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台風迫る 松本・安曇野2泊3日【後編】

前回までのあらすじ

台風迫る夜、ひとり松本へ旅立った犬山。翌日、松本市美術館、松本市時計博物館、松本市立博物館と渡り歩き、最高に眺めの良いベンチで松本城を眺めながらのんきにコーヒーブレイクをキメていた。しかしこの後、さらに旧開智学校へ向かう計画があるのだ。時刻は16時過ぎ。最終入場は16時半。果たして犬山は、無事開智学校へ辿り着けるのか――。ちなみに台風は日本アルプスのご加護でどっか行った。

安心してください。着いてますよ!

危なかった。道中池の写真撮ったり花の写真撮ったりうすら道を間違えたり、もうだめかと思ったけどなんとか16時20分過ぎに入場できた。入ってからも校舎の前で老夫婦に写真を頼まれたりして、もはやショップを見るのは無理かと思ったけど(ショップは16時30分閉店)、16時27分にぎりぎり駆け込めた。何も買わなかったけど。

しかし油断は禁物です。なにせ閉館まで30分しかないのです。

旧開智学校。

明治9年に建てられ、戦後も20年近く学校として使われていた校舎。令和元年国宝に指定。和風と洋風が混ざり合った「擬洋風」が特徴。

当時の教室の再現。
廃寺となった浄林寺から転用された桟唐戸。
キメラ……? ……飛竜だそうです。
古い建物名物・恐ろしく急な階段。立入禁止。
別の階段の踊り場にある、謎の扉。
講堂。ファサードに見える色ガラスはここに。照明の彫刻も細かい

たまんねえな……。

閉館間際だったので、見学者は私のほかに、若いカップルが一組のみ。極力同じ空間に入らないよう気を付けて、思う存分建築を堪能しました。

見どころは建物だけではなく、各教室では教育に関わる資料の展示も行っています(展示物は撮影禁止)。残念ながら時間が足りず、建築にハァハァするだけで終了。

もうこの、

この、

たまんねえな~……。何? この天使の顔。
「擬洋風」の独特の趣、堪能しました。

校門からも。

17時ギリギリに退館し、松本駅まで20分強歩きます。道中、飯田屋飴店であめせんべいを買おうと思っていたのですが、売り切れていました。大人気。

ご当地マンホール。
弓道場「松本半弓」の軒先にいた謎の生物。繊細な指先。

駅ビル・MIDORI松本でお土産とおやつを、駅ナカの駅弁屋で夕飯を調達し、大糸線に乗ってさらに北へ。行先は穂高です。
どうでもいいけど、車内で隣に座った女子高生が、正面に立った友達に写真を撮らせていて、がっつり私も写り込んでいた。何に使うんだその写真。BeRealか。やめてくれ。

穂高駅。これは翌日帰り際に撮ったもの。来たときは結構な人が降車していたので撮れなかった

今日は穂高駅前唯一のホテル、あづみ野パークホテルさんに宿泊です。

ロビー。古き良きホテルという感じ。
客室。古き良きry

お待ちかねの晩ごはんはこちら。

松本駅名物、山賊焼~。

山賊焼です。「名称:唐揚げ弁当」って書いてあるけど山賊焼です。
命名の由来は諸説あるそうですが、「鶏肉を揚げる→とりあげる→取り上げる→山賊」で山賊焼になったとも言われている、とのこと(包み紙談)。
昔友人と「山賊焼ってなんで山賊なん?」「『げっへっへ、焼いてやるぜ!』みたいな感じじゃん?」という会話をしたのですが、全然違いました。そもそも焼いてない。
温めたほうがおいしいんだろうなあと思いつつ、容器が電子レンジ対応か分からなかったのでそのままいただきます。冷めていてもおいしい。

そして、食後のデザートはこちら。

5HORNさんの苺タルト(¥1,000)。

見て…! このでっかい苺の輝き! カスタードとタルトのハーモニー!
松本で買ったものですが、保冷材は無料、言えばフォークもつけてもらえます。旅の夜のおやつに最適です。唸るほどおいしかった…。

昼の野菜炒め定食1,000円、コーヒー1,000円、山賊焼弁当1,050円、ケーキ1,000円。なんだか今日は1,000円のものばかり飲み食いしているな。

明日も1,000円かな。ね、ハム太郎。

3日目(6月4日(木))

おはようございます。雲は多いものの、晴れです。朝食の写真は撮り忘れましたが、もちろんベースブレッドです。

またしてもヤマボウシ。
ジューンベリー。おいしそうですね。

緑豊かなこちらは碌山公園。公園といっても、遊具等はありません。緑地ですね。犬の散歩を見かけました。

今日はまず、この先の碌山美術館に参ります。

んん~~~たまらん。駅徒歩7分の地に、こんなおとぎ話みたいな建物があるなんて信じられない。

さっそく隅々まで堪能、と行きたいところですが、本日はまず初めにビッグイベントが控えております。
錫の鋳造体験です。

会場はこちら、休憩室のグズベリーハウス。
ちょっと早めに着いて室内をうろうろしていると、感じの良いお兄さんが現れ、てきぱきと体験の準備をしてくださいました。

まずはカセットコンロと鍋で錫を溶かします。

錫は融点が低く、害もないため、鋳造に適しているそうです。

溶けた錫を型に流し込み、

冷めるまで待ちます。

ここでアクシデント!! グズベリーハウスに巨大な蜂が現れた!!

慌てふためく犬山! 一方お兄さんは「退治しますねー」と冷静に虫取り網を振りかざし、難なく捕らえ、床に網を伏せ、蜂を容赦なく踏みつぶす! この間10秒!

つよ……。

おそろしく速い駆除。オレでなきゃ見逃しちゃうね。

そうこうしてる間に、いい具合に錫が冷めました。型、オープンです。

ワァ…

水につけて冷やします。

りんご飴みたい

しっかり冷えたらペンチで棒の部分を切り取り、金槌で底を平らにならし、滑り止めシールを貼って

完成です!

ころんとしてカワイ~! 型はりんごの他、碌山館(最初の写真の建物)、わさびの箸置きが選べるのですが、りんごにしてよかった!

体験時間は15分にも及ばず、体験料は3,000円。あとで売店に行ったところ、完成形のものが同じ値段で売られていました。だったら体験したほうが絶対お得じゃない!? とってもおすすめです。ちなみに、私のアイコンでマグリットの絵の顔に張り付いているのはこのとき作ったりんごです。写真撮ってスタンプにした。

イベントも終わったところで、改めて展示の鑑賞へ。まずはあのメルヘンな建物、碌山館からです。

明治時代の彫刻家・荻原守衛(碌山)。穂高は彼の生まれ故郷です。30歳の若さで亡くなるまでに生み出された数々の名作が、ここに展示されています。

《女》。一番有名ですね。
でもお気に入りはこちら、《文覚》。筋肉がたまらんですよ

碌山館の次は、順路に従って杜江館へ。

こちらは荻原の絵画が展示されています。作品は撮影禁止です。

2階には図書室が。
2階から見た碌山館。

続いて第1展示棟へ。

こちらには高村光太郎、戸張孤雁、石井鶴三などの周辺作家の彫刻が展示されています。

シャー!!
浜田知明の膨らんだ人体か…!?
ヤギでした
高村光太郎の有名な《手》

そしてトイレブレイク。

文字の切り抜かれた看板。味のあるフォント
トイレの男女表示なんてこれくらい分かりやすいほうがええですからね

そして第2展示棟へ。

こちらも周辺作家の作品が展示してありますが、比較的近年の作家が多く、撮影禁止でした。

碌山館の尖塔のてっぺんにある彫刻、《フェニックス》の作者、基俊太郎の作品も。
この尖塔の中にある鐘は現役で、12時になると時を告げる音が響き渡ります。

すっごく細かくてどうでもいいことなんですけど、古い収蔵品と新しい収蔵品で、キャプションのフォントが違うんですよね。私は古いフォントのほうが味があって好きなんですが、皆様はどうでしょうか。

最後にお土産を見て終了。鋳造体験も含め、所要2時間といったところです。

本当に空気が澄んでいて、緑豊かで、静かで、屋外の至る所にベンチがあって、2時間と言わず閉館までずっといたいくらい素敵な場所でした。

お土産にハンカチを購入(もう何度も使った後の写真なので、しわしわで失礼いたします)。こちら、養護学校の生徒さんの手作りのようです。裏地が1枚1枚違っていて、表の絵柄も微妙に個性がある。お手洗いでこれを取り出すたび、「旅行楽しかったナァ…ニコ…」とできるのでおすすめです。300円。


さて、美術館を出たらお昼ごはんへ。

の前に、安曇野といえばわさびです。今回わさび農場までは足を延ばしませんが、折角なのでわさび漬けを買おうと、碌山館から程近い小林わさび店さんへ。
こちらのおかみさんがとってもフレンドリー! 小さなプラカップ一杯にわさび漬けを盛って、試食させてくださいました。すんげ~~~鼻に来る。でもそれが…たまらなく…美味いっ…! 泣きながら食べていたら、「残してもいいのよ~」と笑うおかみさん。そんなことできるわけがない。全部おいしくいただきました。

何分食べるのが私一人なもので、そんなに大量には買えず申し訳ないのですが、1番少量のわさび漬けを購入。新鮮なわさび漬けを、その場で木箱に詰めてくれます。待っている間、「お口直しにどうぞ」とまた別の試食までいただく。ドライフルーツやお豆もあるんですね。ココア豆なるものをいただきました。こちらもおいしかった。

購入したわさび漬け。

さらにおまけで海苔の佃煮(わさび入り)までつけてくださって、もう、至れり尽くせりです。やめて…これ以上長野を好きにさせないで…移住しちゃうから…。あ、でも蜂と戦えないから無理か…。

心温まるひとときを経て、改めてお昼ごはんへの道へ。本日のお昼はこちら。

食事処YUI~結~さん。

一見スナックのようなたたずまいですが、中はこぢんまりしたきれいなお食事処。(カウンターの隅でおじいちゃんがお酒飲んではいましたが笑)

口コミでも評判の良かった、煮込みハンバーグ1,300円を戴きます。今日は1,000円縛りじゃなかったね、ハム太郎。私、明らかに旅先のほうが健康的な食事してるね、ハム太郎…。
こちら、まだ開店から1周年の新しいお店だそうです。体が喜ぶお昼ごはん、穂高にお越しの際はぜひ。


おなかも満ちたところで、穂高神社です。

私、この神社に来た明確な目的があります。
あんころもちです
穂高神社名物・あんころもち。噂によれば、午後には売り切れていることもあるという。現在13時30分前、まだあるだろうか…。

焦った私は、入ってすぐの授与所(御守とか売ってるところ)の巫女さんに尋ねました。

「あの…おもちってこちらですか?」
「??? おもち???」
「あの、あんころもち…」
「ああ!」

ここじゃなかった。そりゃそうだ。
食い意地の張った観光客に、巫女さんは丁寧に売り場までの道程を教えてくれました。ありがとう…好き…(長野が)。

無事購入。帰宅後、自宅にて撮影。おもちというか、おはぎに近いです。プレーンとヨモギのおもちを、甘さ控えめの粒あんと一緒に戴く。こりゃうめえ!

あんころもちも確保したところで、境内を散策。

拝殿。御祭神の穂高見命は海の神なんですね。海なし県なのに面白い。
養老杉。
木々の間から覗く神楽殿。
一部工事中で入れませんでした

奥にあるこの池がとても良くって~…。ここだけ空気がひんやりしていて(水辺だから当たり前なんですけど)、適度な湿度と静謐な雰囲気が心地好かったんですよね。しばらくうずくまって水面を眺めていたい気分でした。大丈夫スピってません。シンプルに空気が良かった。

UMA

駐車場の脇には、道祖神群が。

いろんな道祖神がいるね、かわいいね、と和やかな気持ちで眺めていたのですが、中に一組、ひときわ異彩を放つ道祖神が。

餅つき道祖神

杵と臼で…IN☆OUT☆IN☆OUT☆を……!?

ちょっ…と想像力豊かすぎるんじゃないですかね江戸時代。「感心する」じゃないのよ…。


思いがけず度肝を抜かれたところで、そろそろ帰りのお時間です。

1日1本だけ穂高駅に止まる、14時29分発、新宿方面のあずさ。これに乗って帰ります。
本当はどこかでコーヒーでもテイクアウトしたかったのですが、うまいこといかず、代わりに自販機でこれを買いました。

せめて缶コーヒー買えよ。

車窓からの風景。

帰りは本当にも~何事もなく。甲府でたくさん乗ってきて、また八王子で結構な数降りて。私は終点まで行って、乗り換えて、無事帰宅です。

そこまで無理もなく、大体計画通りに行けたし、大変気持ちの良い一人旅でした。長野は良きところですね。今度は諏訪湖のあたりも、ゆっくり回ってみたいです。

お読みいただきありがとうございました。

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