【BL二次小説】 B線からのSOS⑮
仕事帰りに繁華街へ向かっている新開。
「靖友が……運命の相手……」
昼休みに福富に言われてから仕事もそっちのけでずっとその事ばかり考えていた。
もちろん、本当にそうならこんなに嬉しいことは無い。
が、信じられない。
もう一押しが欲しい。
慎重になっているのは、荒北を本気で好きだからだ。
臆病になっている。
また荒北と喧嘩になるのが怖い。
何か強烈に背中を押してもらえるものが無いと躊躇する。
背中を押してもらえるもの……それはひとつしか無かった。
「さぁ!見てくれ巻ちゃん!オレの恋愛運を!」
「東堂……。毎日見たってそうそう運勢なんて変わらねーぜ」
「オレに都合の良い結果が出るまで毎日通うぞ!」
「それ最早占いじゃないっショ」
「金なら払う!ほら5千円だ!」
「はぁ……。最初はいいカモだと思ったんだが、厄介なのに粘着されちまったなぁ……」
「占ってくれ。恋愛運だ」
「!」
「!」
占い師と常連客がギャーギャー騒いでいるところに割って入ったのは、新開だった。
「なんだ貴様は!」
「……おたく……。覚えてるっショ。赤毛イケメンのオニーサン」
「オレが先に見てもらっているのだ!割り込むでない!」
「あー、こんな奴だが一応順番ショ。オニーサン、悪いがちょっと待……」
「1万円払う」
「見るっショ」
「巻ちゃん!!」
うるさい常連客を隅に追いやる占い師。
新開に右手を出させる。
「あれから運命の相手とは出逢えたかい?オニーサン」
「それを占ってもらいに来たんだ」
占い師は新開の手相を凝視した。
「キエェェーーーッ!!」
「ビクッ」
何度見てもらっても、この奇声でビックリする。
占い師はスッキリした顔で、結果を言った。
「……なんだ。運命の相手とはもう既に出逢ってるっショ」
「……!!」
既に……出逢ってる……!
衝撃を受ける新開。
占い師はニヤリと笑って言った。
「よ~く思い返してみるっショ。前回見た時から今日までに新たに出逢った人物。おたくの運命の相手は、その中にいるっショ」
「……!!」
そんなの……靖友一人しかいない……!!
やっぱり……!
やっぱり靖友……!
おめさんがオレの!!
呆然とする新開。
バン!
うるさい常連客が新開の背中を叩いた。
「良かったな青年よ!幸せになるのだぞ!」
グッと親指を立てて激励する。
「あ、ありがとう……」
新開はフラフラとゆっくりその場を立ち去った。
「さあ!巻ちゃん!今の青年のようなめでたい運勢をオレにも頼むぞ!」
「東堂……オマエは明日死ぬ」
「それは恋愛運とは違うぞ巻ちゃん!」
靖友……。
靖友……!
靖友靖友靖友靖友靖友!
確定だ。
もう、恐れないよ靖友。
おめさんが怒ろうが泣こうが暴れようが、もう離さない。
もうオレは……失敗しない!
新開は意気揚々と出逢橋へ向かった。
「……ん?」
靖友が男共に囲まれてる……?
「アタシのこと、汚いって言ったんだコイツ!」
「ホントのことだろーが!病原菌撒き散らしてンじゃねェぞビッチが!」
「ムキー!」
「オニーサン……痛い目に遭いたいみたいだなぁ」
「今日のオレぁムシャクシャしてンだ!全員まとめてかかってこいやオラァ!!」
「小僧……」
「や、靖友!?」
新開は真っ青になった。
