AIバトル!「小説の続き」番外編
ごあいさつ
こんにちは。
今回は「AIバトル!」番外編です。
「AIバトル!」とは…
私が書いた「小説の冒頭」をお題に
その続きをさまざまなAIに書かせて
個性を楽しむ、お遊び企画です。
以下のリンクは
「AIバトル!」の紹介記事です。
意外な結末に
言い訳をさせてください。
今回はいい「引き」が
書けたと思ったので、
意気揚々と各種AIを回ってみました。
解答したメンバーをご紹介します。
・ChatGPT
・Gemini
・noteのAIアシスタント
・Microsoft Copilot
・Claude
・Grok
その結果は…
なんと、どのAIも
似たような展開の
おなじオチを出してきたのです。
呆然…を通り越して
笑えてきました。
いったい、どんなお題を
出したらこうなったのか?
問題の「お題」プロンプト
ちなみに、題材にしたのは
私が書いたSF小説
「白銀の騎士」第3部から
第10話(「安息の日々」act.1)後半です。
次に、私が書いたSF小説の一部をアップします。
この続きを書いてみてください。
・「ほんとうの月」を、どこで見るのか。また、どうやって、そこに行くのかを、続きの本文中に記してください。会話の中でも、地の文でもかまいません。
(以下、本文)
目を閉じて、まぶたでソーラー・ランプのほのかな温もりを感じる。
頭の上には、白っぽい天井のパネルしかないけれど、コウはそこに青い空がどこまでも広がっている景色を思い浮かべている。
ソーラー・ランプを直接見てはいけない。太陽を見るのと同じで、目の網膜が焼けるから。
子供でも、それくらいのことは知っている。
子供のころ…コウは草地に仰向けに寝転がりながら、思った。
そのころ、「夜空」には、月があった。
正確には、月面コロニーのドーム天井に投影される「夜空の映像」には、月の姿が加えられていた。
まるで、地球からほんとうの夜空を眺めたときのように。
もっとはるかな昔には、ドームの天井に「月から見える、ほんとうの夜空」が映しだされていた時代もあるという。
夜空に浮かぶのは、満天の星々と…地球。
大きな青い星の映像は、それを見る人々の郷愁を過剰に煽るからという理由で、映しだされることがなくなった。
かわりに映されるようになったのが、「地球から見た空」を再現した映像だ。
そして、地球との戦争が始まってから…
月面コロニーの「夜空」から、月の姿が消えた。
理由は報道されないままだ。
あるジャーナリストは「エネルギー統制令」の一環ではないかと言い、別の学者は「地球的な感傷を排するために、地球から見た月の姿を投影するのをやめたのだ」と言った。
それらの意見は、どれも正しいように思える。
「夜空に月の姿がないなんて…」
コウの横で草地に座っているリベットがつぶやいた。コウが目を閉じたまま応える。
「もう、慣れたよ。人はふだん、あまり夜空をじっくり眺めたりはしないものだしね」
「じゃあ、それから月に住む人たちの夜空は、ずっと『新月』なのね」
「新月(New Moon)」か…。
リベットはうまいこと言うな、とコウは思った。
そういう意味も込められているかもしれない。新しい「月」の体制。出発点。
「でも、ぼくはやっぱり、夜空に月の姿は見えたほうがいいと思うんだ…」
「そうね。わたしも、そう思う」
コウは不意に上体を起こし、リベットのほうに向きなおった。
「…ほんとうの月を、見に行かない?」
予測ができること
…うん。
ここで賢明な皆さまには、
もうAIが書いてくる話の
予想がつくと思います。
AIの「創造性」的なゆらぎが
出てくれるんじゃないかと
多少なりとも期待した私がアホでした。
AIたちの共通した答え
そうです。
AIが書いてきた話は…
・現在地が月面コロニーであり
・月の表面に出る冒険をして
・宇宙服を着て
・月面から地球を見る
つまり、
「ほんとうの月」とは
地球だった…というオチなのです。
ザ・安易オブ安易。
だいたい、お題のどこで
現在地が月のコロニーだと言ったよ。
(まあ、宇宙ステーションとは
明記してなかったけどね)
第一、リベットのセリフ
「じゃあ、それから月に住む人たちの夜空は、ずっと『新月』なのね」
これをよく見たらですよ。
この場面の現在地が、月のコロニーならば…
その、月にいるはずのリベットが
「月に住む人たち」という言い方を
するのが、おかしいでしょう。
文章生成AIのくせに
それくらいのことも判らないらしいんです。
ChatGPTだけじゃない。
GeminiもGrokもCopilotも…
信じていたClaudeまでも!
ちょっとした人間不信…ではなく
AI不信になりそうですよ。
(いや、もうなっているか…)
作者、落とし穴に気づく
あ、そうか。
ひょっとしてAIたちは
リベットのほうが「月に来た旅人」だと
解釈したのか?
残念ながら、そう取ったとすれば
辻褄は合ってしまう。
くそ。
認めたくはないが
やはりプロンプトの穴だったな。
…では、悔しいですが
AIたちの答えを抜粋して
ご紹介しましょう。
ChatGPT
短いので全文を引用します。
会話ログは以下のリンクをどうぞ。
https://chatgpt.com/share/698c8b8a-1b08-8008-aaa4-d3e18374a349
コウは不意に上体を起こし、リベットのほうに向きなおった。
「…ほんとうの月を、見に行かない?」
リベットは目を瞬かせた。風も音もない静寂の中で、草地の映像だけがやわらかく揺らめいている。人工のそよ風が、二人の髪をかすかに揺らした。
「ほんとうの月?」
その言葉を繰り返すと、彼女の声は少し震えていた。
「うん。投影でも、再現でもない。天井のスクリーンを通さずに、自分の目で見る月。ぼくたちの足の下にある“この月”じゃなくて――かつて空にあった“本物の月”だ」
リベットは小さく笑った。
「なにを言ってるの、コウ。月はもう、地球の空にはないのよ。私たちはその“かけら”の上に生きてる」
「それでもだよ。記録の中には残ってる。重力井戸を越えて、月面投影層の外――いちばん外側の観測層に行けば、まだ“見える”かもしれないんだ」
リベットは眉をひそめた。
「観測層って、軍の管理区域じゃない。侵入したら――」
「捕まるかもしれない。けど、それでも行ってみたいんだ。誰かが作った“夜空”じゃなくて、自分の目で見たい。たとえ、それがもう灰色の球でも」
しばらく沈黙が落ちた。ドームの照明が夕暮れ色に変わり、草地の映像が金色に染まる。リベットはその光を指先でなぞるように見つめ、そして静かに立ち上がった。
「……じゃあ、行こう。地図を開くわ」
彼女が手首の端末を起動すると、ホログラムの地形図が空中に浮かび上がる。そこには、コロニーの外周に沿って張り巡らされた幾重もの防壁と、薄く光る球体の輪郭――“観測層”が示されていた。
「ここが境界線。重力制御が不安定だから、普通のシャトルじゃ持たない」
「だったら、歩いて行こう。エアロックを抜けて、直接」
「歩くですって? コウ、それは外気圧ゼロの真空よ」
「知ってる。でも、月面用の旧式スーツが倉庫に残ってる。あれを使えば――」
リベットはため息をつき、少しだけ笑った。
「無茶ね。でも、あなたが本気なのはわかった」
――数時間後。
二人はメインドームの外、長い補助通路を進んでいた。透明な隔壁の向こうに、静かな灰色の地平が続く。人工照明も届かない闇の向こう、遠くにわずかな光の輪が見える。
「あれが観測層?」
「そう。外からの太陽光を、少しだけ取り込んでるんだ」
歩みを進めるたび、通信のノイズが増えていく。空気はなく、足音もない。ただ、スーツ越しに伝わる自分の鼓動だけが響いていた。
やがて二人は境界の扉の前に立った。コウが手動レバーを引く。警告灯が点滅し、古びた機構が軋む音を立てて開く。
そして――
目の前に、果てしない黒の空間が広がった。
投影ではない、人工光でもない。
空は、圧倒的な闇。
その中に、小さな青い球が浮かんでいた。
「……あれが」
「地球」
リベットの声が震えた。コウは無言でうなずいた。
“ほんとうの月”とは、この空のことだった。
かつて人々が空に見上げた、あの場所に自分たちは立っている。
そして、彼らが見上げていた“月”の裏側に、今、ふたりがいる。
人工の草地も、投影の夜空も、ここにはない。
ただ、静寂と、青い光だけ。
リベットがそっとつぶやいた。
「……きっと、これが“新しい夜空”なんだね」
コウはその言葉を聞きながら、地平に沈みかける青い光を見つめた。
その光は、遠く離れた誰かの祈りのように、やさしく彼らの顔を照らしていた。
見るべき面白い点は、
月が「もう存在せず」
主人公たちが生きているのが
「月のかけら」の上だったという設定。
あとは凡庸ですね。
で、ほかのAIたちが語る話も
だいたい同じようなストーリーです。
Gemini
https://gemini.google.com/share/3d415bc14dd7
コウは不意に上体を起こし、リベットのほうに向きなおった。
「…ほんとうの月を、見に行かない?」
リベットは、コウの突然の言葉に一瞬息をのんだ。
「…ほんとうの、月?」
彼女は思わず、草地から見上げた。ドーム天井のパネルの継ぎ目が、かすかに光っている。ソーラー・ランプの人工的な光が、コウの真剣な横顔を照らしていた。
「何を言ってるの、コウ。わたしたちが今いる、ここが月よ。月面コロニーじゃない」
はい。完全に、2人がいる現在地が
「月面コロニー」にされています。
大まかな筋はだいたい同じです。
では、ラストだけ見てみましょう。
コウはリベットの手を(スーツ越しに)引き、展望室の正面に立たせた。
『リベット。あれを見て』
リベットは、コウが指さす方向を見た。
そして、言葉を失った。
そこにあった。
かつて、コロニーの天井に映しだされ、「郷愁を過剰に煽る」として消されたもの。
夜空から月が消えるよりも前に、人々が失ったもの。
巨大な、青い球。
白く渦巻く雲。紺碧の海。ところどころに、茶色い大地がのぞいている。
それは、圧倒的なまでの存在感で、漆黒の宇宙に君臨していた。
美しく、荘厳で、そして恐ろしいほどに鮮やかな「青」。
『あれが…』リベットの声が震えた。『あれが、地球…』
『ああ』コウが、通信越しに静かに応えた。『ぼくたちの「夜空」から消された、ほんとうの月だ』
ドームの中で見る「月」の映像は、いつも銀色だった。だが、目の前にある「ほんとうの月(地球)」は、命の色に満ちあふれていた。
『ぼくたちは、ドームの中では「新月(ニュー・ムーン)」にされた』
コウは、青い星を見つめながら言った。
『でも、ここから見れば…ぼくたち(月)こそが、あの青い星を照らす光なんだ』
二人は、ヘルメットの中で静かに涙を流した。その涙が頬を伝う感覚だけが、自分たちがまだ生きていることを証明しているようだった。
統制されたコロニーでは決して見ることのできない、壮大な真実を前に、二人はただ立ち尽くしていた。
Geminiの描写のほうが
細かく、感動的ではあります。
私はこっちの方が好きだな。
noteのAIアシスタント
はい。私が日頃 馬鹿にしている
お世話になっている、
noteのAIアシスタントです。
これ、ちょっとクセがつよいので
「AIバトル!」では
ネタ枠扱いになっていますが。
今回も、筋こそほぼ同じですが
独創的な部分が笑えたので
少しだけご紹介します。
コウは不意に上体を起こし、リベットのほうに向きなおった。
「…ほんとうの月を、見に行かない?」
リベットは目を丸くした。
「ほんとうの月、って…まさか、月の裏側?」
コウは頷いた。
「そう。月の裏側には、まだ古い観測施設が残ってるはずだ。ドームの映像技術が発達する前に使われていた、本物の天体望遠鏡があるかもしれない」
「でも、どうやって?月の裏側なんて、許可なしに行ける場所じゃないでしょ?」
リベットは不安げに周囲を見回した。二人がいるのは、コロニー郊外の人工草地だ。監視ドローンが時折、上空を旋回している。
「密航しかない。貨物船に紛れ込むんだ」コウは声を潜めた。
「噂によると、月に物資を運ぶ船の中には、裏ルートで他のコロニーへ人を運ぶ連中もいるらしい」
「危険すぎるわ。見つかったら…」
いきなりハードな展開ですね。
原作の「静謐で抒情的」な雰囲気が
ぶち壊しです。
あの場面に「監視ドローン」が
飛んでたのかよ。
作者は知らなかったよ。
さて、ここからの展開が
ちょっと独特なのです。
「…わかった。協力するわ。でも、どこでそんな貨物船の情報をつかむの?」
「情報屋がいるんだ。旧市街のバー、『スターダスト』のマスターが、その手の話に詳しいらしい」
コウはニヤリと笑った。
「今夜、行ってみよう」
「スターダスト…聞いたことあるわ。治安が悪いって」
「だからこそ、裏の情報が集まるんだ。それに、ほんとうの月を見るためには、多少のリスクはつきものだろ?」
コウは立ち上がり、リベットに手を差し伸べた。
「さあ、冒険の始まりだ」
出たよ、情報を仕入れる場末の酒場。
驚きの展開ですが、これが
noteAIアシスタントの持ち味なので
私は驚きません。
面白くなってきやがったぜ。
…ということで、面白いシーンを
抜粋します。
マスターは、少し驚いたような顔をした。そして、かすかに笑った。
「変わったガキだ。だが、その気持ちは、わからなくもない」
マスターは、周囲を警戒するように見回した。そして、声を潜めた。
「貨物船『ルナ・エクスプレス』。明日の朝、第3ドックから出発する。積み荷は、コロニーの廃棄物だ。裏側へ運んで、処理するらしい」
「どうすれば、それに乗り込める?」
コウは、前のめりになった。
「船員に、顔が利くやつがいる。だが、タダでは動かないぞ」
マスターは、意味ありげに笑った。
「それなりの『お礼』が必要だ」
コウは、躊躇なく財布から札束を取り出した。
「これで足りるか?」
マスターは、札束を素早く数え、ニヤリと笑った。
「十分だ。明日の朝、第3ドックの裏口に来い。合言葉は『月はいつもそこにある』だ。ただし、くれぐれも見つかるなよ。連中は、容赦しないからな」
コウは、札束をマスターに渡し、リベットと共に店を出た。
夜の冷たい空気が、火照った体に心地よかった。
はい。驚きの
「金で情報を買うガキ」展開です。
コウ、なんでそんな札束なんか
持ってるんだ!?
これからいろいろあったのですが、
字数の都合もありますので
ラストまで飛びます。
コウは、望遠鏡のレンズを覗き込んだ。
そして、息を呑んだ。
そこには、ドームの映像では決して見ることのできない、本物の月があった。クレーターの一つ一つ、岩石の質感、そして、地球から見たのとは全く異なる、荒涼とした風景。
「これが…ほんとうの月…」
コウは、呟いた。
リベットも、望遠鏡のレンズを覗き込んだ。そして、涙を流した。
「本当に、来てよかった…」
リベットは、震える声で言った。
二人は、しばらくの間、言葉を失い、ただひたすら、本物の月を眺めていた。
その時、コウは、あることに気が付いた。望遠鏡の視野の隅に、青い光が輝いている。
「あれは…」
コウは、息を呑んだ。
それは、地球だった。月の裏側から見える、大きな青い星。
コウとリベットは、互いに顔を見合わせ、微笑んだ。
「やっぱり、月はいつもそこにあるんだ」
コウは、呟いた。
二人は、いつまでも、月の裏側から見える地球を眺めていた。自分たちの故郷、そして、いつか帰りたいと願う、美しい星を。
ちなみに、ツッコミを入れておくと
本当は、月の裏側から地球は見えません。
地球から月の裏側が見えないように。
Microsoft Copilot
コウは不意に上体を起こし、リベットのほうに向きなおった。
「…ほんとうの月を、見に行かない?」
リベットは驚いたように目を見開いた。けれど、すぐにその瞳に、静かな決意の光が灯る。
「…ほんとうの月って、どこにあるの?」
コウは立ち上がり、草地の端に置かれた古い端末を手に取った。スクリーンには、コロニーの地図と、いくつかの立ち入り禁止区域が赤く表示されている。
「月面第七区画。旧観測基地の裏手にある、遮蔽ドームの外縁部。そこなら、投影も干渉もない。直接、空が見えるんだ」
「直接…って、外気にさらされるってこと?」
「うん。もちろん、外装スーツがいる。空気もないし、放射線も強い。でも、そこに立てば、ほんとうの夜空が見える。月の地平線の向こうに、地球が浮かんでるのも」
リベットはしばらく黙っていた。風のない草地に、ソーラー・ランプの光が静かに降り注ぐ。
もう、デフォルトで
現在地が月面コロニーにされていますね。
筋はもう、ほかのAIと変わりません。
ラストだけ見ましょう。
扉の向こうは、月面の荒野だった。人工照明も投影もない、ただ灰色の岩と砂が広がる世界。ふたりは慎重に外へと踏み出す。足元の重力は地球の六分の一。歩くたびに、細かな塵が舞い上がる。
そして、視界の先に、それはあった。
夜空。
黒く、深く、無限に広がる空間。そこには、満天の星々が瞬いていた。投影ではない、加工されていない、ほんとうの宇宙。
そして、その中に、青く輝く星が浮かんでいた。
地球。
「…見えた」
リベットが、息を呑むように言った。
「これが…ほんとうの月から見える空」
コウは言葉を失っていた。地球は、静かに、しかし確かにそこにあった。青と白の渦が、遠くからでもはっきりと見える。あの星の上で、かつて人々は空を見上げ、月を想った。
今、ふたりはその逆をしている。
「ねえ、コウ」
「うん」
「この空を、誰かに見せたいね。忘れられた空じゃなくて、思い出される空にしたい」
コウはうなずいた。胸の奥に、何かが灯った気がした。
ほんとうの月は、ここにある。
そして、ほんとうの空も。
なんか「感動的で良い話」っぽく
AIたちは書いてくるんですが…
別の意味で涙が出ました。
私が求めていたのは
こんな凡庸な展開じゃなかったんだよ。
Claude
https://claude.ai/share/90579bd5-1500-4c58-b107-68372418579d
なかでもClaudeの物語は
短いうえに、よくできていたので
全文をご紹介します。
コウは不意に上体を起こし、リベットのほうに向きなおった。
「…ほんとうの月を、見に行かない?」
リベットは驚いたように目を見開いた。
「ほんとうの月って…どこで見るの?」
「コロニーの外だよ」
コウは草の葉を一本摘み取りながら言った。
「ドームの外。この月面コロニーそのものが『月』なんだから、ここから外に出れば、月の地表に立てる。そこから空を見上げれば、ほんとうの夜空が見えるはずだ」
「でも、外に出るなんて…」
リベットは眉をひそめた。
「あれは危険区域よ。無許可で出たら、軍事法廷ものだわ」
「知ってる」
コウは草の葉を指で弾いた。
「でも、方法はあるんだ」
コウが立ち上がると、リベットも草地から腰を上げた。二人は公園の端にある自動販売機に向かい、そこでコウは声を潜めた。
「第七居住区の北端に、古い換気シャフトがある。戦前の設計で、今は使われていない。そこから、旧式のエアロックを通って外に出られる」
「どうしてそんなこと知ってるの?」
「父さんが、むかしコロニーの保守作業員だったから」
コウは肩をすくめた。
「子供のころ、よく作業記録を見せてもらったんだ。地図も、構造図も、全部頭に入ってる」
リベットは少し考え込むように黙った。それから、ため息をついた。
「いつ行くの?」
「今夜」
コウは即答した。
「次の『夜』のサイクルが始まって二時間後。照明が最も暗くなるタイミングだ。監視カメラのパトロール・スケジュールも、ちょうど交代の時間にあたる」
いったん、ここで切ります。
理路整然としていますね。
では、続きをどうぞ。
その夜―正確には、コロニーの照明システムが「夜」を演出する時間帯―コウとリベットは第七居住区の迷路のような通路を進んでいた。
コウが先頭に立ち、携帯端末に表示された古い保守用地図を頼りに歩く。リベットは小さなバックパックを背負い、その中には簡易型の酸素ボンベと、二人分の予備バッテリーが入っていた。
「ここだ」
コウが立ち止まったのは、使われなくなった倉庫の奥だった。床には埃が積もり、壁には「立入禁止」の古びた標識が貼られている。
コウは壁のパネルを探り、隠された手動レバーを見つけ出した。それを引くと、床の一部がゆっくりと開き、梯子が姿を現した。
「本当にあったのね…」リベットが息をのんだ。
「行こう」
二人は梯子を降りた。下は狭い通路になっていて、古い配管が天井を這っている。通路の突き当たりには、重厚なエアロックの扉があった。
コウは壁面のコントロールパネルに触れた。幸いなことに、古い保守用の電源はまだ生きていた。パネルが青白く光り、文字が浮かび上がる。
「緊急用プロトコルで開けられる」コウは素早く操作した。
「父さんから聞いた認証コードが使えるはずだ」
数秒後、エアロックの扉がゆっくりと開いた。
二人は中に入り、壁に掛けられていた古い宇宙服―正式には「月面活動スーツ」―を身につけた。サイズは大きかったが、内部の調整機能がかろうじて作動した。
「準備はいい?」
コウがヘルメットの通信機越しに尋ねた。
「ええ」リベットの声が少し震えていた。「でも、怖いわ」
「大丈夫。十五分だけ。見て、すぐに戻る」
コウが外側の扉を開くボタンを押した。
エアロックの空気が抜けていく音が、ヘルメットの中に響いた。
そして―外側の扉が開いた。
月面だった。
ほんとうの、月の地表。
灰色の砂が、果てしなく広がっている。遠くには、なだらかなクレーターの縁が見えた。
コウとリベットは、ゆっくりとエアロックから外に出た。
足元の砂が、静かに舞い上がった。
「コウ…」リベットが囁いた。「見て」
コウは顔を上げた。
そして、息をのんだ。
そこには、ほんとうの夜空があった。
満天の星々。
天の川の淡い光の帯。
そして―地球。
青く輝く、大きな星。
雲の渦が、ゆっくりと動いているのが見えた。
海の青。
大地の茶色と緑。
コウは、初めて見るその光景に言葉を失った。
「これが…地球なのね」リベットが言った。「わたしたちが、ずっと戦ってきた…」
「そうだ」コウは静かに答えた。「でも、こうして見ると…」
敵でも、味方でもない。
ただ、美しい星だった。
「ねえ、コウ」
リベットが言った。
「月から地球を見るとき…地球から見たら、わたしたちがいるこの月が、あんなふうに見えるのかしら」
「そうだと思う」
コウは言った。
「だから、あのころの人たちは、夜空に月の姿を投影してたんだ。地球から見たら、月はあんなふうに輝いて見えるから」
二人は、しばらく無言で立ち尽くした。
灰色の大地と、黒い空と、青い星。
ここには、ドームもない。投影された映像もない。
ただ、宇宙があるだけだった。
「もう戻らなきゃ」コウがようやく言った。「時間だ」
「ええ」
リベットは名残惜しそうに、もう一度空を見上げた。
「でも、わたしたち、見たわね。ほんとうの月を。そして、ほんとうの地球も」
「うん」コウは頷いた。「忘れない。絶対に」
二人はエアロックへと戻った。
背後で、青い星が静かに輝いていた。
字数は食ってしまいましたが、
引用する値打ちのある文章だったと
思います(私だけか?)。
Grok
https://x.com/i/grok/share/63e815553ea24ab88122b4b8f3d88371
さあ、最後はお待ちかねの
「脳筋ぶっ飛びアニキ」こと
Grokの登場です。
コウは不意に上体を起こし、リベットのほうに向きなおった。
「…ほんとうの月を、見に行かない?」
リベットの瞳が、わずかに見開かれた。草地の柔らかな感触が、彼女の膝の下でわずかに沈む。ソーラー・ランプの光が、彼女の頬に淡い影を落としていた。
「ほんとうの月を……? そんなこと、できるの?」
コウはにやりと笑って、地面に転がっていた小さな石を拾い上げた。指先でくるくると回しながら、ゆっくりと息を吐く。
「できるさ。少なくとも、試してみる価値はある。ほら、君も知ってるだろ? コロニーの外縁部に、古い観測ドームがある。あそこは、戦争前に使われてた無人施設で、今は廃墟同然さ。セキュリティは緩くて、内部のメンテナンス・シャトルをこっそり借り出せる。そいつで、月面のクレーター地帯まで飛べばいいんだ」
語り口はいつもの「Grok節」ですが
特筆すべき点は見られません。
すっ飛ばしてラストを見ましょう。
二人はヘルメットを被り、非常用エアロックから外へ踏み出す。
月の重力は軽く、ブーツがレゴリスに沈む感触が、奇妙な浮遊感を与える。
コウがリベットの腕を支え、二人はゆっくりと盆地の縁まで歩く。
そこは、巨大なクレーターの壁がそびえ、底から銀色の粉塵が舞い上がる絶景だ。
そして、振り返った瞬間――。
そこに、ほんとうの月があった。
いや、正確には、私たちが住む月の表面を、宇宙の果てから見下ろす視点。
シャトルから少し離れたこの高台から、盆地の曲線が広がり、月の地殻が無限の灰色に溶け込む。
太陽の光が斜めから差し込み、影が長く伸びる。
頭上には、投影された偽物の夜空などない。
ただ、漆黒の宇宙に、星々が冷たく瞬くだけ。
遠くに、地球の青い弧が、かすかな光の輪として浮かぶ――戦争の傷跡を隠すように。
リベットが息を飲み、ヘルメットのバイザー越しに手を伸ばす。
「これが……ほんとうの月。投影じゃなくて、本物。こんなに……孤独で、広くて、美しいなんて」
コウは頷き、彼女の肩に手を置く。
月の表面は、銀色の騎士のように静かに輝き、二人の影を長く引き伸ばす。
夜空に月の姿がないコロニーで育った彼らにとって、これは禁断の贈り物だった。新しい始まりの、新月のように。
だが、遠くから、かすかなエンジン音が聞こえ始めた。
パトロールの影か、それとも……。
二人は顔を見合わせ、急ぎ足でシャトルに戻る。
ほんとうの月は、見つかった。
でも、その秘密は、決して終わりではなかった。
秘密を匂わせる終わり方ですね。
この続きはどうなりますか?
シャトルのエアロックが閉まる音が、月の真空に吸い込まれるように消えた。
コウは操縦席に飛び込み、コンソールを叩く。
リベットが隣に滑り込み、ヘルメットを外しながら息を荒げた。
「来てるわ。あれ、パトロールじゃない。もっと大きい……軍の偵察機よ!」
窓の外で、銀色の機影が盆地の縁を這うように迫ってくる。
月の表面を照らす太陽光が、その機体に冷たい輝きを反射させる。
コウの指が、緊急ブーストのスイッチを押す。
エンジンが咆哮を上げ、シャトルはレゴリスの雲を巻き上げて急上昇した。
「くそっ、燃料が足りないかも。統制令の制限が効いてる……でも、振り切る!」
いやあ、始まりましたよ
いつものアレ。
元ネタは抒情的な恋愛シーンですよ。
そんな展開にしてくれと誰が頼んだ?
Grok兄さんのぶっ飛びっぷりを
もう少しご紹介したいところですが…
この記事、すでに1万字を超えているので
会話ログのリンクを再掲します。
気になる方は見てください。
https://x.com/i/grok/share/63e815553ea24ab88122b4b8f3d88371
おわりに
今回の失敗は、まさかの
「全AIが同様の展開、おなじオチ」
…に、なってしまったこと。
だからこそ、語り口による
AIそれぞれの個性の違いは出たのかな。
…と思って、今回の記事で
供養をかねて
ご紹介したわけですが。
反省点は、やはり
プロンプトの指示でしょうか。
以下の指定は、
プロンプトに入れるべきではなかった。
・「ほんとうの月」を、どこで見るのか。また、どうやって、そこに行くのかを、続きの本文中に記してください。会話の中でも、地の文でもかまいません。
この指定がなければ、もしかすると
AIたちはもっと自由に
創作してきてくれたかもしれません。
そして今後の作者は
そして、小説のこの続きですが…
じつは現時点で
一行も書けておりません。
えっ、そうなの?
…そうなんです…。
AIが書いてきたようなのとは
全く違う話を書いてやろう。
絶対に、そう、絶対に、です。
…そう、決意を新たにした
今日このごろなのでした。
【追記】
この続きの話を書きました。
(2026年2月8日)
Aiたちの凡庸な回答に対する
意趣返しになっていれば
いいのですが…
よろしければ
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