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「偽文士日碌」読書マラソン【後編】

ごあいさつ

昨日の続き、
50時間耐久 読書マラソンの後編です。

再度ご説明しますと…

筒井康隆さんのWebサイト
「笑犬楼大通り」が
2024年12月31日いっぱいで
公開終了となりました。

私がそれを知ったのが
12月29日の夜。

サイトに載っているWeb日記
「偽文士日碌」だけでも
読んでおけないものか。

そう思って読みはじめたのが
運の尽き。

それから50時間にわたって
全1,353ページの作品と
格闘することになるのですが…。

という「読書マラソン」の顛末を、
私がX(旧Twitter)に投稿した
記事の引用でご紹介しています。

今日は徹夜2日目、
12月30日の夜更けからの
読書記録です。


おことわり

投稿した記事は
「引用」スタイルにしています。
それに対する地の文は、
現在から振り返った感想です。

記事の文章は
ほぼ原文のままですが、
読みやすくするために
ところどころ改行を加えています。

毎回、記事冒頭に
「#筒井康隆 @TsutsuiYasutaka さんの
 Web日記」
と原文では説明書きがあるのを、
記事によっては省略しています。

あと、「頁」という漢字は
「ページ」と読みます。
普段は使わない字ですが、
Twitterは字数制限があるので
やむなく使っています。


2024年 12月30日

21時35分

「偽文士日碌」読書マラソン、
2013年分まで読了したので小休憩。

723頁読んで、あと640頁ほど。
ようやく折り返しを越えた。

現在ではすでに鬼籍に入った人が
本文中で生き生きと登場し、
もうその先を知っている身からすれば、
懐かしくも複雑な気持ちになるなど。

(返信)21時35分

できれば徹夜はしたくないが、このペースだと夜が明ける。と思って先ほど開けたモンスターエナジーを飲みながら読んでいる。
なんで公開終了なんて、と文句のひとつも言いたくなるが、九十歳を越えた老作家の引き際について元・熱狂的ファンがとやかく言える筋合いもなく。
ただ粛々と読み進めるのみ。

振り返り:

ここからが完徹の
連続2夜目に突入します。

当時のツイート(上記記事)が
なにより雄弁に
状況を語っています。

この夜から31日にかけて、
コーヒーを何杯飲んだか…
モンスターエナジーを
何本空けたか、憶えていません。

よい子はまねをしては
いけませんよ。


2024年 12月31日

6時39分

「偽文士日碌」読書マラソン、
2016年分まで読了。

やっと1000頁を越え、あと345頁。
疲れた。

「真田丸」筒井さんも観ていたんだなあ、と思う。
傘寿を越えた作家の精力的な活動に驚く。
著名人の訃報が続く。
まだ、いちばん悲しい訃報の箇所には達していない。

振り返り:

いよいよ公開終了まで
18時間を切りました。

この日は出かける予定もあるので
いろいろと終わっています。

「いちばん悲しい訃報」とは
筒井さんの長男である
伸輔さん(2020年没)のことです。


8時35分

「偽文士日碌」読書マラソン、
2017年分まで読了。
あっ。例の問題になった箇所、この年だったか。

1090頁を越え、あと260頁ほど。

記事にある私が見知らない作家の名をWebで調べたり、YouTubeで作中の歌を視聴したりしながら読むので、なかなかはかどらない。

振り返り:

「問題になった箇所」とは
筒井さんが「従軍慰安婦の像」に
言及して、大炎上した部分です。


9時09分

「偽文士日碌」読書マラソン、
これから出かけるので一旦中断します。
できらば移動中スマホで少しでも読むつもり。

振り返り:

「できらば」⇒「できれば」ですね。
誤字にも焦りがうかがえます。


17時03分

「偽文士日碌」読書マラソン、
帰宅したので再開。

電車内にてスマホで読み継ぎ、
2019年8月分まで読了。

現在1227頁、残り126頁。

よし、いける。紅白見られそう。
完徹からの外出は20年以上ぶり。
カフェインによって人格を保っており、
もはや目が血走っている。

振り返り:

ようやくゴールが見えてきました。
しかし、完徹2日目というのは
本当にきつかったです。


17時25分

2019年10月10日付の日碌に、筒井さんのスタンスが見事にまとめられている。
この方は昔からこうだったし、現在に至るまでいっさいブレていない。
(とか覚書を残しても、あと数時間で「偽文士日碌」本文はもう閲覧できなくなるんですがね)

振り返り:

このページだけは
よほど感銘を受けたらしく
スクショをして残しています。

2019年の国際芸術祭
「あいちトリエンナーレ2019」で
一時中止となった
「表現の不自由展・その後」についての
言及です。

「こんなものは政治的でもなければ論争的でもない。展示物がこれでは、深い論争はできまい。対立する相手は政治ではないだろう。」
と畳みかけて斬ってみせ、続いて
「こうした展示物が展示されているということは、表現は自由だということだ。」
と現実を鋭く突いて皮肉るあたり、
筒井節が炸裂しています。

また、
「時には卑猥であったり残虐であったり風刺であったりした」
ゆえに
「昔から展示することができなかった」
多くのアートや文芸を引き合いに出し、
「いかに良識の皮を被った罵り声が芸術的思考を侵食しているか」
という嘆きは、デビュー当初から
変わらぬスタンスを保っています。


19時38分

「偽文士日碌」読書マラソン、
夕食にていったん中断。
2021年1月分まで読了。

まずい、もう紅白が始まってしまった。

現在1317頁、あと36頁!

食後のコーヒーと鯖寿司をつまみながら再開。
変な取り合わせだが、
カフェインを摂り続けないと倒れて死んでしまう。


20時29分

#筒井康隆 @TsutsuiYasutaka さんの
Web日記「偽文士日碌」読書マラソン、
20時16分完走。

全1353頁。
29日夜から約2日間、
お付き合いありがとうございました。
なんかもうフラフラですが、
これから紅白を見てぐっすり寝ます。
おやすみなさい。

(返信)20時31分

この日碌(どころか「笑犬楼大通り」というサイト全部)が今夜で消滅するなんて、わけがわかりません。本当に惜しいです。


おわりに

昨年末の私のドタバタ劇は
いかがだったでしょうか。

大みそかの夜などはもう、
「眠い」を通り越して
気を抜くと昏倒しそうでしたが…。

それでも、この
読書マラソン最終日でも
心に残った記述があります。

2020年2月、
筒井康隆さんの息子さんである
伸輔さんが癌で逝去されました。

一度しか読んでいないし、
記憶が不確かかもしれませんが、
私の印象では、こうでした。


息子さんを看取ってから
自宅に戻っているとき、
奥さんがこう言いました。

「あの子、今ごろは寒くないかしら。
 ひもじい思いをしていないかしら」

筒井さんはこう言います。

「伸輔はもうどこにもいない。
 あの世というものもない。
 死とはそういうものだ」

奥さんは泣いてしまいます。

けれども、筒井さんは
自分の心にもない偽りを
口にすることができなかった。

…と振り返り、

妻は、もしかすると
作家である自分の答えに
慰めとなるものを
期待していたのではないか。

と思いを馳せます。

理性的であると同時に
不器用な老SF作家の人物像が、
ここに浮き立って見えてきます。


こうした一連の心の動きの
底にある「静かな優しさ」が、
私が筒井さんの作品を
こよなく愛するゆえんなのです。


おまけ

正月は、その反動で
寝正月になりました、とさ。

Xのリンクが見れない方は
ごめんなさい。

ではまた、明日。
…ネタがあれば。


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