【BL二次小説】 B線からのSOS⑯
「二度と歌えなくしてやる!」
荒北に男が一人殴りかかる。
荒北はスッと身を屈めてかわし、アッパーを喰らわせた。
ガッ!
「ぐわあっ!顎が!」
口を押さえて地面に転がる男。
「小僧……」
他の男達が間合いを取る。
「どうしたァ。やろうぜホラ」
人差し指で手招きし、挑発する荒北。
ピン!
男の一人がナイフを出した。
「!」
「調子こいてんじゃねーぞガキ!」
ナイフで襲いかかる男に、荒北は咄嗟にギターで防御した。
バゴッ!
割れるギター。
「靖友!!」
「エ?」
新開が走って来た。
「お前らオレの靖友に何してんだぁぁ!!」
「新開?」
「あるぁぁ!!」
バキッ!!
ナイフの男を助走をつけてぶん殴る新開。
吹っ飛ぶ男。
「なっ、なんだコイツ!」
「目が赤く光ってるぞ!」
乱入してきた新開を見て驚く男達。
「ぅあるああぁぁ!」
男を一人頭上に持ち上げる新開。
「ひぃぃ!やめろ!」
新開はそのまま男を橋から川へ放り投げた。
ザッパーン!!
「ふざけんなてめぇ!」
「危ねェ新開!」
背後から新開に襲いかかる男に、荒北はタックルした。
「靖友!」
荒北と共に転がる男に、新開も一緒に覆い被さった。
ピリピリピリピリ!!
「やめなさい!キミ達!」
警官が走ってやって来た。
集まっていた野次馬がサーッと道を空ける。
「ヤベェ!逃げンぞ新開!」
荒北は新開の腕を掴んで駆け出した。
「ハァハァ」
「はぁはぁ」
荒北の家までなんとか逃げてきた。
ドサッとリビングのソファにへたり込む新開。
荒北は冷蔵庫からベプシを2本出して、テーブルに置く。
その後、濡れタオルと救急箱を持って来た。
「ぷはーっ」
新開はベプシを一気飲みして大きく息を吐いた。
「手当てすっから。上着もシャツも脱ぎな」
「……あ、うん」
言われた通り、服を脱いで肘掛けに放る。
濡れタオルで新開の体を拭く荒北。
「強えェんだなオメー。……カッコ良かったぜ」
「なんか……夢中で。よく覚えてないや」
新開の顔の擦り傷に薬を塗る。
「キレイな顔が台無しだナ」
「顔なんかどうなってもいいよ。この顔のせいで面倒なことばかりだ」
「ンなこと言うな。オレはオメーの顔、好きなンだ」
「靖友……」
グッ。
「!」
新開は薬を塗る荒北の手を掴んだ。
「好きなのは……オレの顔だけ?」
「エ……?」
「オレは、靖友の顔も、体も、性格も、全部……好きだよ」
「……!」
「靖友は……オレのことどう思ってる?オレは、おめさんが好きだ。ライクじゃない。ラブの方の好きだ」
「新開……!」
新開の突然の告白に、みるみる顔が赤面する荒北。
「な、何言ってンだオメ。オレ達……男同士じゃねェか」
「男同士でも構わない。好きになっちまったんだ」
「こんなの……間違ってる」
「靖友……!」
顔を逸らす荒北の頬を、新開は両手で包みこちらを向かせた。
「今のセリフ……覚えてないかい?」
「……ハッ!」
「靖友。オレの運命の相手は、おめさんだ。そして、おめさんの運命の相手は……オレなんだよ」
「……な!」
驚く荒北。
「バカ言うな!ンなワケ……」
「おめさん言ってたじゃねぇか。二人の間には余程の障害があったんだ、って」
「……男同士……!」
「余程の障害だろ?」
荒北は息を飲んだ。
「た、確かにそうだが……でも……」
「靖友」
パニックを起こしかけている荒北。
靖友……。
オレは諦めない。
必ずおめさんを説得してみせる。
もう決して、おめさんを手離したりしない。
そして、B線のオレ達を、救うんだ ──!
