兵庫県・おさかべ姫ってどんな妖怪?|日本全国妖怪めぐり㉟
日本全国には、いろいろな妖怪の伝説が残っています。
今回紹介するのは、兵庫県(ひょうごけん)の姫路城(ひめじじょう)に伝わる、おさかべ姫です。
おさかべ姫は、天守(てんしゅ)の奥に住むといわれてきた、不思議な存在です。
美しい姫の姿で現れる話もあれば、お城を守る神さまと結びついた話もあります。
白い壁が美しい姫路城の中に、どんな主(ぬし)が住んでいるのか。
想像すると、少しドキッとしますね。
ざっくり特徴
姫路城の天守に住むといわれる
美しい姫や女性の姿で語られることがある
妖怪とも、お城を守る神さまともいわれる
夜の天守にのぼった若者が、主に出会ったという昔話がある
どんな妖怪?
おさかべ姫は、姫路城の天守閣(てんしゅかく)の主として語りつがれてきました。
妖怪として少しこわく描かれることもあります。
一方で、姫路城が建つ姫山(ひめやま)に古くからまつられていた刑部神(おさかべがみ)と結びついた存在とも考えられています。
ただ人をおどろかせるだけではなく、城を見守る主のような存在です。
地域の話
兵庫県姫路市にある姫路城は、白い壁が美しいことで知られています。
その姿から、「白鷺城(しらさぎじょう)」とも呼ばれてきました。
おさかべ姫は、そんな姫路城の天守にまつわる伝説として語られています。
姫路城が建つ姫山には、古くから刑部神(おさかべがみ)と呼ばれる神さまがまつられてきたともいわれています。
妖怪としてのおさかべ姫と、お城を守る神さまの話が重なっているところが、この伝説のおもしろいところです。
何をするの?
おさかべ姫の話には、夜の天守にのぼる若い侍(さむらい)の昔話があります。
江戸時代の姫路城で、ある夜、若い小姓(こしょう)たちが天守の主について話していました。
「天守の最上階には、おさかべ姫という主がいる」
「年に一度だけ、殿様(とのさま)が一人で会いに行く」
そんな話を、みんな子どものころから聞かされていました。
すると、気の強い森田図書(もりたずしょ)という若者が、
「それなら、自分が見てこよう」
と言って、ちょうちんを手に天守へ向かいます。
夜の天守は、真っ暗です。
急な階段を一段ずつのぼるたびに、木の床がギシギシと鳴ります。
図書はこわくなりながらも、引き返さずに上へ上へとのぼっていきました。
やがて最上階に着くと、だれもいないはずの部屋から、ぼんやりと明かりがもれていました。
図書が戸を開けると、そこには美しい女性が座っていました。
その女性は、図書がここまで来た勇気をほめ、証拠として兜(かぶと)の一部を渡したといわれています。
次の日、図書がそれを殿様に見せると、城の家宝の兜から同じ部分がなくなっていました。
それを合わせると、ぴったり合ったそうです。
こうして、図書が本当に天守の主に会ったことが分かった、という昔話です。
どんな姿?
おさかべ姫の姿は、ひとつに決まっていません。
森田図書が見た話では、色白で美しい女性として現れます。
十二単(じゅうにひとえ)のような立派な着物を着た、姫のような姿だったと語られています。
一方で、殿様が会うときには、老婆(ろうば)の姿で現れたともいわれています。
美しい姫なのか、少しこわい老婆なのか。
見る人によって姿が変わるところも、おさかべ姫の不思議さです。
子ども向け豆知識
おさかべ姫の話は、江戸時代の本『諸国百物語(しょこくひゃくものがたり)』にも登場します。
また、宮本武蔵(みやもとむさし)が姫路城の天守で妖怪退治をして、おさかべ姫と出会う話もあります。
ただし、これは後の時代に広まった講談(こうだん)や昔話として見るのがよさそうです。
おさかべ姫は、ただのこわい妖怪ではありません。
姫路城が建つ姫山にまつられてきた、古い神さまとも結びついた存在です。
だから、おさかべ姫は「天守にすむ妖怪」でありながら、「お城を見守る主」のようにも語られてきたのです。
まとめ
おさかべ姫は、兵庫県の姫路城に伝わる、天守閣の主です。
美しい姫や老婆の姿で現れる妖怪として語られる一方で、姫山に古くからまつられてきた神さまとも結びついています。
夜の天守にのぼった若者が、おさかべ姫に出会ったという昔話も残されています。
妖怪とも守り神ともいわれる、少しこわくて不思議なお姫さまです。
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