見出し画像

AIバトル!「小説の続き」競作5 ⑥【Grok編】

前説

さて今回は、
前の4回(と、ボツ回と番外編)とは
違うシチュエーションで
AIに「小説の続き」を書いてもらいます。

そして、その出来や個性を比較するという
お遊び企画です。

では、解答するメンバーをご紹介します。

ChatGPT 
Gemini
noteのAIアシスタント
Microsoft Copilot
Claude  (前回)
Grok   (今回)

前回
さすがの構成力を見せた
Claudeさんの解答でした。

今回は日本 X 作家協会の
Grokさんの解答を
訊いてみたいと思います。


今回のお題

今回は、私が書いたSF小説
「白銀の騎士」第3部から
引用したいと思います。

シチュエーションのお題は
第12話(「安息の日々」act.3)
冒頭部分です。

ざっくり言うと、

まず、物語の舞台である
「月面都市ダイダロス」の酒場から
話が始まります。

大柄で精悍だが
人なつっこい笑顔の青年士官トム。

隣でグラスを傾けるのは、
同期の盟友であり
美青年のイチビリーノ・ヘタレ中尉です。

プロンプト後半は
次のようになっています。

 トムは目の前の友人にうなずき返して、口を開いた。
「しかし、イチビリーノ・ヘタレ中尉。きみも運がない男だな」
「…そうか?」
 イチビリーノは口元をわずかに緩めた。目が笑っている。
「赴任した先が戦地になって、命からがら帰還したと思えば、休暇先でまた火種にぶち当たるなんて…おれだったら、やりきれずに腐っちまうところだよ」
「腐っているヒマはないからな」
 それを聞いたトムは真顔になって、小声で応えた。
「…ああ、そうだな」
 軍の外では話せない話題がある。それを心得ていないほど、トムは気の回らない人間ではなかった。
「ところで、イチビリーノ」
 トムが改めてそう言いだしたので、イチビリーノは続きを待った。

「白銀の騎士3」第12話より

さあ、これを受けて
6名のメンバーは
どう創造力を働かせてくれるのでしょうか?


Grokの場合

ラストを飾るのは
AI界の問題児…
もとい、風雲児、この方です。

今回はどのように
独自の展開を見せてくれるのか…

では、お願いします。

「ところで、イチビリーノ」
 トムが改めてそう言いだしたので、イチビリーノは続きを待った。

トムがグラスをカウンターに置くと、氷が小さくカチリと鳴った。
「例の件……例の『火種』だけどさ」
 声はさらに落とされ、バーの中のジャズがちょうどサックスソロに移ったタイミングで、言葉が溶け込むように続いた。
「上の方で、かなりピリピリしてるらしい。公式には『偶発的事故』って処理されてるけど、現場にいた連中は誰もそう思ってない」
イチビリーノはグラスを指先で軽く回しながら、視線を動かさずに聞いた。
「で? おれに何を期待してるんだ、トム」
「期待、ってほど大層なもんじゃない。ただ……きみがあの宙域で何を見たのか、ちゃんと聞いておきたかっただけだ」
 トムの目が、初めて真剣な光を帯びた。
 普段の軽い調子が消え、戦友としての顔がそこにあった。
「見た、と言っても……ほとんど何も、だよ」
 イチビリーノは小さく息を吐いた。
 記憶の断片が、頭の奥でまだ熱を持っている。
「通信が途切れて、センサーが狂って、僚機が次々に消えた。最後には、ただの……黒い、揺らぎみたいなものが視界を埋め尽くしてた。それだけだ」
「それだけ?」
「それだけ、と言えるかどうかはわからない。ただ、あれは兵器じゃなかった。少なくとも、俺たちが知ってる『兵器』じゃなかった」
 トムは眉を寄せ、しばらく黙った。
 やがて、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「……上層部は、それを『未知の自然現象』で片付けようとしてる。でも、俺の部署に回ってきた解析データの一部を見た。エネルギー曲線が、まるで意思を持ってるみたいに振る舞ってたんだ」
 イチビリーノの指が、グラスを握る力にわずかに力が入った。
「意思、か」
「そうだ。まるで、俺たちを『観察』してるような……そんな軌跡を描いてた」
 二人の間に、重い沈黙が落ちた。
 ジャズのピアノが、再び静かに旋律を拾い上げる。
「トム。お前は、どうしたいんだ?」
 イチビリーノが静かに問うと、トムは苦笑とも取れる表情を浮かべた。
「どうしたい、って……正直、怖いよ。けど、放っておいたらもっとヤバいことになる気もする」
 彼はグラスを手に取り、残っていたスパークリングワインを一気に飲み干した。
「だからさ、イチビリーノ。お前がもう一度、その宙域に戻るって話が出てるらしい。……本当か?」
 イチビリーノは答えなかった。
 ただ、カウンターの向こうで、バーテンダーが新しいグラスを磨く音だけが、静かに響いていた。
 その音が、まるで遠くの宇宙で何かが、ゆっくりと息を吸っているような錯覚を、イチビリーノに与えた。

Grokの回答(2026.02.08)より

この続きの話をもう少し聞きたいです。
あなたの自由なように続けてみてください。
ただし、物語の結末をちゃんとつける方向で。

 トムがグラスを置いた音が、妙に大きく響いた。
「……本当か? もう一度、あの宙域に戻るって話」
 イチビリーノは答えなかった。
 代わりに、ゆっくりと息を吐き、カウンターの木目を見つめた。
「上は『再調査任務』って名前をつけてるらしいな」
 トムが小さく笑った。
 笑い声に、皮肉と諦めが混じっている。
「調査、ね。実質は『生きたセンサー』をもう一度放り込むってことだろ」
「そういうことになる」
 二人はしばらく黙った。
 ジャズが一曲終わり、新しい曲が流れ始める。
 誰も拍手しない静かなバー。
「イチビリーノ。お前、あの黒い揺らぎの中に……何か、声を聞いたのか?」
 突然の質問に、イチビリーノの肩がわずかに震えた。
「……聞こえた、と言えるかどうかはわからない。ただ」
 彼は目を閉じ、記憶の底を覗き込むように言葉を続けた。
「『帰ってこい』って、思った。誰の声でもないのに、頭の奥で響いた。……すごく、懐かしい感じがしたんだ」
 トムは息を呑んだ。
「それ……お前、家族のことを」
「わからない。でも、あの瞬間だけは、確かに『家』に呼ばれてる気がした」
 イチビリーノは初めて、グラスを置かずに口をつけた。
 冷たい液体が喉を通る。
「だから、行くよ。もう一度」
「馬鹿か、お前」
 トムが低い声で呟いた。
 だが、そこに怒りはなかった。
 ただ、深い悲しみと、戦友への諦めだけがあった。
「なら、せめて……一人で行くな」
「無理だろ。今回は単独潜入になる」
「知ってる。だからこそ、言ってるんだ」
 トムはポケットから小さな金属製のタグを取り出した。
 旧式の、個人識別タグだ。縁がすり減っている。
「これ、持ってけ。俺の予備だ。……もし何かあったら、これだけは回収してほしい」
 イチビリーノはそれを受け取り、掌で握りしめた。
 冷たい感触が、妙に現実味を帯びる。
「……ありがとう、トム」
「礼なんていらねえ。ただ、生きて帰ってこい。それだけだ」
 二人はもう言葉を交わさなかった。
 グラスを空にし、会計を済ませ、店を出た。
 クラテーレ通りのネオンが二人を染める。

 別れ際、トムが最後に一言だけ呟いた。
「イチビリーノ・ヘタレ。お前は、ヘタレなんかじゃない。ただ……あまりにも優しすぎるだけだ」
 イチビリーノは振り返らず、軽く手を上げた。
 そして歩き出した。

---

 三ヶ月後。

 宙域「エコー・ヴォイド」深部。
 単座偵察艇『ラピス』のコックピットで、イチビリーノは静かに座っていた。
 センサーはすでに狂い始め、通信は途絶えている。

 目の前に広がるのは、あの黒い揺らぎ。
 今度は逃げない。
 彼は操縦桿から手を離し、シートに深く体を沈めた。

「帰るよ」
 小さな声で呟いた。
 すると、揺らぎが応えるように脈動した。

 それは声ではなかった。感情でも、意思でもなかった。
 ただ、確かな「懐かしさ」だけが、そこにあった。

 艇の周囲で、光の粒子がゆっくりと渦を巻き始めた。
 それはまるで、長い間待っていた誰かが、ようやく帰宅した子を迎えるように。
 イチビリーノは目を閉じた。
 最後に浮かんだのは、トムの笑顔と、家族のぼんやりとした記憶だった。

 そして――

 黒い揺らぎは、静かに彼を包み込んだ。
 艇の信号は途絶え、二度と記録されることはなかった。

 公式報告書には、こう記された。

『偵察任務中、原因不明のエネルギー異常により喪失。事故事例として処理』

 だが、クラテーレ通りのバー『ラパン』で、時折、トムは一人でグラスを傾ける。
 そして、誰にも聞こえない声で呟く。
「……優しすぎただけ、か」
 ジャズが流れ、夜は続く。
 ダイダロスの夜は、今日も明るい。

(完)

Grokの回答(2026.02.08)より

ありがとうございました。

https://x.com/i/grok/share/71ed2091041a43e4b27a288fd48bba27


総評

一行ごとに行間を入れるのって
はやってるんですか?
(独断で、適度に編集しました)

店内BGMをピアノ(ソロ)にしたのは
「やや高級感のある落ち着いた店内」
の描写でもあったんですが…

まさかのサックスソロ!(笑)
これではバンド編成が…
(ドラム・ベースも入ってるよね?)
わりと賑やかな店内になってしまいます。

まあ、いろいろと
こういったアレンジ含めた
Grokらしさは健在でしたね。

「文体の寄せ方」は…
なにかもう「Grok節」で
完成されてますね。
最初から寄せる気などないでしょう。

「引き」は…
Grokにしては珍しく
派手なアクションやサスペンスが
ありません。これは驚いた。

「オチ」は…
短めの分量内で
きっちりまとめてきたと思います。

ただ、ラストはChatGPTの話にそっくり。
こういうのも流行ってるんですか?

あと、今回の流行りのストーリーは
「未確認生物(現象)」との遭遇系ね。

もうお腹いっぱいですよ。
Grokさんくらいは
別の切り口で来て欲しかったな。


採点

文体の寄せかた:30点
引き:70点
オチ:75点
余韻:85点

総合:71点

いやあ、なんだかなあ。

無茶ぶりを承知で言いますが
Grokには、もっと暴れてほしかった。

Copilotにも感じたんですが、
「強いクセ」の部分が丸くなって
無難な方向性に行っている気がします。

もっと、なんかこう…
いろいろと、やらかしてくれると
面白いんですけれどもねえ。


次回予告

次回、最終回は
「お題」プロンプトの全文を
公開して、舞台裏を語ります。

いいなと思ったら応援しよう!

ちょきぽん 応援いただいたチップは、創作のために大切に使わせていただきます

この記事が参加している募集