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外資のポジションクローズとは?退職勧奨や退職金パッケージと転職

ポジションクローズという言葉を聞いたことはあるだろうか?

外資系企業で頻繁に用いるリストラの理由であり、この業界ではよく耳にする単語である。

外資と言っても日本の法律を守らなければならないので、ポジションクローズというだけでは当然退職させる理由にはならない。

自分の生活やキャリアを守るためにも、ポジションクローズとの戦い方については、外資で働く以上、是非、知っておいていただきたい。


1章 ポジションクローズとは

ポジションクローズとは、特定の職種、部門、あるいは特定の役割そのものを廃止することを指す。

法的には、個人を対象とした「普通解雇」ではなく、経営上の理由による「整理解雇」に近い形を取ることが多い。

しかし、日本の裁判例において整理解雇が認められるためのハードル(整理解雇の四要素)は極めて高い。

実務上、企業側は強制的な解雇を強行して訴訟リスクを負うことを嫌い、ポジションクローズという言葉を「大義名分」として、自主退職を迫るのである。

2章 ポジションクローズの理由

実務の現場で遭遇するポジションクローズの背景は、主に以下の4類型に集約される。

2-1 理由1:事業の撤退・縮小

日本市場からの完全撤退や、特定のプロダクトラインの終了。

物理的に受け皿となる仕事がなくなるため、法的にも企業側の主張が通りやすいケースである。

2-2 理由2:部門の統合

アジア拠点の機能をシンガポールや上海へ集約し、日本法人の機能を縮小する場合。

仕事自体は存在するが、日本国内にそのポストを置かないという論理である。

2-3 理由3:人員削減(ヘッドカウント減少)

本社の財務戦略に基づき、パフォーマンスに関わらず「日本法人で〇人を削減せよ」という指示が出るケース。

この場合、経営状況や、削減対象の選定基準の妥当性も、交渉における大きな論点となる。

2-4 理由4:狙い撃ちの方便

特定の個人の能力や人間関係を問題視しているが、客観的な解雇理由を作るのが難しいため、あえて「その人が就いているポジション自体を廃止する」という体裁を整える。いわゆる「狙い撃ち」のリストラである。

3章 ポジションクローズとパッケージ

企業側がポジションクローズを告げる際、セットで提示されるのが「退職パッケージ」である。

退職パッケージとは、労働者が自主的に退職することの対価として提示される金額である。

相場は3か月分~24か月分程度と幅がある。

実務上の相場は、給与の数ヶ月分から、シニアマネージャークラスであれば1年分以上に及ぶこともある。

また、未確定のRSUの取り扱いや、在籍期間の延長、再就職支援サービス(アウトプレースメント)の付帯も交渉材料となる。

退職パッケージについては、以下の記事でも詳しく解説している。

4章 ポジションクローズでの退職勧奨への対処法

ポジションクローズで退職勧奨をされた場合には、とにかく冷静に対応することである。

これが自分の身やキャリアを守ることにも繋がる。

4-1 手順1:退職合意書に安易にサインしない

面談の場で「今サインすればパッケージを出す」といった心理的圧迫を受けることもあるが、安易にサインをしてはならない。

一度サインした合意書を、後に「強要された」として覆すのは至難の業である。

口頭の発言でも退職が成立することがあり、退職が成立しなくても交渉に大きな影響を与えることが多いので、聞きに徹するのが安全である。

「重要な事項であるため、弁護士に相談した上で回答する」とだけ伝え、書類を確保して退出するのが鉄則である。

4-2 手順2:弁護士に相談する

退職合意書を一度持ち帰ったら、早めに弁護士に相談するべきである。

見通しやリスクを分析したうえで、意向を踏まえて一貫した対応をしていくべきだからである。

ただし、外資のポジションクローズや退職勧奨に詳しい弁護士を探すことがおすすめである。

4-3 手順3:交渉する

方針を決めたら会社と交渉していくことになる。

条件次第で退職の余地があるのであれば、特別退職金やガーデンリーブなどの補償の獲得を目指していくことになる。

退職に応じる余地がないのであれば、退職勧奨をやめるよう警告するなどの対応を行うことになる。

ただし、法的な見通しを前提に交渉していく必要があり、一度行った発言を後からなかったことにすることは容易ではないことに留意するべきである。

4-4 手順4:合意書を作成する

最終合意に至った場合、退職日、パッケージの最終金額、清算条項(今後お互いに一切の請求を行わないこと)を網羅した合意書を締結する。

会社側からは労働者に不利な一方的な合意書が提示されることが多く、注意して条項を確認する必要がある。

5章 ポジションクローズについてよくある疑問

5-1 Q1:ポジションクローズで株(RSU)はどうなる?

通常、退職日以降に権利確定(vest)するRSUは消滅する。

ただし、「退職日を調整して次の確定日まで在籍させる」あるいは「未確定分を現金換算してパッケージに上乗せする」交渉などを行うこともある。

5-2 Q2:ポジションクローズは転職に影響ある?

個人の能力不足による懲戒解雇等とは異なり、組織再編に伴う「会社都合」での離職となるため、転職市場での評価を著しく下げる要因にはならない。

ただし、安易に退職に応じてしまうと無職となりキャリアにブランクが空いてしまう関係で、転職に影響が出ることもある。

5-3 Q3:ポジションクローズの退職金は?

退職金規程に基づく退職金がある場合には、会社都合として計算した退職金が支払われるのが通常である。 

これに加え、特別退職金としてのパッケージが加算されることが多い。

5-4 Q4:ポジションクローズで降格される?

企業側が解雇回避努力として、下位のポジションや別職種への異動を打診してくることがある。

これに同意する義務はないが、拒否した場合でも辞令を出されることはあるし、整理解雇の理由とされることもある。

6章 まとめ

以上のとおり、今回は、外資のポジションクローズについて説明した。

ポジションクローズという単語に惑わされず、安易な発言や態様は控え、法的な見通しに基づいて、冷静に対処していくことが成功の秘訣だ。

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