【BL二次小説】 東堂式恋愛術⑦
ハァハァ。
靖友はすばしっこい。
だけど絶対追い付いて捕まえてみせる。
そして、言うんだ、好きだって。
上履きのまま、寮の裏まで来ちまった。
だけど、いいぞ。
この先は袋小路だ。
いた!
靖友は袋小路に戸惑って塀をよじ登ろうとしている。
バカ。
登れるわけないだろ、その高さ。
「靖友!!」
捕まえた!
靖友の腕を掴んでこっちを向かせる。
「!!」
いつもつり上がっている靖友の眉が……ハの字に下がって……目に涙を浮かべている……!?
なんで?
「見ンな!」
顔を背ける靖友。
おめさん……。
「今まで通り自由にしろ」って。
「女子と付き合え」って。
「ヤキモチ妬いたりしない」って。
「自分の身の程はわきまえてる」って。
だったら……。
「だったらなんでそんな辛そうな顔してんだよ!!」
「っせ!離せ!」
離すもんか!
オレは靖友を抱き締めた。
「好きだ靖友!」
「!」
「オレ、わかったんだよ。おめさんがオレの運命の人だって。男同士だろうと構わない。好きなんだ!好きで好きでたまらない!」
「新開……」
「もう、おめさんを泣かせたりしないから。辛い思いさせたりしない。女子に告られても、好きな人いるからって全部断るからな」
「……」
オレは靖友の頭を掴んで、唇を重ねた。
「ん……!」
靖友の唇……柔らかい。
すごい気持ちイイ。
オレのファーストキス。
まさか男とするとは思わなかった。
だけど構わない。
一生キスは靖友としかしない。
誰にも靖友を渡さない。
絶対離さない。
靖友……。
オレはもうおめさんに夢中だ。
ああ……。
舌入れたくなってきた。
怒るかな靖友。
怒らないよな。
だってオレ達はもう、両想いなんだから……。
バキィッ!!
「!」
ズシャーーッ!
えっ?
殴られた?
なんでオレ、殴られて地面に倒れてんの?
まだ……まだ舌入れてないのに!
これから入れようと思ってたのに!
「オレに触んな!ボケナスがァ!!」
は?
「オメーとはもう終わりだァ新開!」
え?
なに?
どゆこと?
「言ったろうがァ!付き合うつもりねェって!」
いや、言ったけど、それは……。
「オレぁなァ……」
靖友はオレを見下ろして言う。
「追いかけンのが好きなんだ。振り向かれたら、その時点で冷めンだよ」
……えっ?
……ええっ!?
「だから忘れろって言ったのになァ。もっと永く楽しみたかったぜ。落ちンの早過ぎだろーが。オメーにはガッカリしたぜ新開チャン」
そ……そんな!
そんなバカな!
今さら……!
こんなにおめさんのこと好きにさせといて、そんな……。
「や、靖友……嘘だろ?嘘だよな……?」
オレは靖友の足を掴んですがるように言う。
「嘘じゃねーよ。手ェ離しな」
「好きなんだ靖友。好きだ好きだ好きだ!」
体面も考えず見苦しくオレは靖友の足にしがみつく。
「もう終わったんだよ新開。別々の道を歩もうぜ」
「嫌だ!終わりなんて嫌だ!別れたくない!靖友!頼むよ!」
「始まってもいねーのに、別れるもクソもねーだろバァカ」
ガッ!
靖友はオレを蹴り飛ばして立ち去って行く。
「靖友!靖友おぉぉーー!!」
