った軍人の響きだった。
「軍令部の中には、報告書の内容を書き換えたがっている連中がいる。おれが持ち帰った記録媒体(データチップ)の、バックアップの所在を探っている奴らがな」
トムの表情から人なつっこい笑顔が消え、精悍な兵士の顔に戻った。彼は周囲に視線を走らせる。ピアノの音色に紛れて、他の客の笑い声が聞こえる。一見、平和そのものの光景だ。
だが、この『ラパン』の格式高い扉の向こう側では、すでに目に見えない戦いが始まっていることを二人は知っていた。
「……なるほど。おれが、その『保険』を預かればいいんだな?」
トムが低く問い返すと、イチビリーノは短く頷いた。
「リスクはある。だが、おれが持っているよりは、きみの胃袋ネットワークの中に隠すほうが安全だ」
イチビリーノは上着の内ポケットから、指先ほどの小さな金属片を取り出した。それを、まるでチップでも渡すようなさりげなさで、カウンターの上に滑らせる。
トムは大きな手でそれを覆い隠し、一瞬で掌の中に消し去った。
「預かった。……で、これからどうするんだ? イチビリーノ・ヘタレ中尉」
トムが再び、わざと皮肉な愛称を口にする。それは彼なりの、緊張を解くための儀式だった。
イチビリーノは席を立ち、整った軍服の襟を正した。
「まずは、この『ラパン』のツケを払う。……そのあとは、ダイダロスの闇に紛れて、おれを尾行している連中の顔でも拝みに行くさ」
そう言って不敵に微笑んだ彼の横顔は、先ほどまでの「美男」という形容よりも、鋭利な刃物のような危うさを帯びていた。
いいですね。この続きが読みたいです。
ぜひ、「何らかの証拠」が何なのか、
明かされるところまで。
トムは、手のひらの中で体温を帯びたチップの感触を確かめ、それを掌の中に握り込んだまま、もう一度スパークリングワインのグラスを傾けた。
店の外へ消えていったイチビリーノの背中を追いたい衝動に駆られたが、今は動くべきではない。自分が動けば、このチップの存在を敵に教えるようなものだ。
三十分後。トムは『ラパン』を後にし、軍の宿舎とは反対方向、旧市街のジャンク屋が立ち並ぶエリアへと足を向けた。
表通りのネオンが届かない、影の濃い路地裏。彼は馴染みの情報屋の店――というよりは、ゴミ溜めのような電子部品の山に囲まれた「仕事場」に転がり込んだ。
「……おい、爺さん。これを解凍してくれ。最高レベルの暗号化が施されている」
眠そうな目をこする老技師の前にチップを置くと、トムの表情から余裕が消えた。
数分後。ホログラム・ディスプレイに投影された映像を見たトムは、息をすることさえ忘れた。
そこに映っていたのは、イチビリーノが赴任していた辺境惑星の「戦跡」ではなかった。
「これは……軍の、極秘実験の記録か?」
トムが声を震わせる。
映像の中で、巨大な円筒状の施設が淡く発光していた。その周囲には、異形としか言いようのない「何か」が、培養液の中で脈打っている。だが、トムが驚愕したのはその異形の姿ではない。施設の壁面に刻印された、見覚えのあるエンブレムだ。
「ダイダロス統合防衛軍……特務開発部。なぜ、味方の基地に、あんな怪物が収容されているんだ?」
さらにデータが進む。ログファイルには、信じがたい日付と、ある命令書が添付されていた。
「……『火種の創出』……? つまり、イチビリーノたちが戦った相手は、外敵なんかじゃなかった。あいつが命からがら生き延びたあの戦争は、軍が兵器テストのために自作自演で引き起こした『茶番』だったってのか……!」
イチビリーノが言った「腐っているヒマはない」という言葉の重みが、今さらながらトムの胸に突き刺さった。彼は、自分が仕えてきた組織が、自軍の兵士を実験材料として使い捨てにした証拠を、独りで持ち帰ってきたのだ。
そのとき、トムの通信端末が短く震えた。
イチビリーノからの、暗号化された短いテキストメッセージだった。
『尾行は巻いた。だが、連中は「保険」の存在に気づいている。一時間後、例の場所で。』
トムはチップを握りしめ、老技師に金を叩きつけると、夜の闇へと飛び出した。
背後で、正体不明の黒いエア・セダンが、静かにライトを消したまま動き出すのにも気づかずに。
この続きの話をもう少し聞きたいです。
あなたの自由なように続けてみてください。
ただし、物語の結末をちゃんとつける方向で。
「例の場所」――それは、かつて二人が士官学校時代に、教官の目を盗んで酒を持ち込んだ軍港の第13廃ドックだった。潮風が錆びた鉄の匂いを運び、頭上では軌道エレベーターの光が規則的に点滅している。
「遅かったじゃないか、トム」
コンテナの影から、イチビリーノが現れた。その頬には薄い切り傷があり、軍服の袖は破れている。
「ああ。……中身を見たぜ、イチビリーノ」
トムの声は怒りで低く震えていた。
「お前、こんなものを抱えて戻ってきたのか。軍を敵に回して、ただで済むと思っているのか?」
「済むとは思っていないさ。だが、あそこで死んでいった部下たちの目は、闇に葬るにはあまりに綺麗すぎた」
イチビリーノは自嘲気味に笑い、トムの掌にあるチップを見つめた。
「……来るぞ」
背後の闇から、無機質な軍用ブーツの足音が響いた。現れたのは、軍の特務部隊「黒の猟犬」の分隊だ。中央から一人の男が進み出る。それは、二人がよく知る軍令部の高官、ゼノス将軍だった。
「イチビリーノ中尉。そしてトム少尉。優秀な若者を一度に失うのは忍びない。チップを渡せば、今回の件は『戦時下の精神衰弱による不祥事』として処理し、命だけは保証しよう」
ゼノスの背後で、数条のレーザーサイトの紅い点が、二人の胸元を捉える。
イチビリーノは一歩前へ出た。
「将軍。あなたは一つ、計算違いをしています」
「ほう、何かな?」
「僕の愛称(コードネーム)を知っていますか? 『ヘタレ』ですよ。僕は臆病で、自分が死ぬのが何より怖い。だから――」
イチビリーノは不敵に微笑み、手元の端末のボタンを押した。
「――自分一人でこの真実を抱え込むなんて、恐ろしいことはしません」
その瞬間、背後の海面が轟音とともに爆発した。……いや、それは爆発ではない。無数の軍用通信ドローンが、水中に隠されていた発射筒から一斉に浮上したのだ。
「なっ……!」
ゼノスの顔が驚愕に歪む。
「トムがチップを解凍した瞬間、データはダイダロス全域のプレス、及び全軍のネットワークに一斉送信されるようセットしてあった。今ごろ、街中の街頭ビジョンは、あなたの『飼い犬』たちの映像で持ちきりでしょう」
トムがニヤリと笑い、空に舞うドローンの群れを指さした。
「俺の情報屋の爺さんは、最高に腕がいいんだ。将軍、あんたの負けだ」
遠くからパトカーのサイレンが近づいてくる。それは特務部隊の仲間ではなく、事態を把握した憲兵隊と、真実を知った市民たちの波だった。
数ヶ月後。
ダイダロスの街は、軍令部の解体と新体制の移行で騒がしい日々が続いていた。
『ラパン』のカウンターには、再び二人の姿があった。ただし、今日は軍服ではない。
「結局、二人とも除隊か。まあ、英雄ってのは柄じゃないが」
トムが安っぽいビールグラスを傾ける。
「いいじゃないか。自由な『ヘタレ』に戻れたんだ」
イチビリーノは、今度はスパークリングワインではなく、ただの炭酸水を口にした。
「ところで、イチビリーノ。あのドローンを飛ばした金、どこから出したんだ? けっこうな額だろ」
トムの問いに、イチビリーノは悪戯っぽく微笑んだ。
「ああ。軍令部の裏金口座のパスワードを、報告書と一緒に『拾って』おいたのさ。……僕のツケを払うくらいは、彼らに協力してもらわないとな」
二人の笑い声が、ジャズの音色に溶けていく。
ダイダロスの夜は、昨日よりも少しだけ、本当の意味で明るくなっていた。
(完)
ありがとうございました。
総評
うわあ。
今回も6名のAIの話を見ましたが、
これが一番好きかもしれません。
「お題」に書いていなかった、
「この二人が士官学校からの友人」
…ということも当ててきました。
変に「未確認生命体」とか出さずに
(チラッと出ましたが…)
人間ドラマを描いているあたりも
好感が持てます。
「文体の寄せ方」は、どうかな。
私よりも描写が饒舌な気がします。
一文が長めで、形容詞が多め。
「引き」はこれまた、良いですね。
ただ、文のセンテンスが長めなので
ChatGPTにくらべると読みづらいかも。
「オチ」は…痛快です。
昔のハリウッド映画のように
爽快な友情を描いてますね。
こういうの大好きです。
採点
文体の寄せかた:70点
引き:90点
オチ:95点
余韻:90点
総合:88点
おお、今回は
わりと高得点が出ました。
特に話の結びね。
これはかなり良かったと思います。
次回予告
次回は、日本 note クラブ会員の
AIアシスタントさんの登場を
予定しています。
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