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管理職はリストラされやすい?最新事例や簡単な対処法とポイント3つ

これまで多くの外資系企業や管理職の方々から、リストラに関する切実な相談を受けてきた。

立場が上になればなるほど、会社からの風当たりが強くなる現実に直面している人も多いはずである。

今回は、管理職がなぜリストラの対象になりやすいのか、その理由と身を守るための知識を整理していく。

管理職のリストラについては、以下の動画でも解説している。


1章 管理職はリストラされやすい

会社が組織を大きく変えようとする時、真っ先にメスが入るのは実は管理職のポストである。

現場の若手社員よりも、なぜ責任ある立場の人間が選ばれるのか、その構造的な背景を正しく理解しておく必要がある。

1-1 理由1:高い人件費

会社にとって、管理職に支払う給与は非常に大きなコストである。例えば、若手社員の2倍から3倍の給料を支払っているケースも少なくない。

経営状況が悪化した際や、利益率を急いで上げたいと考えた時、1人の管理職を削減するだけで、若手社員数人分の人件費を一度に浮かせることができるのである。

1-2 理由2:業務の代替性

意外に思われるかもしれないが、管理職の仕事は「他の誰かでも代わりが務まる」と会社から判断されやすい側面がある。

実務を直接こなす現場の担当者とは異なり、管理業務はITツールの導入で効率化できたり、他の管理職が数人分を兼務したりすることが可能だからである。

特に、調整や報告がメインとなっているポストは、削減の候補になりやすい。

1-3 理由3:時代適応の遅れ

技術の進歩や市場の変化が激しい現代において、過去の成功体験に固執してしまう管理職は厳しい目で見られる。

新しいデジタル技術や、変化した働き方に柔軟に対応できないと見なされると、会社は「今の組織には不要な人材」というレッテルを貼ることがある。

これは個人の能力というよりも、会社の将来像とのミスマッチが原因で起こる。

1-4 理由4:構造改革

会社が合併したり、不採算部門を閉鎖したりする「構造改革」の際、管理職のポストそのものが消滅することがある。

ピラミッド型の組織を平坦にする(フラット化する)動きの中では、中間管理職の層を厚く保つ必要がなくなるからである。

これは個人の成績や評価に関わらず、組織の形が変わることで機械的に発生するリストラである。

2章 リストラされにくい管理職とは

リストラの対象を選ぶ際、会社は単に年齢や役職だけで決めているわけではない。組織にとっての「代えがたさ」をどう証明できているかが、分かれ道となる。

2-1 専門性と市場価値を持っている

特定の分野で深い専門知識を持ち、社外でも通用する高いスキルがある人は非常に強い。

万が一、自社を辞めて競合他社に移られてしまうと、会社にとって大きな損失になると判断されるからである。

例えば、高度な技術的知見や、独自の顧客ネットワークを持っている管理職は、会社にとって手放すリスクが高すぎるのである。

2-2 現場の信頼が厚く、成果に直結している

部下からの信頼が絶大で、その人がいなくなるとチームの生産性が著しく落ちるような人物は、会社も簡単にはリストラできない。

目に見える売上などの数字だけでなく、組織を円滑に動かす「人間力」が大きな守りとなる。

例えば、その管理職が辞めることで、優秀な若手社員まで連鎖的に辞めてしまうような事態を、会社は最も恐れている。

2-3 変化を柔軟に受け入れ、自ら動ける

会社の新しい方針や、時代の変化に対して、素早く自分をアップデートできる柔軟性は不可欠である。

過去のやり方に固執せず、新しい技術や仕組みを率先して取り入れる姿勢を見せている管理職は、「これからの組織にふさわしい」と見なされる。

例えば、年下の部下からも新しい知識を吸収しようとする謙虚な姿勢が、結果として自身の雇用を守ることにつながる。

3章 管理職のリストラ事例

過去に報じられた大手企業の事例を振り返ると、管理職がいかに時代の転換点でターゲットにされてきたかがよく分かる。

これらは、特定の個人に問題があったというよりも、会社全体の戦略変更に伴うものが多い。

3-1 ホンダ

ホンダは、2021年4月、早期退職プログラムの募集をかけたとされている。

中高年社員が対象とされ、経営陣から管理職向けに世代交代を進めるために導入するとのメッセージが出されている。

割増退職金や再就職支援が用意されている。

3-2 富士通

富士通は、2024年10月31日、総務や人事といった「間接部門」の幹部社員を対象に、早期退職の募集を行ったことを公表した。

特筆すべきは、退職金の割り増しや再就職支援の費用として、約200億円という巨額の予算を計上した点である。

3-3 パナソニック

パナソニックも、管理職向けに人員削減を進めていると報じられている。

国内半数が50代以上という構造上の問題点が理由とされ、定年ラッシュへの対策とされている。

割増退職金が支給され、年齢により傾斜がつけられるとのことである。

4章 管理職がリストラされたら

管理職としての誇りや責任感がある人ほど、「会社に迷惑をかけてはいけない」と物分かりよく振る舞ってしまいがちである。

しかし、ここは一人の労働者として、自分の生活と権利を守るためのステップを確実に踏むべき局面である。

4-1 手順1:安易に退職合意書にサインしない

面談で「今日中にこの書類にサインしてほしい」と強く迫られるケースは非常に多い。しかし、どれほど急かされても、その場でサインをしてはいけない。

一度「退職合意書」に署名・捺印をしてしまうと、後から「不当な解雇だ」と争ったり、条件の交渉をやり直したりすることが法的に極めて難しくなるからである。

まずは「一度持ち帰って家族や専門家と相談します」とはっきり伝えることが、自分を守るための鉄則である。

4-2 手順2:弁護士に相談する

管理職の解雇や退職勧奨は、法律的に見て無効であるケースが多々ある。

自分では「仕方がない」と思っていても、専門家の目で見れば、会社側の手続きに不備があったり、解雇の理由が不十分だったりすることも珍しくない。

まずは管理職の解雇や退職勧奨問題に強い弁護士に相談し、自分の状況が法的にどう守られるのか、客観的な見通しを確認することが重要である。

4-3 手順3:交渉する

弁護士を代理人に立てる、あるいはアドバイスを受けながら、会社側と交渉を行う。

今後の働き方について協議していい解決をできることもある。

退職金の加算(パッケージ)の増額や、退職日の延長、あるいは再就職支援の充実など、自分にとってより有利な条件を引き出すための話し合いを進めていくもある。

4-4 手順4:労働審判や訴訟を提起する

話し合いがどうしてもまとまらない場合は、裁判所の力を借りることになる。

「労働審判」という制度を使えば、通常の裁判よりも短い期間(原則として3回以内の期日)で結論を出すことが可能である。

正当な権利を守るためには、毅然とした態度で法的な手続きに進む覚悟も必要である。

労働審判については、以下の動画でも解説している。

5章 管理職のリストラの裁判例

管理職が解雇を宣告された際、裁判所がどのような視点でその正当性を判断しているのか。特に重要な指針となる裁判例を紹介する。

東京地判令和3年12月13日労判1290号91頁[バークレイズ証券事件]

この事案は、外資系証券会社で管理職を務めていた男性が、役職の廃止を理由に解雇されたものである。

会社側は「部門の業績不振によるリストラ(整理解雇)である」と主張したが、男性は納得せず、解雇は無効であるとして裁判に踏み切った。

裁判所は、以下の理由からこの解雇を無効と判断した。

・人員削減の必要性がなかった:会社全体では過去最高益を記録しており、男性が所属していた部門の収益も回復傾向にあった。

・解雇を避ける努力が足りなかった:解雇する前に「降格」や「賃金減額」を提案して雇用を継続する検討がされていなかった。また、他の職務への配置転換(ジョブチェンジ)の検討も不十分であった。

・希望退職を募集していなかった:いきなり指名して解雇するのではなく、まずは希望者を募るといった、解雇を避けるための一般的なステップを踏んでいなかった。

この判決は、たとえ「部門の閉鎖」や「役職の廃止」があったとしても、会社が黒字であり、他のポジションへの異動を十分に検討していない場合には、安易な解雇は認められないということを示している。

6章 管理職のリストラのポイント

リストラという言葉に翻弄されず、正しい知識を持つことで、心に余裕を持って次の一歩を考えられるようになる。

6-1 ポイント1:部下なし管理職が狙われやすい

いわゆる「専門職」扱いの管理職や、部下を持たない「担当部長」のようなポストの人は、リストラの対象として選ばれやすい。

会社側から見れば、その人を削減しても現場の指揮系統に混乱が生じず、かつ高い人件費を一気にカットできるという、経営上の「効率」が良いターゲットに見えてしまうからである。

例えば、部下を育成・管理するという「マネジメントの責任」を負っていない一方で、一般社員よりも高い報酬を受け取っている場合、会社は「支払っているコストに対して、役割が見合っていない」と考えるためである。

6-2 ポイント2:未払い残業代がないか確認する

管理職だからといって、全ての残業代が支払われなくてよいわけではない。

法律上の「管理監督者」に該当しない、いわゆる「名ばかり管理職」であった場合、過去にさかのぼって高額な残業代を請求できる可能性がある。

そして、この管理監督者の条件は非常に厳格であり、実際には名ばかり管理職に過ぎない方が非常に多いのである。

例えば、出退勤の自由がなかったり、経営に関与する権限がなかったりする場合は、残業代が発生する。

リストラの交渉において、この未払い残業代の存在は、会社側に対する強力なカードになる。

6-3 ポイント3:パッケージを手に入れられることもある

適切に交渉していくことで、円満に退職してもらうための対価として「パッケージ(割増退職金)」が提示されることがある。

会社側としても、裁判で争って長引くリスクを避けたいと考えているからである。

交渉次第では、月収の数ヶ月分から、場合によっては年収の1年分以上の金額を上乗せして確保できるケースもある。

提示された条件が妥当かどうか、専門家の知見を借りて慎重に判断すべきである。

退職パッケージについては、以下の記事でも解説している。

7章 管理職のリストラについてよくある疑問

管理職のリストラについてよくある疑問を解消していく。

7-1 Q1:40代・50代でリストラされたら再就職できない?

決してそんなことはない。管理職として培ってきたマネジメント経験や、特定の分野での深い専門性は、中途採用市場において非常に価値がある。

ただし、若手に比べて再就職が簡単ではなく、生活への影響も大きいことは事実である。

十分な見通しが立たない中で安易に退職に応じることは避ける必要がある。

7-2 Q2:黒字リストラは違法?

会社が黒字であっても、リストラを行うこと自体が直ちに違法となるわけではない。

将来の競争力を高めるための「構造改革」としてのリストラは、経営判断として尊重される傾向にある。

ただし、黒字である以上、会社は「解雇を避ける努力」をより一層尽くさなければならない。

無理やり辞めさせるような形であれば、不当な解雇とされる可能性が高い。

7-3 Q3:リストラ面談は録音してもいい?

リストラの面談を録音することは、法律上の違法ではないであろう。

むしろ、自分の身を守るための手段として、リストラの面談については、録音をした方が望ましいであろう。会社側も録音していることが多い。

8章 管理職のリストラ対応はリバティ・ベル法律事務所

管理職のリストラへの対応については、是非、リバティ・ベル法律事務所に相談してほしい。

この分野は、専門性が高い分野であるため、弁護士であれば誰でもいいというわけではない。

法的な見通しを分析したうえで、あなた自身の意向を踏まえて、適切に方針を策定する必要がある。

リバティ・ベル法律事務所では、解雇や退職勧奨事件に力を入れており、とくに外資系企業や管理職の退職勧奨や解雇問題に圧倒的な知識とノウハウを蓄積している。

初回相談は無料となっているため、まずはお気軽にご相談いただきたい。

お問い合わせ – リバティ・ベル法律事務所

9章 まとめ

以上のとおり、今回は、管理職のリストラについて説明した。

突然、リストラを言い渡され戸惑うかもしれないが、安易な発言や態様は控え、法的な見通しに基づいて、冷静に対処していくことが成功の秘訣だ。

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